本を読みたいのに、数ページ進んだところでまぶたが重くなる。
気づけば同じところを何度も読んでいた。
そんな経験はありませんか。
「読書に向いていないのかな」
「集中力がないのかな」
と思ってしまうかもしれませんが、本を読んでいるときに眠くなること自体は、それほど不思議なことではありません。
実は、眠気には睡眠不足だけでなく、読む時間帯、目の疲れ、読書環境、本との相性など、いくつもの要因が関係します。
この記事では、本を読むと眠くなる原因を整理しながら、眠気を感じにくくするための7つの工夫をご紹介します。
「眠気と戦って読破する」のではなく、今の自分に合った読み方を見つけていきましょう。
本を読むと眠くなるのはなぜ?

本を開いた途端に眠くなると、「読書そのものに眠くなる作用があるの?」と思いますよね。
けれど、読書だけが特別に眠気を起こすというより、もともとたまっていた睡眠欲求や、その時間帯の眠気に気づきやすくなると考えた方が自然です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、人の眠気は主に「起きている間にたまる睡眠欲求」と、体内時計による「覚醒力」のバランスで生まれると説明されています。
就寝時刻が近づくと覚醒力が低下するため、夜に本を開けば眠くなるのは自然なことでもあります。
では、もう少し具体的に見てみましょう。
本を読むと眠くなる原因7つ
本を読むと眠くなる理由は、ひとつだけではありません。
睡眠不足や目の疲れ、読む時間帯、本との相性など、いくつかの要因が重なっていることもあります。ここでは、考えられる7つの原因を順番に見ていきましょう。
1.そもそも睡眠が足りていない
まず考えたいのが、読書そのものより睡眠不足です。
朝から仕事や家事をして、夜になってようやく自分の時間ができる。
そこで本を開いた途端、急に眠くなる。
これは「本が眠くさせた」というより、それまで活動していたため気づきにくかった眠気が表に出てきた可能性があります。
睡眠欲求は、起きている時間が長くなるほど強くなります。
本を開いて数分で眠ってしまう日が続くなら、まずは「今日はちゃんと眠れているかな」と考えてみてもよさそうです。
2.読む時間帯が眠くなりやすい
いつ読むかも関係します。
特に普段の就寝時刻が近づくと、体内時計による覚醒力が下がり、眠気を感じやすくなります。
また、健康な人でも午後の早い時間帯には眠気が出ることがあるとされています。
ですから、
「夜になると必ず本で寝落ちする」
という方は、内容を覚えておきたい本だけ朝や昼へ移してみるのも一つです。
反対に、眠る前の読書として楽しんでいるなら、眠くなること自体を困ったことと考えなくてもいいでしょう。
3.目が疲れている
本を読むと、近い距離へ視線を合わせ続けます。
長時間の読書や画面の使用は眼精疲労につながることがあり、目の疲れ、かすみ、頭痛、集中しにくさ、「目を開けていにくい」といった症状が出ることがあります。
特に一日中パソコンやスマホを見たあとでは、夜の読書まで目を酷使することになります。
そんな日は、
「眠い」というより、
「もう目を閉じたい」
状態なのかもしれません。
4.文字が見えにくく、読むことに負担がかかっている
文字が小さい。
薄暗い。
本を遠ざけないと読みづらい。
ピントを合わせるのがしんどい。
こうした状態では、読書そのものに余計な負担がかかります。
特に40代以降では、近くにピントを合わせにくくなる老視が徐々に現れることがあり、読書後の眼精疲労や頭痛につながる場合があります。
「最近、本を読むとすぐ目が疲れる」
という場合は、眠気対策だけではなく、文字サイズや眼鏡・コンタクトが合っているかを見直してみてもよいでしょう。
5.本が今の自分には難しすぎる
難しい文章を読んでいると、
文字は追っているのに内容が入ってこない。
何度も同じところに戻る。
そのうちぼんやりして眠くなる。
ということがあります。
必ずしも「難しい本だから眠くなる」と決まっているわけではありません。
ただ、理解するための負担が大きいと、注意が続きにくくなります。
読みたい本と、今の自分が読める本は別なんですよね。
難しい本は元気な日に。
疲れている日は読みやすい本へ。
そんな使い分けでも十分です。
6.本への興味が今はあまり向いていない
評判がいいから。
教養になりそうだから。
人にすすめられたから。
そんな理由で選んだ本が、自分にはどうしても合わないことがあります。
文章を追っても先が気にならなければ、注意が別のところへ向きやすくなります。
そんなときは、
「私は集中力がない」
ではなく、
「この本は今じゃないのかも」
と考えてみてください。
別の本なら、驚くほど眠くならずに読めることもあります。
7.読書環境が「眠る環境」になっている
ベッドに横になる。
照明を落とす。
毛布にくるまる。
夜遅く静かな部屋で読む。
これは読書には心地よい環境ですが、同時に眠る準備にも近いですよね。
「寝る前に読みたい」なら何も問題ありません。
ただ、
今は眠らずに内容を読みたい
というときは、ベッドではなく椅子へ移るなど、環境を少し変えてみる価値があります。
本を読んでも眠くなりにくくする対策7選

原因がわかったところで、今度は対策です。
全部試す必要はありません。
「これならできそう」と思うものを一つだけ取り入れてみてください。
1.眠い日は先に休む
いちばん簡単ですが、いちばん大切です。
睡眠不足なのに、
「今日は30ページ読まなくちゃ」
と頑張る必要はありません。
数ページ読んだところで強い眠気がきたら、その日は本を閉じる。
それも立派な選択です。
本は明日もそこにあります。
2.読む時間を変える
夜になると寝落ちしてしまうなら、読書時間を少し前へ移してみます。
朝食後。
昼休み。
休日の午後。
頭が比較的すっきりしている時間帯を探してみてください。
「毎晩寝る前に読む」と決めなくてもいいんですよね。
3.10分程度でいったん区切る
長時間集中しようとすると、読書が負担になることがあります。
そこで、
まず10分。
10分読んで、まだ読みたければ続ける。
眠くなったら終える。
このくらいの単位にすると、本を開くハードルも下がります。
4.明るさと文字サイズを見直す
読書中に目が疲れるなら、環境を整えてみましょう。
紙の本では、ページが読みやすい明るさにします。
電子書籍なら、文字を少し大きくしてみる。
そして長く読んだら、一度ページから目を離す。
読書など近くを見る作業では、適切な照明や途中で目を休めることが眼精疲労への対策になります。
5.座る場所を変える
ベッドではすぐ眠ってしまうなら、
ダイニングテーブル。
窓辺の椅子。
図書館。
カフェ。
などへ移ってみます。
場所が変わるだけで、「眠る時間」と「読む時間」を分けやすくなることがあります。
今後「本を読む場所おすすめ8選」を整えたら、ここから内部リンクを入れるのも自然です。
6.読みやすい本へ替える
眠くなりやすいときは、
短編。
ショートショート。
エッセイ。
会話が多めの小説。
好きなジャンル。
などへ一度替えてみます。
難しい本を読むことが読書の目的ではありません。
「続きを知りたい」と思える本なら、自然と読み進められることもあります。
読みやすい本を探している方はこちらへ。
→ 読書が苦手な大人でも読める本7選|本嫌い・普段読まない人にもおすすめ
7.文章が頭に入らなくなったら、その日はやめる
眠いのに、
「あと10ページ」
と進めても、翌日ほとんど覚えていないことがあります。
同じ一文を何度も読み始めたら、
今日はここまで。
という合図にしてもいいでしょう。
そもそも眠気ではなく、「読んでも文章が頭に入ってこない」という悩みが強い場合はこちらの記事も参考にしてください。
→ 頭に入る本の読み方5選|読んでも忘れる人へ、記憶に残るコツをやさしく解説
眠くなりにくい本の選び方

「眠くならない本」という決まったジャンルがあるわけではありません。
人によって興味も読書経験も違うからです。
ただ、眠くなりやすいときには選びやすい特徴があります。
一章が短い本
短く区切られていれば、
「ここまで」
という終わりが見えます。
一度に長く集中しなくてよいので、少しずつ読みたい方に向いています。
短編・ショートショート
一話が完結する本なら、一冊全体のストーリーを覚えておく必要がありません。
眠くなる前に一話読んで終える。
そんな読み方ができます。
続きが気になる本
ミステリー。
ホラー。
恋愛。
ファンタジー。
どのジャンルでも構いません。
「次はどうなるんだろう」
という気持ちがあることの方が、「ためになる本かどうか」より大切なこともあります。
一度読んだことのある本
疲れている日は、新しい世界へ入ること自体に力が必要なことがあります。
そんな日は再読もおすすめです。
登場人物や内容を少し知っているので、初読より気楽に読み進められます。
今の自分が読みたい本
結局、これが一番です。
読書は試験ではありません。
難しい本を読み切ることより、
もう少し読んでみたいと思えること。
そこから選んでみてください。
本を読むと眠くなるのは悪いこと?
夜、寝る前に本を読んで眠くなる。
それなら、必ずしも困ることではありません。
むしろ、
「今日はここで眠ろう」
と本を閉じればいいんですよね。
問題になるのは、
本を読むときだけではなく、
仕事中も眠ってしまう。
会話中にも耐えられないほど眠い。
十分眠っているはずなのに日中何度も寝てしまう。
といった強い日中の眠気が続く場合です。
厚生労働省は、十分な睡眠を取っているのに日中に目覚めていられないほどの眠気があり、生活に支障が出ている場合には、睡眠障害などが隠れている可能性があるため専門機関での検査・治療が必要になることがあるとしています。
「本を読むと眠くなる」だけなら過度に心配する必要はありませんが、読書以外の場面でも強い眠気が続くなら、読書の問題として片づけないことも大切です。
まとめ|本を読むと眠くなる日は、読書より休息を選んでもいい
本を読むと眠くなる理由には、
- 睡眠不足
- 読む時間帯
- 目の疲れ
- 文字の見えにくさ
- 本の難しさ
- 本への興味
- 読書する環境
など、いくつもの要因があります。
ですから、
「私は読書に向いていない」
と決める必要はありません。
時間を変える。
10分だけ読む。
明るくする。
読みやすい本へ替える。
眠ければ、その日は寝る。
それでいいと思います。
読書は、眠気と戦いながら続けるものではありません。
本が読める日は読む。
眠い日は休む。
そのくらいの距離で付き合った方が、長く本を楽しめるのではないでしょうか。

