芥川賞を受賞した作品「バリ山行」を中心に、その文学的価値や作品世界を深く掘り下げ、読者に彼の魅力を伝えることを目的としています。
また、松永K三蔵の他の作品や人となりにも触れることで、彼の多面的な才能や作家としての個性を詳しく紹介します。
芥川賞はこれまで私たちが知らなかった作家さんのことを知るいい機会だよね!
松永K三蔵さん、という名前だけではわからない良さっていうの?
そういうのがグングン伝わってくる感じがするよ
≪経歴≫
≪受賞歴・候補歴≫
小説・エッセイ
これまでの代表作品として小説とエッセイをご紹介します。
カメオ
「群像」の編集後記では、
「不条理な可笑しみに彩られたデビュー作」となっていました。
主人公は犬を一時的に預かるハメになるのですが、犬を返す相手の親族に連絡がつかなくなり、犬を返せなくなります。
その犬の飼い主は主人公の工事現場の隣に住む人。しかし、男は亡くなります。男が被っていたヘルメットに「亀夫(カメオ)」と言う名前が書いてある。
だから主人公は犬にカメオと名付けます。
亀夫の親族に連絡もつかず、このまま主人公のペット不可マンションに飼っておくわけにもいかず。
だから、犬を捨てたいが、捨てられないという主人公の葛藤。
まさに不条理な可笑しみに始終ハラハラする物語です。
◆『群像』2021年7月号掲載(現在取扱いがございません)
◆第64回群像新人文学賞優秀賞「カメオ」でデビュー
バリ山行
純文学には珍しい山岳小説だが、お仕事小説でもある。
◆第171回芥川賞受賞作品
◆『群像』2024年3月号
文学のトゲ
◆『群像』2023年6月号エッセイ「文学のトゲ」掲載
わたしの街の谷崎潤一郎
エッセイです。
松永K三蔵さんのプロフィールとなるような内容でした。
ご両親はともに関東の方で、関西には何の所縁もないそうです。
自身のお母様は谷崎潤一郎の愛読者だったという。
九州に単身赴任していたお父様を訪ねたお母様は、自宅のある関東に帰る途中の芦屋で、かつて谷崎が愛した白い砂浜と青い松林の続く海岸に胸をうたれ、「ここに住みたい」と言い出す。
そんなお母様に引き摺られるようにお父様は、阪神間に移り住みました。
そうしてここが彼の地元になったそうです。
松永K三蔵さんご自身の愛読書『細雪(全)』 『痴人の愛』 『陰翳礼讃』
◆中央公論.jpより≪連載≫『私の好きな中公文庫』第27回
『群像』2023年10月号 文一の本棚
エッセイです。
群像2023年6月号からはじまった連載書評「文一の本棚」に松永K三蔵さんが選んだ本です。
「講談社文芸文庫」から出版された本の中から、思い入れのある一冊を選んで書評エッセイを書くという趣旨の物だそうです。
◆文一の本棚 道籏泰三編『昭和期デカダン短篇集』『群像』2023年10月号
kindleボタンはKindle(電子書籍)で読むことができます。30日間無料体験ができるので、まずは無料で読んでみてから、書籍を購入してもいいですよね!
まとめ
読んでオモロイ純文学を書こう!という松永K三蔵さん。
確かに面白いです。
私がちゃんと全文読んだのは「カメオ」です。
群像文芸誌を購入していたこともあり、受賞作三作とも楽しく読んだ。
そのなかでも、やはり不条理な物語「カメオ」はダントツに面白かった。
面白い、というばかりでそれ以外言葉が出てこないくらいです。
芥川賞候補となった素晴らしい作品をこの機会に読んでみてはいかがでしょうか?