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織田作之助とは?生涯・代表作・無頼派・織田作之助賞までわかりやすく解説

織田作之助とは?生涯・代表作・無頼派・織田作之助賞までわかりやすく解説 作家・作品ガイド
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織田作之助という作家をご存じでしょうか。

「名前は聞いたことがあるけれど、どんな人だったの?」

「『夫婦善哉』を書いた人、くらいしか知らない」

そんな方もいるかもしれません。

織田作之助は、大阪の街と、そこで暮らす人たちを生き生きと描いた作家です。

頼りない人。

思うように生きられない人。

それでもなんとか毎日を続けていく人。

織田作の物語には、そんな完璧ではない人間たちがたくさん登場します。

戦後には太宰治や坂口安吾らとともに「無頼派」と呼ばれましたが、33年という短い生涯のなかで残した作品は、それだけでは語りきれません。

この記事では、織田作之助の生涯や代表作、作風、無頼派との関係、そして現在も続く「織田作之助賞」まで、初めての方にもわかりやすくご紹介します。

読み終えるころには、

「まず一作、読んでみようかな」

と思える作品が見つかるかもしれません。

織田作之助とはどんな人?

織田作之助は、1913年10月26日に大阪で生まれた小説家です。

「オダサク」という愛称でも親しまれています。

大阪の高津中学校を卒業したあと、旧制第三高等学校へ進学しました。

学生時代には劇作家を志した時期もありましたが、スタンダールなどの文学に惹かれ、しだいに小説を書く道へ進んでいきます。

のちに井原西鶴にも強い影響を受けました。

1939年には『俗臭』が芥川賞候補となり、翌1940年に発表した『夫婦善哉』が注目を集めます。

戦後には『世相』『競馬』などを発表。

太宰治や坂口安吾らと並んで「無頼派」と呼ばれるようになりました。

しかし、結核を患いながら執筆を続け、1946年12月に東京で大喀血。

翌1947年1月10日、33歳で亡くなりました。

短い生涯でしたが、大阪を描いた小説だけでなく、評論や伝記、ラジオドラマなど幅広い作品を残しています。

織田作之助の代表作『夫婦善哉』

織田作之助の名前を知るなら、まず外せないのが『夫婦善哉』です。

1940年に発表され、織田作の出世作となりました。

主人公は、化粧品問屋の若旦那・柳吉と、芸妓の蝶子。

柳吉は頼りなく、商売もうまくいかない。

蝶子も振り回されながら、そんな柳吉と離れきれずに暮らしていきます。

いわゆる「理想の夫婦」とはほど遠い二人です。

それでも、食べて、けんかをして、困って、また一緒にいる。

織田作は、そんな二人を善悪だけで裁きません。

大阪の食べ物や街の描写も細やかで、読んでいると当時の街を歩いているような気分になります。

人間のどうしようもなさを描きながら、それをどこか可笑しく、愛おしく見つめている。

『夫婦善哉』には、織田作文学の魅力がぎゅっと詰まっています。

織田作之助の代表作と作風

織田作之助には、『夫婦善哉』以外にもさまざまな作品があります。

代表的なものを挙げると、

  • 『夫婦善哉』
  • 『天衣無縫』
  • 『青春の逆説』
  • 『俗臭』
  • 『六白金星』
  • 『放浪』
  • 『木の都』
  • 『世相』

などがあります。

作品によって雰囲気は違いますが、織田作らしさとして感じられるものがあります。

大阪の街と暮らしが見えてくる

織田作の作品には、大阪の街が何度も登場します。

難波、道頓堀、法善寺、黒門市場。

そこにある食べ物や店、人々の会話まで、生活の匂いが感じられるんですよね。

大阪は単なる「舞台」ではありません。

そこに暮らす人々と一緒に、街そのものが作品の一部になっています。

完璧ではない人間を描く

織田作の登場人物は、立派な人ばかりではありません。

お金にだらしない。

恋愛で失敗する。

働いてもうまくいかない。

誰かに迷惑をかけてしまう。

そんな人たちも出てきます。

けれど織田作は、彼らを簡単に切り捨てません。

人間の弱さも可笑しさも含めて、その人の人生として描いています。

そこが、今読んでもどこか身近に感じられる理由なのかもしれません。

ユーモアの奥に哀しさがある

織田作の小説には、思わず笑ってしまう場面もあります。

でも、その笑いのすぐ隣に、寂しさや切なさがある。

ただ明るいだけでも、暗いだけでもないんですよね。

人生は思いどおりにならない。

それでも、人は今日を生きている。

そんな人間へのまなざしが、織田作作品には感じられます。

織田作之助の作品をもう少し読んでみたい方はこちらへ。

▶ 織田作之助のおすすめ作品10選|代表作・作風と初心者向けの選び方

『天衣無縫』にも織田作らしい人間味がある

『夫婦善哉』と並んで、このブログでぜひ読んでほしい作品が『天衣無縫』です。

夫婦や男女の関係を通して、人間の可笑しさや不器用さが描かれています。

華やかな物語ではありません。

でも、

「近い関係だからこそ、うまくわかり合えないことがある」

という感覚は、今の私たちにもどこか身近です。

『天衣無縫』は、アニメ・漫画『文豪ストレイドッグス』で織田作之助の異能力名として使われていることから、作品名を知った方もいるかもしれません。

原作小説のあらすじや魅力、文ストとの関係はこちらで詳しく紹介しています。

▶ 織田作之助『天衣無縫』とは?あらすじ・魅力・文ストとの関係を解説

織田作之助は「無頼派」の作家

織田作之助は、太宰治や坂口安吾らとともに**無頼派(新戯作派)**と呼ばれた作家のひとりです。

ただし、ここは少し注意したいところです。

「無頼派」という正式な文学グループを三人で結成していたわけではありません。

第二次世界大戦後、既成の権威や道徳、従来の文学のあり方に距離を置いた作家たちに対して使われた文学史上の呼び名です。

太宰治、坂口安吾、織田作之助。

三人は同じ無頼派と呼ばれますが、書いているものはかなり違います。

太宰は、自意識や孤独。

安吾は、社会の価値観や人間の本質。

そして織田作は、大阪の生活のなかにいる人間。

それぞれ違う場所から、人間の弱さや矛盾を見つめました。

無頼派そのものについて知りたい方はこちらへ。

▶ 無頼派とは?太宰治・坂口安吾・織田作之助の作家メンバーをわかりやすく解説

三人の実際の交流や、銀座「ルパン」で過ごしたエピソードはこちらで詳しくまとめています。

▶ 織田作之助と無頼派とは?太宰治・坂口安吾との関係をわかりやすく解説

織田作之助と太宰治・坂口安吾の関係

織田作之助、太宰治、坂口安吾は、単に後世になって「無頼派」と一緒に括られただけではありません。

実際に交流がありました。

織田作自身が評論『可能性の文学』のなかで、銀座の酒場「ルパン」で太宰・安吾と一緒に過ごしたことを書いています。

また、織田作が亡くなったあとには、坂口安吾が追悼文を残しました。

同じ時代に作品を書き、言葉を交わしていた三人。

それぞれの作品を読み比べると、「無頼派」という一言では括れない違いも見えてきます。

文学史として知るだけでなく、

「この三人が同じ時代を生きていたんだ」

と思いながら読むと、少し近く感じられるかもしれません。

織田作之助の作品は青空文庫でも読める

「織田作を読んでみたいけれど、まず何から始めよう」

という方には、青空文庫も便利です。

『夫婦善哉』『天衣無縫』『青春の逆説』など、織田作之助の作品をインターネット上で読むことができます。

最初から一冊買うのではなく、

「自分に合うかな」

と思いながら数ページ読んでみるのもいいですね。

そして、

「もう少し織田作をまとめて読みたい」

と思ったら、作品集を手元に置いてみる。

何作か続けて読むことで、大阪の街、人間の可笑しさ、織田作独特のリズムがだんだん見えてきます。

『夫婦善哉』だけではなく、いろいろな織田作之助を読んでみたい方へ。

織田作之助賞とは?

織田作之助の名前は、作品だけでなく文学賞にも残っています。

織田作之助賞は、織田作之助の生誕70年を記念して1983年に創設された文学賞です。

現在は、大阪市・大阪文学振興会・関西大学・毎日新聞社で構成する「織田作之助賞実行委員会」が運営しています。

賞は、

  • 織田作之助賞
  • 織田作之助青春賞

の二本立てです。

現在の織田作之助賞は、前年10月1日から1年間に刊行された、新鋭・気鋭の作家による小説の単行本が対象です。

つまり、

「織田作のような作風の作品だけが選ばれる賞」

というわけではありません。

時代とともに形を変えながら、新しい文学を支えてきた賞なんですね。

2025年の第42回では、島口大樹さん『ソロ・エコー』と谷崎由依さん『百日と無限の夜』の2作品が受賞しました。

歴代の受賞作品から読んでみたい方はこちらへ。

▶ 織田作之助賞の歴代受賞作品から見るおすすめ受賞作10選

2025年の第42回についてはこちらの記事でまとめています。

▶ 第42回織田作之助賞2025候補作一覧と選考委員は?受賞発表日まで徹底まとめ

今も大阪に残る織田作之助の足跡

織田作之助は、大阪の街を描いただけではありません。

今も大阪のあちこちに、織田作の足跡が残っています。

生國魂神社には織田作之助の像があり、口縄坂には『木の都』の一節を刻んだ文学碑があります。

そして『夫婦善哉』を読むと、法善寺や黒門市場など、今も歩くことのできる大阪の街が登場します。

作品を読んだあと、その場所を実際に歩いてみる。

すると、

「この辺りを織田作も歩いたのかな」

と、文学が少し現実の風景につながります。

大阪を愛し、大阪を書いた作家だからこそできる楽しみ方ですね。

織田作之助を初めて読むなら

最後に、

「結局、最初の一作はどれがいい?」

という方へ。

私は、読みたい気分に合わせて選ぶのがおすすめです。

こんな方におすすめ作品
まず代表作を読みたい『夫婦善哉』
人間関係を描く作品が好き『天衣無縫』
若さや生きづらさを描く作品を読みたい『青春の逆説』
短編から試したい『俗臭』『六白金星』

「有名だからこれを読まなくては」と思わなくても大丈夫です。

自分が少し気になる作品から入ってみる。

そこから次の作品へ進んでいく方が、作家そのものを好きになれることもあります。

もう少し詳しく選びたい方は、こちらの記事で10作品を紹介しています。

▶ 織田作之助のおすすめ作品10選|代表作・作風と初心者向けの選び方

まとめ|織田作之助は、大阪と人間を描き続けた作家

織田作之助は、1913年に大阪で生まれ、33歳という若さで亡くなった作家です。

『夫婦善哉』をはじめ、大阪の街と、そこで暮らす人々を描いた作品を多く残しました。

戦後には太宰治や坂口安吾らとともに「無頼派」と呼ばれましたが、織田作の魅力は、その言葉だけでは語りきれません。

頼りない人。

うまく生きられない人。

失敗しても、また生活へ戻っていく人。

そんな人たちを見つめる織田作のまなざしには、可笑しさと哀しさが一緒にあります。

人生は、いつもきれいには進まない。

それでも、人は暮らしていく。

織田作之助の作品を読んでいると、その当たり前のことが、少し違って見えてくるんですよね。

まだ読んだことがない方は、まず一篇から。

『夫婦善哉』でも、『天衣無縫』でも。

今の自分が気になる作品を、そっと開いてみてください。

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