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芥川賞と直木賞の違いとは?両方ノミネートはできる?2026年からの変更も解説

芥川賞と直木賞の違いとは?両方ノミネートはできる?2026年からの変更も解説 文学賞・文学情報
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こんにちは、松風知里です。

毎年、夏と冬になるとニュースで耳にする「芥川賞」と「直木賞」。

どちらも有名な文学賞ですが、

「芥川賞と直木賞って、何が違うの?」

「どちらのほうが上なの?」

「同じ作家が両方にノミネートされることはある?」

と聞かれると、意外と迷いますよね。

しかも2026年からは、直木賞の候補作発表時期が変更されることになりました。

この記事では、芥川賞と直木賞の違いから、両方の候補になった作家の実例、2026年以降の新しいスケジュールまで、できるだけわかりやすくまとめます。

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芥川賞と直木賞の違いを簡単に比較

まず、大きな違いを表にするとわかりやすいです。

芥川賞直木賞
正式名称芥川龍之介賞直木三十五賞
主な対象純文学エンターテインメント作品
作家新進作家新進・中堅作家
作品中・短編長編小説・短編集
発表形態雑誌・同人雑誌掲載作品単行本
選考年2回年2回
創設1935年1935年

日本文学振興会では、芥川賞を「雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品」、直木賞を「新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)」から選ぶ賞としています。

どちらも文藝春秋の創業者・菊池寛によって1935年に創設されました。

「芥川賞のほうが文学的だから上」「直木賞のほうが売れるから上」という関係ではなく、そもそも対象としている作品の性格が違う文学賞なんですね。

📚純文学と大衆文学そのものの違いについては、こちらで詳しくまとめています。▶純文学と大衆文学の違いと特徴は?わかりやすく見分ける方法と作品も!

芥川賞とは?純文学の新進作家に贈られる賞

芥川賞は、正式には「芥川龍之介賞」といいます。

雑誌や同人雑誌などに発表された、新進作家による純文学の中・短編作品が対象です。

人の内面や生き方、社会との関係などを、独自の表現で描いた作品が多いのも特徴です。

ただし、

「芥川賞=難しい小説」

というわけではありません。

近年の受賞作にも、読みやすい文章のなかに現代社会の問題や人間の違和感を描いた作品がたくさんあります。

また、芥川賞は公募の文学賞ではありません。

対象期間に雑誌などへ発表された作品から、予備選考を経て最終候補作が決まり、選考委員による選考会で受賞作が選ばれます。

直木賞とは?エンターテインメント作品を対象にした賞

直木賞の正式名称は「直木三十五賞」です。

新進・中堅作家によるエンターテインメント作品のなかから、単行本として刊行された長編小説または短編集が対象になります。

ミステリー、歴史・時代小説、恋愛小説、家族小説など、扱われるジャンルはかなり幅広いんですよね。

「大衆文学」という言葉から、単純に「わかりやすさだけを重視した賞」と思われることもありますが、そうではありません。

物語としての完成度や人物造形、文章、テーマなど、さまざまな要素を含めて選考されます。

芥川賞と同じく、公募ではありません。

芥川賞と直木賞はどっちがすごい?

これは、とてもよく検索される疑問です。

でも、どちらが上という関係ではありません。

芥川賞と直木賞は、同じ年に誕生した文学賞ですが、もともと対象とする作品が異なります。

芥川賞なら純文学の中・短編。

直木賞ならエンターテインメントの長編小説や短編集。

同じ競技の1位と2位のようなものではなく、別のフィールドで作品を選んでいると考えたほうがわかりやすいでしょう。

「文学性の高い作品を読んでみたい」

「物語にじっくり浸りたい」

など、そのときの気分から選んでもいいんですよね。

同じ作家が芥川賞と直木賞の両方にノミネートされることはある?

あります。

同じ作家が、キャリアの中で異なる作品によって芥川賞と直木賞、両方の候補になることがあります。

純文学からスタートした作家が、その後エンターテインメント色の強い長編を書くようになることもあるからです。

ただし、

ひとつの作品が同じ回で芥川賞と直木賞の両方にノミネートされる

という意味ではありません。

芥川賞と直木賞では対象となる作品の形態も性格も異なります。

この違いを知るうえで、とてもわかりやすい作家が島本理生さんです。

芥川賞と直木賞の両方で候補になった島本理生

島本理生さんは、純文学とエンターテインメント、両方の領域で作品を書いてきた作家です。

その歩みを見ると、芥川賞と直木賞の境界が必ずしも単純ではないことがわかります。

『リトル・バイ・リトル』|芥川賞候補

島本理生さんの『リトル・バイ・リトル』は、第128回芥川賞候補となった作品です。講談社も「高校生作家の芥川賞候補作」と紹介しています。

母と妹と暮らす若い女性の日常や、家族、恋愛を静かな筆致で描いた物語。

大きな事件を中心にするのではなく、日常の中にある感情の揺れをすくい取っていくところに、芥川賞候補作らしい魅力があります。

芥川賞がどんな作品を対象にするのか知りたい方にも、比較しやすい一冊です。

『アンダスタンド・メイビー』|直木賞候補

その後、島本理生さんは『アンダスタンド・メイビー』で第145回直木賞候補となりました。

ひとりの少女の成長や恋愛を描いた長編で、上下巻にわたる物語です。

同じ作家でも、作品によって芥川賞の候補にも直木賞の候補にもなる。

そのことがよくわかる例なんですよね。

『ファーストラヴ』|直木賞受賞

そして2018年、島本理生さんは『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞しました。

父親を殺したとして逮捕された女性と、その事件を調べる臨床心理士を中心に描く長編です。

事件そのものを追うだけでなく、家族関係や人間の心の奥へ踏み込んでいく作品。

かつて芥川賞候補になった作家が、その後、作風を広げて直木賞を受賞した例として、とてもわかりやすいと思います。

渡辺淳一も芥川賞候補から直木賞受賞へ

もう一人、歴史的な例として知っておきたいのが渡辺淳一さんです。

医師でもあった渡辺淳一さんは、1965年に「死化粧」で芥川賞候補になっています。

その後、1970年に『光と影』で第63回直木賞を受賞しました。

『光と影』は、西南戦争で同じように腕を負傷した二人の軍人が、治療のわずかな違いによってまったく異なる人生を歩む姿を描いた作品です。

純文学の候補作家として注目され、その後エンターテインメント文学でも評価された作家は、渡辺淳一さんだけではありません。

文藝春秋も、檀一雄、柴田錬三郎、車谷長吉、山田詠美、角田光代など、芥川賞候補を経て直木賞を受賞した作家がいることを紹介しています。

ですから、

芥川賞作家と直木賞作家は、完全に別のタイプの作家

と考える必要はないんですね。

2026年から直木賞の候補作発表時期が変更

これまで芥川賞と直木賞は、候補作もほぼ同じ時期に発表されていました。

しかし、日本文学振興会は2025年12月、直木賞の候補作発表時期を変更すると発表しました。

注意したいのは、芥川賞ではなく直木賞のみの変更ということです。

第176回・2026年下半期から変更

直木賞は、

  • 上半期:6月中旬 → 5月中旬
  • 下半期:12月中旬 → 11月中旬

へ、候補作の発表が約1か月早まります。

ただし、第175回直木賞(2026年上半期)は従来どおり6月中旬に候補作が発表されました。

新しいスケジュールが最初に適用されるのは、

第176回直木賞(2026年下半期)

です。

候補作は2026年11月中旬に発表されます。

直木賞は対象期間も変わる

候補作発表の前倒しにともなって、直木賞の対象となる刊行時期も変更されます。

従来は、

  • 上半期:前年12月~5月刊
  • 下半期:6月~11月刊

でした。

今後は原則、

  • 上半期:前年11月~4月刊
  • 下半期:5月~10月刊

になります。

ただし、第176回だけは移行措置として、

2026年6月~10月刊

が対象です。

芥川賞のスケジュールは変わらない

一方、芥川賞は変更されません。

芥川賞の対象期間は従来どおり、

  • 上半期:前年12月~5月
  • 下半期:6月~11月

です。

選考会も、

  • 上半期:7月
  • 下半期:翌年1月

の年2回です。

つまり第176回以降は、

直木賞候補発表 → 約1か月後 → 芥川賞候補発表

という流れになります。

選考会はこれまでどおり同じ時期なので、ここを混同しないようにしたいですね。

2026年以降の芥川賞・直木賞スケジュール

わかりやすくまとめると、今後は次のようになります。

芥川賞直木賞
上半期候補発表6月ごろ5月中旬
上半期選考会7月7月
下半期候補発表12月ごろ11月中旬
下半期選考会翌年1月翌年1月

※直木賞の新日程は第176回から順次適用。第176回は移行期間のため対象刊行期間に特例があります。

なお、第176回芥川賞・直木賞の選考会は2027年1月20日に予定されています。

芥川賞・直木賞を読むなら、まずこの3冊

違いを実際に読んで感じてみたいなら、今回の記事ではたくさん並べる必要はありません。

私は次の3冊に絞るのがいいと思います。

『リトル・バイ・リトル』島本理生
→ 芥川賞候補作。日常と内面を静かに描く作品。

『アンダスタンド・メイビー』島本理生
→ 直木賞候補作。同じ作家が作品の幅を広げたことがよくわかります。

『ファーストラヴ』島本理生
→ 第159回直木賞受賞作。芥川賞候補作家から直木賞作家へ至った流れを一人の作家で比較できます。

芥川賞・直木賞作品を電子書籍で読むには

受賞作や候補作には電子書籍で読める作品もあります。

ただし、Kindle Unlimitedなどの読み放題対象は時期によって変わります。

「芥川賞・直木賞作品だから読み放題」と考えず、読みたい作品の商品ページで現在の配信状況を確認してください。

Kindle Unlimitedの仕組みについてはこちらでまとめています。▶Kindle Unlimitedとは?月額980円・無料体験・使い方・解約

まとめ|芥川賞と直木賞は対象作品が違う文学賞

芥川賞と直木賞は、1935年に菊池寛によって同時に創設された文学賞です。

芥川賞は、新進作家による純文学の中・短編作品。

直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメントの長編小説や短編集。

という違いがあります。

そして、作家自身がどちらか一方のジャンルだけを書き続けるとは限りません。

島本理生さんのように、芥川賞候補を経験したあと、直木賞候補となり、さらに直木賞を受賞した作家もいます。

また、2026年下半期の第176回からは、直木賞の候補作発表がこれまでより約1か月早まります。

芥川賞のスケジュールは従来どおりなので、今後は芥川賞と直木賞の候補作が別の時期に発表されることも覚えておきたいところです。

文学賞の仕組みを知ってから候補作を読むと、「なぜこの作品がこちらの賞なのだろう」と考える楽しみも増えてきます。

歴代の受賞作や候補作については、こちらの記事もあわせてご覧ください。▶ 芥川賞・直木賞 歴代受賞作とノミネート作品一覧

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このブログを書いている人

 

本と心をつなぐ、言葉の案内人

松風知里(まつかぜ ちり)

読書ブログ『本と歩む日々』を運営。
読書の悩みや心のモヤモヤに、やさしく寄り添う記事を書いています。

日本読書療法学会 会員。
古本のオンライン書店を営みながら、小説・詩・エッセイも少しずつ書いています。

★X(Twitter)でもブログ情報を発信中@chiri_matsukaze

 

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