芥川賞と直木賞は、日本文学の中でもとくに注目される文学賞です。
でも、「芥川賞と直木賞は何が違うの?」「歴代の受賞作を一覧で見たい」「最近の候補作から読むならどれ?」と迷うこともありますよね。
この記事では、芥川賞・直木賞の違い、第175回の最新受賞作、近年の受賞作一覧、候補作を追うための関連記事、はじめて読む方におすすめの作品をまとめて紹介します。
文学賞は、少し難しそうに見えるかもしれません。
けれど、受賞作や候補作を眺めていると、その時代にどんな物語が書かれ、どんな言葉が読まれてきたのかが、少しずつ見えてくるんです。
まずは気になる一冊からで大丈夫です。
今の自分に合う物語を探す入口として、ゆっくり読んでみてくださいね。
芥川賞・直木賞の最新情報【2026年】
2026年7月15日、第175回芥川賞・直木賞の選考会が行われ、受賞作が発表されました。
第175回芥川賞は、小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』
第175回直木賞は、朝倉かすみさんの『けんぐゎい』が受賞しました。
| 回 | 対象期 | 芥川賞 | 直木賞 |
| 第175回 | 2026年上半期 | 小砂川チト「ゾンビ回収婦」 | 朝倉かすみ『けんぐゎい』 |
| 第174回 | 2025年下半期 | 鳥山まこと「時の家」/畠山丑雄「叫び」 | 嶋津輝『カフェーの帰り道』 |
| 第173回 | 2025年上半期 | 該当作なし | 該当作なし |
| 第172回 | 2024年下半期 | 安堂ホセ「DTOPIA」/鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」 | 伊与原新『藍を継ぐ海』 |
受賞作だけを読むのも、もちろん文学賞の楽しみ方のひとつです。
でも、候補作まで一緒に眺めてみると、「なぜこの作品が選ばれたのだろう」「ほかにはどんな作品が並んでいたんだろう」と、その回の文学賞をもう少し立体的に味わえるんですよね。
第175回の候補作一覧や、それぞれの読みどころを詳しく知りたい方はこちらの記事でまとめています。
芥川賞と直木賞の違いをわかりやすく整理
芥川賞と直木賞は、どちらも1935年に菊池寛によって創設された文学賞です。
芥川賞は芥川龍之介、直木賞は直木三十五の名を記念してつくられました。
芥川賞・直木賞の背景を知るなら、創設に関わった菊池寛の存在も欠かせません。
芥川龍之介との友情や、文学を支えようとした思いを知ると、受賞作や候補作の見え方も少し変わってくるかもしれません。
▶菊池寛とはどんな人?代表作・人物像・芥川龍之介との友情をやさしく解説
芥川賞と直木賞はどちらも年2回選ばれますが、対象となる作品や読み味には少し違いがあります。
| 比較 | 芥川賞 | 直木賞 |
| 正式名称 | 芥川龍之介賞 | 直木三十五賞 |
| 主な対象 | 新進作家による純文学の中・短編作品 | 主に新進・中堅作家による大衆文学作品 |
| 作品形態 | 文芸誌などに掲載された作品が多い | 単行本として刊行された長編・短編集が多い |
| 読み味 | 文体や表現、内面の揺れを味わう作品が多い | 物語性や読み応えを楽しめる作品が多い |
| 選考 | 年2回 | 年2回 |
芥川賞は、言葉の手ざわりや人の内面をじっくり味わいたい方に合いやすい文学賞です。
一方の直木賞は、物語の世界に深く入り込みたいときや、読み応えのある一冊を探しているときに手に取りやすいんですよね。
どちらが上ということではありません。
今の自分が、言葉そのものを味わいたいのか、物語に浸りたいのか。
そんな気分から選んでみると、文学賞の作品もぐっと近く感じられると思います。
純文学と大衆文学の違いをもう少しくわしく知りたい方はこちらも参考にしてみてくださいね。
第175回 芥川賞・直木賞の受賞作と候補作一覧【2026年上半期】

2026年上半期・第175回芥川賞/直木賞の選考会は、2026年7月15日に行われました。
芥川賞は、小砂川チトさん「ゾンビ回収婦」
直木賞は、朝倉かすみさん『けんぐゎい』が受賞しています。
ここでは、候補作を簡単に一覧で確認しておきましょう。
第175回 芥川賞候補作
| 候補者 | 候補作 | 掲載誌 |
| 小砂川チト | 「ゾンビ回収婦」【受賞】 | 群像 5月号 |
| 鈴木涼美 | 「悪い血」 | 文學界 6月号 |
| 仁科斂 | 「丹心」 | 新潮 4月号 |
| 村司侑 | 「ソリティアおじさんがいた頃」 | 文學界 5月号 |
| 八木詠美 | 「アンチ・グッドモーニング」 | 文藝 春季号 |
芥川賞は、文芸誌に掲載された中・短編作品が候補になることも多く、単行本になる前の作品に触れられることがあります。
まだ大きく知られる前の作品を読む時間には、少し特別なものがありますよね。
受賞作「ゾンビ回収婦」や、ほかの4作品の読みどころを詳しく知りたい方は、第175回の記事で紹介しています。
第175回 直木賞候補作
| 候補者 | 候補作 | 出版社 |
| 朝倉かすみ | 『けんぐゎい』【受賞】 | 光文社 |
| 蝉谷めぐ実 | 『見えるか保己一』 | KADOKAWA |
| 凪良ゆう | 『多類婚姻譚』 | 講談社 |
| 原田ひ香 | 『#台所のあるところ』 | 文藝春秋 |
| 若林正恭 | 『青天』 | 文藝春秋 |
直木賞候補作は、単行本として手に取りやすい作品が多いのも魅力です。
今回は時代小説、歴史小説、結婚や愛を見つめる物語、暮らしに根ざした連作、青春小説と、それぞれ違った入口を持つ5作品が並びました。
受賞作だけでなく、「いまの自分はどんな物語に惹かれるだろう」と候補作から選んでみるのも、文学賞の楽しみ方のひとつです。
近年の芥川賞・直木賞受賞作一覧

ここからは、近年の芥川賞・直木賞受賞作を一覧で振り返ります。
同じ時代に選ばれた作品を並べてみると、その頃にどんな物語や言葉が注目されていたのか、少し見えてくることがあります。
| 回 | 対象期 | 芥川賞 | 直木賞 |
| 第175回 | 2026年上半期 | 小砂川チト「ゾンビ回収婦」 | 朝倉かすみ『けんぐゎい』 |
| 第174回 | 2025年下半期 | 鳥山まこと「時の家」/畠山丑雄「叫び」 | 嶋津輝『カフェーの帰り道』 |
| 第173回 | 2025年上半期 | 該当作なし | 該当作なし |
| 第172回 | 2024年下半期 | 安堂ホセ「DTOPIA」/鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」 | 伊与原新『藍を継ぐ海』 |
| 第171回 | 2024年上半期 | 朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」/松永K三蔵「バリ山行」 | 一穂ミチ『ツミデミック』 |
| 第170回 | 2023年下半期 | 九段理江「東京都同情塔」 | 河﨑秋子『ともぐい』/万城目学『八月の御所グラウンド』 |
| 第169回 | 2023年上半期 | 市川沙央「ハンチバック」 | 垣根涼介『極楽征夷大将軍』/永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』 |
| 第168回 | 2022年下半期 | 井戸川射子「この世の喜びよ」/佐藤厚志「荒地の家族」 | 小川哲『地図と拳』/千早茜『しろがねの葉』 |
| 第167回 | 2022年上半期 | 高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」 | 窪美澄『夜に星を放つ』 |
| 第166回 | 2021年下半期 | 砂川文次「ブラックボックス」 | 今村翔吾『塞王の楯』/米澤穂信『黒牢城』 |
| 第165回 | 2021年上半期 | 石沢麻依「貝に続く場所にて」/李琴峰「彼岸花が咲く島」 | 佐藤究『テスカトリポカ』/澤田瞳子『星落ちて、なお』 |
| 第164回 | 2020年下半期 | 宇佐見りん「推し、燃ゆ」 | 西條奈加『心淋し川』 |
| 第163回 | 2020年上半期 | 高山羽根子「首里の馬」/遠野遥「破局」 | 馳星周『少年と犬』 |
近年だけを見ても、同じ文学賞の中に本当にさまざまな作品があります。
気になるタイトルや、以前から読んでみたかった作家さんがいれば、そこからたどってみるのもいいですね。
回別の候補作・受賞作をくわしく読む

この記事では、芥川賞・直木賞の全体像をまとめています。
各回の候補作や読みどころをもっとじっくり知りたい方は、回別の記事へ進んでみてください。
第175回 芥川賞・直木賞【2026年上半期】
小砂川チトさん 『ゾンビ回収婦』、朝倉かすみさん『けんぐゎい』が受賞した第175回。
候補作一覧や、それぞれの読みどころもまとめています。
▶芥川賞・直木賞2026上半期【受賞作決定】第175回の受賞作品・候補一覧・読むべき理由も
第174回 芥川賞・直木賞【2025年下半期】
第174回の候補作と受賞結果、選考委員などをまとめています。
▶芥川賞・直木賞2025下半期【候補一覧】第174回の発表日・選考委員・読むべき理由も
第173回 芥川賞・直木賞【2025年上半期】
第173回は、芥川賞・直木賞ともに該当作なしとなりました。
候補作を振り返ってみたい方はこちらへ。
▶第173回 芥川賞・直木賞 受賞作が決定!2025年上半期の候補作とあわせて徹底紹介
第172回 芥川賞・直木賞【2024年下半期】
第172回の候補作や受賞作、発表日を整理しています。
▶第172回 芥川賞・直木賞の発表はいつ?ノミネート作品の紹介も【2024年下半期】
第171回 芥川賞・直木賞【2024年上半期】
第171回の受賞作と候補作、読みどころはこちらから確認できます。
▶第171回 芥川賞・直木賞の受賞作とノミネート作品一覧【2024年上半期|発表日や読みどころも】
はじめて読むならどれ?おすすめの芥川賞・直木賞受賞作5選
芥川賞や直木賞の作品は、「少し難しそう」と感じる方もいるかもしれません。でも実際には、読みやすく、心に長く残る作品もたくさんあります。
ここでは、はじめて文学賞作品に触れる方にも手に取りやすい5冊を選びました。
賞受賞作5選
芥川賞や直木賞の作品は、「難しそう」と感じられることもあります。
でも実際には、読みやすくて、心に長く残る作品もたくさんあるんです。
ここでは、はじめて文学賞作品に触れる方にも手に取りやすい5冊を選びました。
『推し、燃ゆ』宇佐見りん|第164回芥川賞
「推す」という行為を通して、生きる支えや孤独を描いた作品です。
短めで読みやすく、言葉も現代的なので、芥川賞作品に初めて触れる方にも入りやすい一冊だと思います。
誰かを応援することが、自分の生活を支えていた経験のある方には、胸の奥に残るものがあるかもしれません。
『コンビニ人間』村田沙耶香|第155回芥川賞
「普通」とは何かを、コンビニで働く女性の視点から描いた作品です。
淡々とした語り口の中に、社会の窮屈さや、人と違うことへの不安が浮かび上がってきます。
読みやすいのに、読後にふと自分の暮らしを見つめ直したくなる一冊です。
『容疑者Xの献身』東野圭吾|第134回直木賞
直木賞作品を初めて読む方には、物語の力で引き込んでくれる作品もおすすめです。
『容疑者Xの献身』は、ミステリーとしての読みやすさと、人の思いの深さが重なった一冊。
ページをめくる手が止まらない作品を探している方に合うと思います。
『夜に星を放つ』窪美澄|第167回直木賞
人との別れや孤独、心の傷にそっと寄り添う短編集です。
派手な励ましではなく、静かな場所で灯りをともしてくれるような作品なんですよね。
疲れた日に、短編を少しずつ読みたい方にも向いています。
『八月の御所グラウンド』万城目学|第170回直木賞
京都を舞台にした、軽やかさと不思議さのある作品です。
直木賞作品の中でも、読みやすさと余韻のバランスがよく、物語の世界にすっと入りやすい一冊。
少し肩の力を抜いて文学賞作品を読みたい方に合うと思います。
芥川賞・直木賞作品をKindle UnlimitedやAudibleで読むには

文学賞の受賞作や候補作は、紙の本でじっくり読むのも素敵です。ただ、気になる作品が増えてくると、電子書籍やオーディオブックも上手に使いたくなりますよね。
Kindle Unlimitedで読める作品を探す
Kindle Unlimitedは、対象作品なら定額で読めるAmazonの読み放題サービスです。
芥川賞・直木賞の受賞作や候補作がすべて対象というわけではありませんが、時期によって対象になる作品もあります。
気になる本があるときは、Amazonの商品ページで「Kindle Unlimited対象」かどうかを確認してみてくださいね。
Kindle Unlimitedの料金や解約方法、使い方を知りたい方はこちらでまとめています。
Audibleで聴ける作品を探す
目で読む時間が取りにくいときは、Audibleで聴ける作品を探してみるのもひとつの方法です。
通勤中や家事の時間、眠る前の少しの時間にも、耳から物語に入ることができます。
文学賞作品は言葉の余韻が大切なので、朗読で聴くと、紙で読むのとはまた違った印象が残ることもあるんですよね。
Audibleの料金や無料体験、解約までまとめて確認したい方はこちらを参考にしてみてください。
Kindle Unlimited・Prime Reading・Audibleで迷う方へ
「Kindle UnlimitedとPrime Readingは何が違うの?」「Audibleも気になるけれど、自分にはどれが合うんだろう」と迷う方もいると思います。
読む冊数が多い方はKindle Unlimited、プライム会員特典の範囲で少し読みたい方はPrime Reading、耳で読書したい方はAudibleが合いやすいです。
3つの違いをまとめて比べたい方はこちらもどうぞ。
第176回以降の直木賞候補作発表時期について

今後の文学賞記事を追いたい方へ向けて、直木賞候補作の発表時期についても整理しておきます。
日本文学振興会は、第176回以降、直木賞候補作の発表時期を変更すると案内しています。
上半期はこれまでの6月中旬から5月中旬へ、下半期は12月中旬から11月中旬へ変更される予定です。
| 回 | 直木賞候補作発表時期 |
| 第175回 | 2026年6月中旬 |
| 第176回 | 2026年11月中旬 |
| 第177回 | 2027年5月中旬 |
芥川賞の候補作発表スケジュールには変更がないため、第176回以降は、芥川賞と直木賞の候補作発表時期に少しずれが出ることになります。
文学賞を追っている方は、これまでとは発表時期が変わる点だけ覚えておくと安心ですね。
よくある質問
芥川賞・直木賞について、よく気になることを短く整理します。
芥川賞と直木賞の違いは何ですか?
芥川賞は、新進作家による純文学の中・短編作品が主な対象です。
直木賞は、主に新進・中堅作家による大衆文学作品が対象となります。
芥川賞は文体や表現を味わう作品、直木賞は物語性や読み応えを楽しめる作品が多い傾向があります。
最新の芥川賞・直木賞受賞作は何ですか?
2026年上半期・第175回では、芥川賞が小砂川チトさん 『ゾンビ回収婦」、直木賞が朝倉かすみさん『けんぐゎい』です。
2026年7月15日に受賞作が発表されました。
第175回芥川賞・直木賞の発表日はいつでしたか?
第175回芥川賞・直木賞の選考会は、2026年7月15日に行われました。
候補作は2026年6月11日に発表されています。
候補作と受賞作はどう違いますか?
候補作は、選考会で受賞作を決める前に選ばれた作品です。
その候補作の中から選考を経て決まった作品が、受賞作になります。
受賞作だけでなく候補作まで読んでみると、その回にどんな作品が並んでいたのかを比べられるのも面白いところです。
Kindle Unlimitedで芥川賞・直木賞作品は読めますか?
対象作品は時期によって変わります。
すべての受賞作や候補作が読み放題になるわけではありませんので、Amazonの商品ページで「Kindle Unlimited対象」かどうかを確認してみてくださいね。
まとめ|芥川賞・直木賞は、いまの時代を読む入口になる
芥川賞と直木賞は、ただ有名な文学賞というだけではありません。
その時代にどんな物語が書かれ、どんな言葉が読者へ届いてきたのかを知る入口でもあるんです。
芥川賞は、言葉や表現の奥へ静かに入っていく読書。
直木賞は、物語の力に引き込まれていく読書。
それぞれに違った魅力があります。
2026年上半期・第175回では、芥川賞に小砂川チトさん 『ゾンビ回収婦」、直木賞に朝倉かすみさん『けんぐゎい』が選ばれました。
最新の受賞作から読むのもいいですし、過去の作品から今の自分に合う一冊を探してみるのもいいんですよね。
文学賞だからと構えすぎなくても大丈夫です。
まずは、タイトルや作家名に少し心が動いた一冊から、そっとページを開いてみてくださいね。
第176回以降についても、候補作や受賞作が発表され次第、最新情報へつなげていきます。

