「芥川賞と直木賞の違いって何?」「同じ作家が両方にノミネートされることってあるの?」──そんなふうに気になったことはありませんか?
この記事では、「芥川賞 直木賞 違い」や「両方ノミネート 可能?」といった疑問に、やさしく丁寧にお答えしていきます。
- 芥川賞と直木賞の基本的な違い(目的・対象・選考基準)
- 同じ作家が両賞にノミネートされることはあるのか?
- 実際に両賞に関わった作家とその作品
- 受賞作をお得に読める電子書籍の方法
について、やさしく丁寧にご紹介していきますね。
芥川賞と直木賞の違いとは?
📚純文学と大衆文学、それぞれの違いをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
>>純文学と大衆文学の違いと特徴は?わかりやすく見分ける方法と作品も!
どちらも日本の文学界においてとても権威のある賞ですが、実は目指している方向や、対象とする作品のジャンルが少し違うんです。
芥川賞(芥川龍之介賞)
- 目的:純文学の新人作家の才能を見つけ、育てていくこと。
- 対象:主に純文学の短編〜中編小説。
- 選考基準:文学性や独創性、深み、そして作家としての将来性などが重視されます。
- 設立:1935年、作家・菊池寛によって創設されました。
直木賞(直木三十五賞)
- 目的:大衆文学の魅力を広め、多くの人に届く優れた作品を表彰すること。
- 対象:エンタメ性のある長編小説や短編集(新人〜中堅作家)。
- 選考基準:物語の引き込み力や完成度、読者を惹きつける面白さが大切にされます。
- 設立:同じく1935年に創設。芥川賞と“対”をなす賞なんですよ。
同じ作家が芥川賞と直木賞の両方にノミネートされることはある?
はい、あるんです。
ただし、同じ作家が異なる作品でという条件つき。つまり、Aという作家が『作品X』で芥川賞、『作品Y』で直木賞といったかたちです。
でも、同じ作品が同時に両賞にノミネートされることはありません。 これは、ジャンルや評価の基準が異なるからなんです。
両賞に関わった代表的な作家たち
芥川賞と直木賞、どちらか一方だけでなく、両方に関わった作家さんもいらっしゃいます。吉田修一さんと宮本輝さんです。
それぞれのジャンルで評価された実例をご紹介しながら、文学の幅の広さを感じていただけたらうれしいです。
吉田修一
純文学の世界でも、大衆文学の世界でも高く評価された数少ない作家のひとりが吉田修一さんです。
彼の作品からは、文学のジャンルを超えた魅力が感じられるんです。
『パーク・ライフ』で芥川賞受賞(2002年)
公園でのふとした出会いが、心をそっと揺らす──吉田修一さんの『パーク・ライフ』は、そんな静かな余韻を届けてくれる一冊です。
日比谷公園を舞台に、名前も知らないふたりがすれ違い、言葉を交わす。
都会で生きる私たちの「孤独」と「つながり」を描きながら、どこか優しくてあたたかい読後感が残るんです。
芥川賞を受賞したのは、そうした人と人との距離の揺らぎを、静かな筆致で丁寧に描ききったから。
もし今、日常の中で小さな変化を求めているなら──公園のベンチでコーヒー片手に、そっと開いてみてくださいね。
あなたの心にも、やさしい風が吹きはじめるかもしれません。
『悪人』で直木賞受賞(2007年)
「善と悪の境界線は、どこにあるんでしょう──?」
吉田修一さんの『悪人』は、九州の静かな風景を背景に、ある殺人事件を通して“人間の本質”をじっくり描いた物語なんです。
読んでいくうちに、加害者と被害者、それぞれの孤独や言い分が胸に迫ってきて、「善人と悪人って簡単に決められるものじゃないんだな」と、ふと立ち止まりたくなります。
もし今、あなたが人間関係や自分自身に悩んでいるなら──この本が、そっとあなたの心に寄り添ってくれるかもしれません。
静かな夜に、ぜひ『悪人』を手に取ってみてくださいね。
ジャンルの違う作品でそれぞれの賞を受賞された、とてもめずらしい作家さんなんです。
📚吉田修一さんのプライベートや受賞歴についてもっと知りたい方はこちら。
>>吉田修一は結婚してるの?イケメンで高身長!高級マンション生活と受賞歴も
宮本輝
繊細な心の動きと情景描写に定評のある宮本輝さんは、純文学の世界で高く評価されながらも、大衆文学の分野にも挑戦してきた作家です。
その歩みは、ジャンルを越えて物語を届けようとする真摯な姿勢に満ちています。
『蛍川』で芥川賞受賞(1978年)
生きること、そして死ぬこと。愛や友情──。それらに揺れながらも、少年は確かに成長していくんです。
宮本輝さんの『蛍川』は、昭和37年の富山を舞台に、父や友人との別れ、淡い初恋を経験する中学三年生・龍夫のひと夏の物語。
心の機微と自然の情景が溶け合うように描かれていて、読むたび胸が静かに揺れます。
芥川賞を受賞した理由も、まさにこの繊細な感情描写と、生と死を詩情豊かに描いた力にあります。
この本を読み終えたとき、自分の心の奥にあるやわらかい部分が、そっと動き出すのを感じるはずです。
あなたも、富山の川辺に舞う蛍の光に包まれながら、人生の美しさと儚さに出会ってみませんか?
『錦繍』などで直木賞ノミネート経験あり
心の奥に、まだ言葉にできていない想い──あなたにもありませんか?
宮本輝さんの『錦繍』は、かつて心を通わせながらも別れた男女が再会し、手紙を交わすことで、再び心をひらいていく物語です。
舞台は、秋の蔵王。美しい紅葉に包まれながら、手紙のやりとりを通じてふたりの孤独や後悔が少しずつほどけていきます。
書簡体の構成が生み出す言葉の余白と、静かな情感の深まり──だからこそ、この作品は直木賞候補にも選ばれました。
過去の傷を抱えるあなたにこそ届けたい一冊。
もし今、誰かに「助けて」と言いたい気持ちがあるなら。
『錦繍』が、あなたの心にそっと寄り添ってくれるかもしれません。
ちなみに、デビュー作の『泥の河』は太宰治賞を受賞していて、その後の活躍にも注目された作家さんです。
📖太宰治賞についてもっと詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてみてくださいね。
>>太宰治賞の募集要項や傾向は?応募するなら読んでおきたい歴代受賞作品6選
芥川賞と直木賞、両方を受賞した作家はいるの?
実は、芥川賞と直木賞の両方に関わった作家さんは何人かいらっしゃいます。
たとえば、
- 渡辺淳一さんは『死化粧』(1966年)と『訪れ』(1968年)で芥川賞候補になった後、『光と影』(1970年)で直木賞を受賞。
- 乙川優三郎さんは2002年に『生きる』で直木賞を受賞。その後も純文学寄りの作品でも高く評価されています。
ジャンルを超えて活躍される作家さんはそう多くありませんが、確かに存在していて、文学の幅の広さを感じさせてくれますね。
芥川賞・直木賞の選考スケジュールは?
この2つの文学賞は、毎年上半期(夏)と下半期(冬)に1回ずつ、計2回の発表があります。
- 上半期
- 候補作の発表:6月20日ごろ
- 受賞作の発表:7月中旬
- 候補作の発表:6月20日ごろ
- 下半期
- 候補作の発表:12月20日ごろ
- 受賞作の発表:翌年1月中旬
- 候補作の発表:12月20日ごろ
選考委員による議論を重ねたうえで、年に1〜2作品が選ばれます(該当作なしの年もあるんですよ)。
芥川賞・直木賞の作品を電子書籍で読むには?

Kindle Unlimitedの使い方や料金、登録・解約方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>Amazon Kindle Unlimitedの使い方・料金・解約方法を徹底解説!初心者向けガイド
耳で聴く読書を始めたい方には、Audibleの使い方をまとめたこちらもおすすめです。
>>Amazonオーディブル完全マニュアル【2025年版】|無料体験期間・メリット・解約手順
実は、芥川賞や直木賞の作品の多くは、KindleやKindle Unlimitedで電子書籍として読むことができるんです。
「読みたい!」と思ったそのときに、すぐ手元で読めるのが電子書籍の魅力。
Kindle Unlimitedには30日間の無料体験もあるので、気になる受賞作を気軽に試してみるのもおすすめですよ。
>>Kindle Unlimited公式ページ(30日間無料体験)
まとめ
芥川賞と直木賞は、それぞれに違った魅力と目的を持った文学賞です。
- 芥川賞は、純文学を志す新人作家の登竜門
- 直木賞は、エンタメ性のある作品を世に届ける表舞台
どちらが“すごい”というよりも、それぞれのフィールドで素晴らしい才能が花開いているんですね。
今後の受賞作にも注目しながら、ぜひあなたのお気に入りの作品を見つけてくださいね。
文学は、今日のあなたの心に、静かに灯りをともしてくれるかもしれません。
📚芥川賞と直木賞、それぞれの違いがわかってきたら、実際にどんな作品が選ばれてきたのかも気になりますよね。
受賞作や候補作を年ごとに一覧でまとめた記事もありますので、ぜひあわせてチェックしてみてください
👉 芥川賞・直木賞 歴代受賞作とノミネート作品一覧【2025年最新】