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読んだ本の内容をすぐ忘れるのはなぜ?忘れない方法と「忘れてもいい」理由

読んだ本の内容をすぐ忘れるのはなぜ?忘れない方法と「忘れてもいい」理由 本との向き合い方
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「せっかく一冊読んだのに、しばらくすると内容をほとんど思い出せない」

「小説を読んでも、登場人物の名前やあらすじをすぐ忘れてしまう」

そんな経験はありませんか。

時間をかけて読んだのに内容を忘れてしまうと、

「私の読み方が悪いのかな」

「こんなに忘れるなら、読書をしても意味がないのでは?」

なんて、少しがっかりしてしまいますよね。

でも、本を読んだ内容をすべて覚えていられないこと自体は、不思議なことではありません。

それに、読書の価値は「あとから何ページ分思い出せるか」だけで決まるものでもないんです。

この記事では、読んだ本の内容をすぐ忘れてしまう理由と、記憶に残しやすくする方法をご紹介します。

そして後半では、私が大切にしている「忘れてもいい読書」についても、一緒に考えてみたいと思います。

なお、「読んだあとに忘れる」というより、そもそも読んでいる最中から文章が頭に入ってこない、集中できないと感じる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
▶頭に入る本の読み方5選|読んでも忘れる人へ、記憶に残るコツをやさしく解説

読んだ本の内容をすぐ忘れるのはなぜ?

本を読み終えた直後はよく覚えていたのに、数日すると細かな内容が抜けている。

これは、珍しいことではありません。

そもそも私たちは、目に入ってきた情報をすべて同じ強さで記憶しているわけではないんですよね。

読んだだけでは「思い出す練習」をしていないから

本を読んでいる間は、

「うん、わかる」

「なるほど」

と思いながらページを進めます。

けれど、「読んでわかること」と「あとから自分で思い出せること」は少し違います。

学習と記憶の研究では、ただ何度も読み返すよりも、いったん本を閉じて自分で内容を思い出す「検索練習(retrieval practice)」が、長期的な記憶を助けることが繰り返し示されています。

ですから、読んだ直後にはよくわかっていたのに、あとから説明できないからといって、「ちゃんと読めていなかった」というわけではありません。

一度にたくさんの情報を受け取っているから

一冊の本には、かなり多くの情報が入っています。

登場人物。

出来事。

言葉。

背景。

考え方。

小説なら、そこに情景や感情まで加わります。

すべてを同じように覚えておこうとすると、読むことそのものが疲れてしまいます。

むしろ読書では、

「ここは好きだった」

「この考え方は覚えておきたい」

という部分だけが残ることも多いんです。

自分との接点が少ない情報は残りにくい

同じ本を読んでも、強く覚えている部分は人によって違います。

今抱えている悩みと重なった一文。

昔の自分を思い出した場面。

思わず誰かに話したくなった考え方。

そうした自分とのつながりがある内容は、あとから思い出しやすくなります。

反対に、「そうなんだ」と読み流した情報は、そのまま薄れていくこともあります。

時間がたつと記憶は薄れていく

読んだ直後より、一週間後、一か月後の方が思い出しにくくなるのも自然です。

ただし、時間を空けてもう一度思い出したり、読み返したりすることで、内容を長く残しやすくできます。

学習を一度に詰め込むより、時間をあけて繰り返す「間隔をあけた学習」が長期的な保持に役立つことも、多くの研究で確認されています。

本の内容を忘れない方法7選

では、本を読んだあとに、

「これは少し覚えておきたいな」

と思った時には、どうすればいいのでしょう。

難しい読書ノートを毎回作る必要はありません。

私は、できるだけ読書の邪魔にならない方法がおすすめです。

①本を閉じて「どんな本だった?」と考える

読み終えたら、すぐ次の本を開かずに、

「どんな本だったかな」

と10秒ほど考えてみてください。

たったそれだけでも構いません。

たとえば、

「家族について考える小説だった」

「人と比べないことが大切だという本だった」

くらいで十分です。

本文を見ながらまとめるよりも、いったん本を閉じて思い出してみることがポイントです。

思い出そうとする行為そのものが、記憶を残す助けになります。

②「一つだけ」残す

全部覚えようとしなくて大丈夫です。

一冊読んだら、

一つだけ持ち帰る。

これくらいにすると、読書がぐっと楽になります。

印象に残った言葉でもいいですし、

「この主人公の考え方が好きだった」

でもいい。

本を読んだ日に手帳やスマホへ一行だけ残しておくと、あとからその本を思い出すきっかけになります。

③誰かに話すつもりで思い返す

「この本、どんな話だった?」

と誰かに聞かれたつもりで考えてみるのもおすすめです。

長い感想は必要ありません。

30秒ほどで、

「こんな主人公が出てきてね」

「この考え方がおもしろかった」

と説明できれば十分です。

実際に人へ話してもいいですし、頭の中だけでも構いません。

読んだ内容を自分の言葉に置き換えることで、「読んだ」だけだった本が少し自分の中へ入ってきます。

読書後のアウトプットについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。
▶読書アウトプットのやり方は簡単でOK|知識が定着する方法と続けるコツをやさしく解説

④翌日や一週間後に少しだけ思い出す

読み終えた直後に何度も読み返すより、

翌日。

数日後。

一週間後。

というように少し時間を空けて、

「そういえば、あの本はどんな内容だったかな」

と思い出してみます。

細かな内容が出てこなくても大丈夫です。

時間をあけた復習や想起は、記憶の保持に役立つことが知られています。

⑤自分の経験と結びつける

本の内容をそのまま覚えるのではなく、

「自分だったらどうするかな」

「これ、昔の自分にもあったな」

と、自分の経験へつなげてみます。

たとえば家族を描いた小説なら、

「この会話、うちにも似たところがあるな」

と思うだけでもいいんです。

読書が「本の中だけの出来事」ではなくなると、あとから思い出すきっかけも増えていきます。

⑥線を引きすぎない

覚えておきたいからと、あちこちに線を引いてしまうことがあります。

でも、あとから見ると、

「ほとんど全部大事になっている……」

なんてこともありますよね。

私は、

一章につき一か所程度

くらいでも十分だと思っています。

線を引く代わりに、付箋を一枚だけ貼るのもいいですね。

「どこが大切だったか」を選ぶこと自体が、その本について考える時間になります。

⑦本によって「覚える量」を変える

小説と実用書では、読む目的が違います。

実用書なら、

「明日から使えることを一つ」

覚えておけば十分なことがあります。

一方、小説なら、

登場人物の名前や出来事をすべて記憶する必要はありません。

「読んでいる時間に何を感じたか」

その方が大切なこともあります。

本の種類によって、覚えておきたいものを変えていいんですよね。

メモが苦手なら、書かなくても大丈夫

「忘れたくないならメモを取りましょう」

そう言われることがありますよね。

でも、私はこの“メモを取る”こと自体が面倒に感じることがあります。

登場人物の名前を一つ書くだけでも、その瞬間に読書の流れが止まってしまう。
せっかく物語に入っていたのに、現実へ戻されるように感じることもあるんです。

たぶん、同じように感じる方もいると思います。

そんな時は、無理に書かなくても大丈夫です。

読み終えたあとに、

「どんな本だったかな」

「一番残っている場面はどこだろう」

と、頭の中で少し思い返すだけでも十分です。

小説なら、

「あの場面が好きだった」

「あの人、少し苦手だったな」

それくらいでもいいんですよね。

記録を残すことよりも、物語の中で何かを感じたことの方が大切な場合もあります。

メモが続かないからといって、読書が下手なわけではありません。

書く読書が合う人もいれば、何も残さず、そのまま心の中へ置いておく方が心地いい人もいます。

自分に合う読み方で続けられることが、いちばん大事です。

小説の内容をすぐ忘れるときはどうする?

「実用書よりも、小説の内容を忘れてしまう」

という方もいると思います。

とくに登場人物が多い長編小説では、

「この人、誰だったっけ?」

となることがありますよね。

そんな時も、全部を覚えようとしなくて大丈夫です。

主人公と「何を求めている人か」だけ覚える

登場人物全員の名前を覚えるより、

「主人公は誰か」

「その人は何を求めているのか」

をつかんでおくと、物語へ戻りやすくなります。

たとえば、

「故郷へ帰りたい人」

「家族とうまくいかない人」

「ある事件の真相を追っている人」

という程度でも十分です。

長編なら人物を一言だけメモする

人物が多い作品では、本に挟んだ紙やスマホへ、

「A=主人公の妹」

「B=学生時代の友人」

くらいを書いておくと楽です。

詳しい人物相関図を作る必要はありません。

読書を続けるための小さな補助だと考えてくださいね。

久しぶりに続きを読むなら少し戻って読む

途中で数日空いたからといって、

「最初から読み直さないと」

と思わなくて大丈夫です。

数ページだけ戻る。

前の章の最後だけ読む。

目次を見る。

それだけで思い出せることもあります。

読書は試験ではないので、自分が物語へ戻りやすい方法でいいんです。

「読んでも忘れるなら意味がない」は本当?

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

私は、忘れたからといって読書が無駄になるとは思いません。

たとえば、何年も前に読んだ小説。

あらすじを聞かれても、もう説明できない。

登場人物の名前も忘れている。

それでも、

「読んだあと、しばらく寂しかった」

「この風景だけは覚えている」

「その頃の自分に必要な本だった」

ということがありますよね。

本の内容を忘れても、読んでいた時間まで消えてしまうわけではありません。

覚えていなくても、ものの見方が残ることがある

一冊の本から得たことを、そのまま言葉で思い出せなくても、

人を見る目。

物事の受け止め方。

知らなかった世界への関心。

そんな形で残っていることがあります。

「あの本のおかげ」と気づかないほど小さく残っていることもあるんですよね。

読んだ時に心が動いたことにも意味がある

小説を読んで泣いた。

少し笑った。

主人公に腹が立った。

昔のことを思い出した。

それも、立派な読書体験です。

読書は、知識を倉庫にしまっておく作業だけではありません。

本を読んだその時間に、自分の心が動く。

私は、それだけでも十分意味があると思っています。

忘れたからこそ、再読できる楽しさもある

久しぶりに昔読んだ本を開いて、

「こんな話だったっけ?」

と思うことがあります。

でも、それも悪くないんですよね。

以前とは違う場面が心に残ったり、

「昔はこの人物が嫌いだったのに、今なら少しわかる」

と思ったり。

自分が変わると、本も違って見えます。

忘れることは、もう一度その本と出会う余白にもなるんです。

内容が頭に入らない日は、無理に覚えようとしなくていい

読んでいても、

同じ行を何度も読む。

ページをめくったのに、何も覚えていない。

そんな日もあります。

疲れていたり、ほかのことが気になっていたり、スマートフォンの通知で集中が途切れていたりすると、本へ気持ちを向けにくいことがあります。

そんな日は、

10ページだけ読む。

短編に変える。

一度本を閉じる。

それでもいいんです。

「今日は読めない自分」を無理に直そうとするより、読める日にまた戻ればいい。

読書が苦手になったと感じる時はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
▶読書が苦手な大人はどう始める?本が読めない理由と続けやすいコツ

なお、以前とは明らかに違って急に文章が理解しづらくなった、物忘れが日常生活にも大きく影響している、といった場合には、「読書の仕方」の問題だけと決めつけず、必要に応じて医療機関などへ相談してください。

覚えるために、ここまでしなくても大丈夫

本の内容を忘れたくないと思うと、

毎回きれいな読書ノートを書く。

すべて要約する。

重要箇所を全部記録する。

そんなふうに頑張りすぎてしまうことがあります。

でも、それが負担になって本を開かなくなってしまったら、少しもったいないですよね。

一冊につき、

一つ覚えている。

あるいは、

一つ心が動いた。

私は、それくらいの読書があってもいいと思っています。

読書を続けるために、記憶することが義務にならないようにしたいですね。

まとめ|読んだ本を忘れても、読書はちゃんと残っている

読んだ本の内容をすぐ忘れると、

「時間を無駄にしたのかな」

と心配になることがあります。

でも、すべてを覚える必要はありません。

内容を少し残しておきたい時には、

  • 本を閉じて内容を思い出す
  • 一つだけメモする
  • 誰かに説明するつもりで考える
  • 時間を空けてもう一度思い出す
  • 自分の経験と結びつける
  • 印をつけすぎない
  • 本によって覚える量を変える

このくらいから始めてみてください。

そして、忘れてしまった部分があっても大丈夫です。

物語の細かな筋は消えても、あの日に感じたことまで、すべてなくなるわけではありません。

本を読むたびに、ほんの少しずつ自分の中へ何かが積み重なっていく。

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