柴崎友香おすすめ本5選!作風や受賞歴&特徴と出身高校についてご紹介します。
柴崎さんは、日常の小さな感動や深い感情を優しく描く作風が魅力です。多くの受賞歴があり、その才能が広く認められています。
この記事では、柴崎友香さんのおすすめ本5選や新刊『続きと始まり』彼女の経歴について紹介します。
柴崎友香さんの出身高校や大学についても触れながら、作家としての背景をご紹介します。
谷崎潤一郎賞受賞『続きと始まり』についてもぜひチェックしてみてくださいね。
柴崎友香さんの新刊やおすすめ本を取り上げ、これから柴崎友香さんの作品を読み始める方にも役立つ情報をご紹介して行きます。
柴崎友香おすすめ本5選!作風や受賞歴&特徴と出身高校も
柴崎友香 読売新聞の連載
柴崎友香さんは『読売新聞』の連載「一病息災」で、2024年7月に自身が注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断されたことを公表しました。
若い頃から部屋が散らかりやすく、用事を忘れることが多かったため、20年間にわたり情報を集めながら、専門医の診察を受けたいと思っていたそうです。
この体験を振り返った著書『あらゆることは今起こる』が2024年に出版されています。
柴崎友香の作風
柴崎さんは日常の些細な瞬間や人々の記憶、街の風景や心情を丹念に描写しています。
大阪出身のため、柔らかな大阪弁を使って地域の風土や人々を表現しているので、作品に温かみと親しみがあります。
大学で人文地理学を専攻したことで、風景や場所の魅力をより鮮明に描くので情景をイメージしやすい。
日常の美しさや切なさを描くことが得意です。
柴崎友香の受賞歴
2006年 『きょうのできごと』第24回咲くやこの花賞(文芸その他部門)・映画化
2006年 『その街の今は』第23回織田作之助賞大賞
2007年 『その街の今は』第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞
2010年 『寝ても覚めても』第32回野間文芸新人賞・映画化
2014年 『春の庭』第151回芥川龍之介賞
2024年 『続きと始まり』第74回芸術選奨文部科学大臣賞(文学)・第60回谷崎潤一郎賞
柴崎友香おすすめ本5選と新刊
作品のあらすじと、初めて柴崎友香さんの作品を読む方に向けた、おすすめポイントをご紹介します。
続きと始まり
この小説では、異なる場所に住む三人の男女の毎日が描かれています。
石原優子は夫の実家で子育てをしながらパートで働き、小坂圭太郎は飲食業界を渡り歩き、れいは東京で独身生活を送っています。
物語の舞台は2020年3月から2022年2月までの期間で、コロナ禍という特異な状況の中で、彼らがふと「昔」を思い出す場面が描かれます。震災や大きな事件だけでなく、心の奥底に残る小さな出来事を振り返り、それらがどのように彼らの心に影響を与えているかが探求されています。
これはトラウマや大きな挫折ではないものの、心に刺さった小さな棘のようなものです。
また、東北の地震から続くパンデミックの流れを見ると、数年前の緊急事態宣言の閉塞感が、まるで遥か昔の出来事のように感じられることがあります。
この普通の人々の生活にも、それぞれの複雑な事情が存在するという事実を再認識させられます。特に、飲食店で働く圭太郎の現実には、深い切実さを感じさせられます。今も多くの飲食店が困難な状況にあると思うと、胸が痛みます。
そして、エピローグに仕込まれた意外な展開が、心に残る印象を与えます。
日常の風景や人々の心情に興味がある方におすすめです。
彼女の独特の作風を楽しんでください。
2023年12月05日発売(集英社/単行本/ページ数344p)
◆2024年 第74回芸術選奨文部科学大臣賞(文学)
◆第60回谷崎潤一郎賞受賞
待ち遠しい
大阪を舞台に、年齢や性格の異なる3人の女性が中心となります。
一人暮らしをしている春子(39歳)、大家のゆかり(63歳)、そしてゆかりの甥の嫁である沙希(25歳)が、同じ敷地内でそれぞれの生活を織り成しています。
彼女たちはそれぞれ異なる立場にあるため、共通点を見つけるのは難しいですが、彼女たちの交流や価値観の違いが物語をより豊かにしています。
春子を通じて作者の考え方や思いが伝わり、さまざまな人や考え方、関係があることに気づかされます。特に、自分の価値観で他人にアドバイスしてしまうことに反省しながら、現代の生活にどうにか適応している自分を見つめ直すきっかけにもなります。
他者にも自分にも寛容でありたいという思いが強くなる一冊です。
3人の女性の視点から描かれる物語は、人間関係や価値観の違いについて考えさせられ、彼女たちの交流を通じて読者に共感や気づきをもたらしてくれます。
あらゆることは今起こる
柴崎友香さんのエッセイ『あらゆることは今起こる』は、著者が発達障害を持つ当事者として体験した症状や感じ方を綴った作品です。
このエッセイでは、柴崎さんがADHDと診断されたことで、彼女の脳内でどのようなことが起きているのか、また日常生活でどんな困難があるのかを描いています。彼女は、視覚や聴覚、触覚など、様々な情報が高解像度で頭の中に流れ込み、その結果として「いちいち感想が湧き出てくる」状態になっているそうです。
この本は医学書院から刊行されており、「ケアをひらく」シリーズの一部です。ADHDは人それぞれ異なるため、著者の体験が全ての人に当てはまるわけではありませんが、小説家による一例の報告は非常に貴重だと感じます。
春の庭
離婚したばかりの元美容師・太郎が世田谷の取り壊し寸前の古いアパートに引っ越してくるところから始まります。太郎は、隣のアパートに住む女性・西さんが隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃します。
西さんは「春の庭」という写真集に収められた水色の家に異常な興味を持っているのです。
この水色の家を中心に展開し、人々の穏やかな日常と不思議な出来事を描き出しています。
この本では、人々の暮らしや街の風景、自然、アパートの構図、路地の様子が詳細に描かれており、読んでいるとまるで情景が目の前に広がるように感じられます。
特別な出来事が起こるわけではありませんが、その風景を想像することが本書の楽しみ方です。特に、水色の家を熱心に観察する西さんの姿が印象的で、普段気に留めていなかった外の景色や家の中の物に目を向け、愛着を持つことの素晴らしさが感じられる作品です。
裏路地やアパートの間取り、近所の風景などの描写がとても鮮明で、大学で「人文地理学を専攻」されたことがよくわかります。
◆2014年 第151回芥川龍之介賞受賞作品
寝ても覚めても
この小説は、主人公・泉谷朝子が大学を卒業した1999年4月から2008年8月までの約10年間の恋愛の記録を描いています。
朝子は、鳥居麦という青年に一目惚れし、恋人同士になりますが、すぐに麦は単身上海へ渡り、その後連絡が途絶えてしまいます。その後、朝子は東京で劇団の手伝いを始め、そこで麦に似た顔を持つ丸子亮平と出会います。
最初は亮平を麦と重ねてしまう朝子ですが、次第に亮平を彼自身として見るようになります。
しかし、2007年4月に麦が新進気鋭の人気俳優となったことで、朝子の心は揺れます。そのタイミングで、亮平の職場が大阪に統合されることになり、朝子は大阪へ戻る決意をします。そして、約10年ぶりに麦と再会します。
この小説は、さっぱりとした中にも不穏さや切なさが感じられる描写が特徴。まるで写真のように一つ一つの情景が切り取られ、好きという感情が自分のレンズを歪めている状況がよくわかります。
読んでいて、面白いと感じました。
『Prime Video』はAmazonプライム会員(月額600円)なら無料で見れます。
そのほか(例えば、HNKオンデマンド等は)月額料金が発生します。
◆2010年 第32回野間文芸新人賞受賞作品
◆2018年 映画化されましたが、現在はAmazonのPrime Videoで見ることが出来ます。
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まとめ
柴崎友香おすすめ本5選!作風や受賞歴&特徴と出身高校について、以下の6つの事柄をご紹介しました。
- 柴崎友香の作風・経歴
- 柴崎友香の受賞歴
- 柴崎友香の作風
- 柴崎友香の新作・おすすめ本5選
- 連載記事から見る病名
- 柴崎友香を電子書籍Kindleでお得に読む方法
柴崎さんの作品は、日常の中に潜む繊細な感情や風景描写が魅力で、たくさんの読者を惹きつけています。
彼女の作風や受賞歴を振り返ると、独自の視点と豊かな表現力が光ります。これから彼女の作品を読む方には、まず新刊や代表作を手に取り、その世界観をじっくり味わっていただきたいです。
楽しい読書時間になりますように!