芥川賞と直木賞は、日本文学の中でもとくに注目される文学賞です。
でも、「芥川賞と直木賞は何が違うの?」「歴代の受賞作を一覧で見たい」「最近の候補作から読むならどれ?」と迷うこともありますよね。
この記事では、芥川賞・直木賞の違い、最新回の受賞作、近年の歴代受賞作、候補作を追うための関連記事、はじめて読む方におすすめの作品をまとめて紹介します。
文学賞は、少し難しそうに見えるかもしれません。
けれど、受賞作や候補作を眺めていると、その時代にどんな物語が必要とされていたのかが、そっと見えてくるんです。
まずは気になる一冊からで大丈夫です。
今の自分に合う物語を探す入口として、ゆっくり読んでみてくださいね。
芥川賞・直木賞の最新情報【2026年更新】
第174回芥川賞・直木賞は、2026年1月14日に選考会が行われました。
芥川賞は鳥山まことさん「時の家」と畠山丑雄さん「叫び」、
直木賞は嶋津輝さん『カフェーの帰り道』が受賞作に決まりました。
| 回 | 対象期 | 芥川賞 | 直木賞 |
| 第174回 | 2025年下半期 | 鳥山まこと「時の家」/畠山丑雄「叫び」 | 嶋津輝『カフェーの帰り道』 |
| 第173回 | 2025年上半期 | 該当作なし | 該当作なし |
| 第172回 | 2024年下半期 | 安堂ホセ「DTOPIA」/鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」 | 伊与原新『藍を継ぐ海』 |
第175回芥川賞・直木賞の選考会は、2026年7月15日(水)に予定されています。
候補作は2026年6月11日(木)に発表予定です。
第175回の発表日や候補作一覧はこちらで更新していきます。
👉 芥川賞・直木賞2026上半期【候補一覧】第175回の発表日・選考委員・読むべき理由も
芥川賞と直木賞の違いをわかりやすく整理
芥川賞と直木賞は、どちらも1935年に菊池寛によって創設された文学賞です。芥川賞は芥川龍之介、直木賞は直木三十五の名を記念してつくられました。
芥川賞・直木賞の背景を知るなら、創設に関わった菊池寛の存在も欠かせません。
芥川龍之介との友情や、文学を支えようとした思いを知ると、受賞作や候補作の見え方も少し変わってきます。
▶菊池寛とはどんな人?代表作・人物像・芥川龍之介との友情をやさしく解説
どちらも年2回選ばれますが、対象となる作品の性格が少し違います。
| 比較 | 芥川賞 | 直木賞 |
| 正式名称 | 芥川龍之介賞 | 直木三十五賞 |
| 主な対象 | 新進作家による純文学の中・短編作品 | 新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本 |
| 作品形態 | 雑誌・同人誌掲載作品が多い | 長編小説・短編集の単行本が多い |
| 読み味 | 文体や表現、文学性を味わう作品が多い | 物語性や読み応えを楽しめる作品が多い |
| 選考会 | 年2回 | 年2回 |
芥川賞は、言葉の手触りや内面の揺れをじっくり味わいたい方に合いやすいです。
直木賞は、物語に引き込まれたいときや、読み応えのある小説を探しているときに手に取りやすいんですよね。
どちらが上ということではなく、読書の入口が少し違うだけ。
今の気分に合わせて選んでみると、文学賞の作品もぐっと近く感じられると思います。
第174回 芥川賞・直木賞の受賞作と候補作一覧【2025年下半期】
ここでは、最新回である第174回の受賞作と候補作を整理します。
第174回 芥川賞候補作一覧
| 候補者 | 候補作 | 掲載誌 |
| 久栖博季 | 貝殻航路 | 文學界 十二月号 |
| 坂崎かおる | へび | 文學界 十月号 |
| 坂本湾 | BOXBOXBOXBOX | 文藝 冬季号 |
| 鳥山まこと | 時の家【受賞】 | 群像 八月号 |
| 畠山丑雄 | 叫び【受賞】 | 新潮 十二月号 |
第174回芥川賞は、鳥山まことさん「時の家」と畠山丑雄さん「叫び」の2作が受賞しました。候補作は、文芸誌掲載作品が中心です。
第174回 直木賞候補作一覧
| 候補者 | 候補作 | 出版社 |
| 嶋津輝 | カフェーの帰り道【受賞】 | 東京創元社 |
| 住田祐 | 白鷺立つ | 文藝春秋 |
| 大門剛明 | 神都の証人 | 講談社 |
| 葉真中顕 | 家族 | 文藝春秋 |
| 渡辺優 | 女王様の電話番 | 集英社 |
第174回直木賞は、嶋津輝さん『カフェーの帰り道』が受賞しました。直木賞は単行本で候補になることが多いので、気になった作品を本として手に取りやすいのも魅力です。
第174回の候補作をもう少しくわしく知りたい方はこちらもどうぞ。
👉 芥川賞・直木賞2025下半期【候補一覧】第174回の発表日・選考委員・読むべき理由も
芥川賞・直木賞の近年受賞作一覧【2020年〜2026年】
文学賞を追うときは、最新回だけでなく、ここ数年の流れを眺めてみるのもおすすめです。
同じ時代に選ばれた作品を並べると、社会の空気や、読者が求めている物語の変化が少し見えてくるんですよね。
| 回 | 対象期 | 芥川賞 | 直木賞 |
| 第174回 | 2025年下半期 | 鳥山まこと「時の家」/畠山丑雄「叫び」 | 嶋津輝『カフェーの帰り道』 |
| 第173回 | 2025年上半期 | 該当作なし | 該当作なし |
| 第172回 | 2024年下半期 | 安堂ホセ「DTOPIA」/鈴木結生「ゲーテはすべてを言った」 | 伊与原新『藍を継ぐ海』 |
| 第171回 | 2024年上半期 | 朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」/松永K三蔵「バリ山行」 | 一穂ミチ『ツミデミック』 |
| 第170回 | 2023年下半期 | 九段理江「東京都同情塔」 | 河﨑秋子『ともぐい』/万城目学『八月の御所グラウンド』 |
| 第169回 | 2023年上半期 | 市川沙央「ハンチバック」 | 垣根涼介『極楽征夷大将軍』/永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』 |
| 第168回 | 2022年下半期 | 井戸川射子「この世の喜びよ」/佐藤厚志「荒地の家族」 | 小川哲『地図と拳』/千早茜『しろがねの葉』 |
| 第167回 | 2022年上半期 | 高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」 | 窪美澄『夜に星を放つ』 |
| 第166回 | 2021年下半期 | 砂川文次「ブラックボックス」 | 今村翔吾『塞王の楯』/米澤穂信『黒牢城』 |
| 第165回 | 2021年上半期 | 石沢麻依「貝に続く場所にて」/李琴峰「彼岸花が咲く島」 | 佐藤究『テスカトリポカ』/澤田瞳子『星落ちて、なお』 |
| 第164回 | 2020年下半期 | 宇佐見りん「推し、燃ゆ」 | 西條奈加『心淋し川』 |
| 第163回 | 2020年上半期 | 高山羽根子「首里の馬」/遠野遥「破局」 | 馳星周『少年と犬』 |
近年の受賞作一覧は、日本文学振興会の芥川賞・直木賞受賞者一覧に基づいて整理しています。
回別の候補作・受賞作をくわしく読む
この記事では、芥川賞・直木賞の全体像をまとめています。
各回の候補作や選考会日程、読みどころをじっくり知りたい方は、回別の記事へ進んでみてください。
第175回 芥川賞・直木賞【2026年上半期】
第175回の候補作発表日、選考会日程、候補作一覧はこちらで更新します。
👉 芥川賞・直木賞2026上半期【候補一覧】第175回の発表日・選考委員・読むべき理由も
第174回 芥川賞・直木賞【2025年下半期】
第174回の候補作と受賞結果、選考委員、読むべき理由をまとめています。
👉 芥川賞・直木賞2025下半期【候補一覧】第174回の発表日・選考委員・読むべき理由も
第173回 芥川賞・直木賞【2025年上半期】
第173回は芥川賞・直木賞ともに該当作なしとなりました。候補作をふり返りたい方はこちらへ。
👉第173回 芥川賞・直木賞 受賞作が決定!2025年上半期の候補作とあわせて徹底紹介
第172回 芥川賞・直木賞【2024年下半期】
第172回の候補作と受賞作、発表日を整理しています。
👉第172回 芥川賞・直木賞の発表はいつ?ノミネート作品の紹介も【2024年下半期】
第171回 芥川賞・直木賞【2024年上半期】
第171回の受賞作と候補作、読みどころを確認できます。
👉「第171回 芥川賞・直木賞の受賞作とノミネート作品一覧【2024年上半期|発表日や読みどころも】」
はじめて読むならどれ?おすすめの芥川賞・直木賞受賞作5選
芥川賞や直木賞の作品は、「難しそう」と感じられることもあります。
でも実際には、読みやすくて、心に長く残る作品もたくさんあるんです。
ここでは、はじめて文学賞作品に触れる方にも手に取りやすい5冊を選びました。
『推し、燃ゆ』宇佐見りん|第164回芥川賞
「推す」という行為を通して、生きる支えや孤独を描いた作品です。
短めで読みやすく、言葉も現代的なので、芥川賞作品に初めて触れる方にも入りやすい一冊だと思います。
誰かを応援することが、自分の生活を支えていた経験のある方には、胸の奥に残るものがあるかもしれません。
『コンビニ人間』村田沙耶香|第155回芥川賞
「普通」とは何かを、コンビニで働く女性の視点から描いた作品です。
淡々とした語り口の中に、社会の窮屈さや、人と違うことへの不安が浮かび上がってきます。
読みやすいのに、読後にふと自分の暮らしを見つめ直したくなる一冊です。
『容疑者Xの献身』東野圭吾|第134回直木賞
直木賞作品を初めて読む方には、物語の力で引き込んでくれる作品もおすすめです。
『容疑者Xの献身』は、ミステリーとしての読みやすさと、人の思いの深さが重なった一冊。
ページをめくる手が止まらない作品を探している方に合うと思います。
『夜に星を放つ』窪美澄|第167回直木賞
人との別れや孤独、心の傷にそっと寄り添う短編集です。
派手な励ましではなく、静かな場所で灯りをともしてくれるような作品なんですよね。
疲れた日に、短編を少しずつ読みたい方にも向いています。
『八月の御所グラウンド』万城目学|第170回直木賞
京都を舞台にした、軽やかさと不思議さのある作品です。
直木賞作品の中でも、読みやすさと余韻のバランスがよく、物語の世界にすっと入りやすい一冊。
少し肩の力を抜いて文学賞作品を読みたい方に合うと思います。
芥川賞・直木賞作品をKindle UnlimitedやAudibleで読むには

文学賞の受賞作や候補作は、紙の本でじっくり読むのも素敵です。
ただ、気になる作品が増えてくると、電子書籍やオーディオブックも上手に使いたくなりますよね。
Kindle Unlimitedで読める作品を探す
Kindle Unlimitedは、対象作品なら定額で読めるAmazonの読み放題サービスです。
芥川賞・直木賞の受賞作や候補作がすべて対象というわけではありませんが、時期によっては対象になる作品もあります。
気になった本があるときは、Amazonの商品ページで「Kindle Unlimited対象」かどうかを確認してみてください。
Kindle Unlimitedの料金や解約方法をまず知りたい方はこちら。
👉 Amazon Kindle Unlimitedとは?料金・解約・使い方を初心者向けに解説
Audibleで聴ける作品を探す
目で読む時間が取りにくいときは、Audibleで聴ける作品を探してみるのもいい方法です。
通勤中や家事の時間、眠る前の少しの時間に、耳から物語に入れるんです。
文学賞作品は言葉の余韻が大切なので、朗読で聴くと紙とはまた違う印象が残ることもあります。
Audibleの料金や無料体験、解約までまとめて確認したい方はこちら。
👉 Amazonオーディブルとは?料金・無料体験・使い方・解約まで総まとめ
Kindle Unlimited・Prime Reading・Audibleで迷う方へ
「Kindle UnlimitedとPrime Readingは何が違うの?」「Audibleも気になるけれど、どれが自分に合うのかな」と迷う方もいると思います。
読む冊数が多い方はKindle Unlimited、プライム会員特典の範囲で少し読みたい方はPrime Reading、耳で読書したい方はAudibleが合いやすいです。
3つの違いをまとめて比べたい方はこちらも参考になります。
👉 Kindle Unlimitedの料金はプライム会員特典とどう違う?オーディブルとの違いも解説
第176回以降の直木賞候補作発表時期について
今後の文学賞記事を追う方に向けて、直木賞の発表時期の変更もここで整理しておきます。
日本文学振興会は、第176回以降、直木賞候補作の発表時期を変更すると案内しています。
上半期はこれまでの6月中旬から5月中旬へ、下半期は12月中旬から11月中旬へ変更されます。
ただし、第175回直木賞は従来通り2026年6月中旬の発表です。
| 回 | 直木賞候補作発表時期 |
| 第175回 | 2026年6月中旬 |
| 第176回 | 2026年11月中旬 |
| 第177回 | 2027年5月中旬 |
芥川賞の候補作発表スケジュールには変更がないため、第176回以降は、芥川賞と直木賞の候補作発表時期に少しずれが出る予定です。
よくある質問
芥川賞・直木賞はよく聞く文学賞ですが、違いや発表時期、候補作と受賞作の見方など、少し迷うところもありますよね。ここでは、読者の方が気になりやすい疑問を、ひとつずつ短く整理していきます。
芥川賞と直木賞の違いは何ですか?
芥川賞は、新進作家による純文学の中・短編作品が主な対象です。直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本が主な対象です。
最新の芥川賞・直木賞受賞作は何ですか?
第174回では、芥川賞が鳥山まことさん『時の家』と畠山丑雄さん『叫び』、直木賞が嶋津輝さん『カフェーの帰り道』です。
第175回芥川賞・直木賞の発表日はいつですか?
第175回の選考会は2026年7月15日(水)に予定されています。候補作は2026年6月11日(木)午前5時に発表予定です。
候補作と受賞作はどう違いますか?
候補作は、選考会で受賞作を決める前に選ばれた作品です。受賞作は、その候補作の中から選考会で決まった作品です。
候補作の段階で読むと、結果が出る前に自分の感覚で作品を味わえる楽しさがあります。
Kindle Unlimitedで芥川賞・直木賞作品は読めますか?
対象作品は時期によって変わります。
すべての受賞作や候補作が読み放題になるわけではないので、Amazonの商品ページで「Kindle Unlimited対象」かどうかを確認してみてください。
まとめ|芥川賞・直木賞は、いまの時代を読む入口になる
芥川賞と直木賞は、ただ有名な文学賞というだけではありません。
その時代にどんな物語が書かれ、どんな言葉が読者に届いているのかを知る入口でもあるんです。
芥川賞は、言葉や表現の奥へ静かに入っていく読書。
直木賞は、物語の力に引き込まれていく読書。
どちらにも違う魅力があります。
最新の受賞作から読むのもいいですし、過去の名作から入るのもいいんですよね。
まずは、今の自分が少し気になる一冊を、そっと手に取ってみてください。
第175回の候補作が発表されたら、こちらの記事でも最新情報へつなげていきます。


