「坂口安吾は何派の作家なの?」──こんな疑問を持つ方は少なくありません。
坂口安吾は、太宰治や織田作之助と並び、戦後文学を代表する「無頼派」と呼ばれる作家でした。
この記事では、無頼派とはどういう意味なのか、坂口安吾がその中でどんな特徴を持っていたのかを、太宰・織田作との関係とあわせてやさしく解説します。
坂口安吾は何派?

坂口安吾は「無頼派(ぶらいは)」に分類される作家です。
無頼派とは、戦後の混乱期に誕生した文学潮流で、理想や道徳よりも「人間の弱さ」「破滅に向かう姿」を真正面から描いたのが特徴でした。
既成の価値観を疑い、ありのままの人間を描くことに挑戦したグループでもあります。
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無頼派とはどんな文学潮流?
戦後の日本文学を語るうえで欠かせないキーワードが「無頼派」です。
けれど、その意味は意外とあいまいに知られていることが多いんですよね。
ここでは、無頼派が生まれた背景や特徴を整理しながら、太宰治・織田作之助・坂口安吾の共通点と違いをやさしく解説していきます。
戦後に芽生えた「人間賛歌」
戦後の日本は価値観が大きく揺らぎました。
その中で無頼派の作家たちは、「人間は弱く、堕ちる存在である」という現実を受け入れつつ、そこにこそ人間らしさがあると描きました。
無頼派の代表的な作家たち
- 太宰治:破滅と孤独の中に人間愛を描いた作家。『人間失格』『斜陽』は戦後文学の象徴です。
- 織田作之助:大阪の庶民を温かく描いた作家。『夫婦善哉』は人情あふれる代表作です。
- 坂口安吾:思想的な支柱ともいわれ、『堕落論』で戦後日本に衝撃を与えました。
坂口安吾の無頼派としての特徴
同じ無頼派といっても、作家によって描き方や視点は少しずつ違います。
坂口安吾の場合は、『堕落論』に象徴されるように「人間の弱さを受け入れる」思想が大きな柱です。
ここでは、安吾が他の無頼派作家とどう異なり、どんな独自の魅力を持っていたのかを見ていきましょう。
「堕落論」に象徴される思想
坂口安吾の最大の特徴は、人間の弱さを肯定する視点です。
『堕落論』で「人間は弱いからこそ生きていける」と説いたのは、無頼派の中でも際立った思想でした。
幅広いジャンルに挑戦
坂口安吾は純文学だけでなく、探偵小説や歴史小説、エッセイにも積極的に挑みました。
その多彩さが、無頼派の中でも独自の立ち位置を与えています。
太宰治・織田作との違い
- 太宰は「破滅の美学」、織田作は「庶民の生活」、そして安吾は「弱さの肯定」というテーマを突き詰めました。
- 共通するのは「人間を美化しない」姿勢。けれど、その表現方法は三者三様でした。
無頼派をもっと知るために

無頼派は、単に「酒や破滅に生きた作家たち」というイメージにとどまりません。
むしろ、人間をありのまま描くことで、新しい文学の可能性を切り開いたグループでした。
坂口安吾を理解することは、太宰治や織田作之助の文学を知るうえでも欠かせない入口になります。
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まとめ
坂口安吾は「無頼派」に分類される作家であり、『堕落論』に代表される思想で戦後文学に大きな影響を与えました。
無頼派とは、人間の弱さや破滅を描きながら、その中に生きる意味を見いだそうとした文学潮流です。
太宰治・織田作之助とあわせて読むことで、無頼派の多彩な魅力がより深く理解できます。
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