高校生活も後半に差しかかると、模試や過去問の点数が気になってきますよね。
特に現代文では、「読んだはずなのに意味がつかめない」「設問の意図がわからない」──そんなモヤモヤを感じたこと、ありませんか?
じつは、読解力は“本を読むだけ”ではなかなか身につかない力なんです。
ではどうすれば、受験に直結する“結果につながる読解力”を手に入れられるのでしょうか?
今回は、そのヒントになる読書習慣と、小説8作品をご紹介します。
▼読書の基礎に不安がある方はこちらも参考にしてみてください。
👉 本の読み方がわからない?頭に残らない原因と本の読み方の種類を解説!
高校生が読解力をつけるには?読む本と読み方がカギ

「読解力をつける方法」として、まず大切なのはどんな本を、どのように読むかなんです。
受験現代文では、抽象的で難解な文章や、長文、比喩や象徴を含む文章が多く出題されます。
だからこそ、日常的にそうした要素に触れる読書を積み重ねることが、自然と“読む力”を伸ばす近道になるんですよね。
そのためには、近代文学・現代小説・古典・海外文学をバランスよく読むことがとてもおすすめなんです。
これからご紹介する8冊は、まさにその実践にぴったりの作品ばかりです。
読解力をつける方法|高校生が本を読む意味とは?

読解力とは、ただ文字を追うことではありません。
大学受験で問われる「本当の読解力」には、次の3つの力が必要なんです。
1. 抽象語・比喩を読み解く力
現代文では、「象徴」「比喩」「例え話」などが多く登場します。これらを読み取るには、慣れと経験が必要。
2. 主題・構造をつかむ力
筆者が何を伝えたいのかをつかんだり、段落の流れを整理したり、「何と何が比べられているのか」「どうしてそうなったのか」といった関係を読み取る力が必要なんです。
3. 登場人物の心情や背景を想像する力
物語文では、登場人物の内面や背景を深く読み解く力が不可欠。これは、読書量と質で大きく差が出る部分です。
▼「本を読んでも頭に入らない…」という方は、読めない原因や対処法もチェックしてみてください。
👉 本が読めない人の原因は内容が入ってこないから?読めないもどかしさを解消する方法
読解力をつける方法|高校生の私が変わったきっかけ

実は、私も高校生の頃、現代文がとっても苦手でした。模試では、選択肢が全部それっぽく見えて、いつも迷ってしまって。
でも、ある時『こころ』(夏目漱石)を読んだときに、初めて「この登場人物はなぜこんな行動をとるのか?」と、自然に考えながら読んでいる自分に気づいたんです。
それからは、読むときに「何を伝えたいのか?」「なぜこう表現されているのか?」を意識するようにしたら、不思議と模試の点も上がってきて──。
本を読むって、単なる知識だけじゃなくて、「読み取る姿勢」が育つことだったんだな、と思ったんです。
読解力をつける方法に役立つ!高校生が本を読むべき小説8選

ここからは、読解力をつけたい高校生に向けて、ジャンルごとに選んだおすすめの小説を8冊ご紹介します。
近代文学(日本)
近代文学は、日本の近代化や個人の内面に向き合った表現が豊富で、心情理解や文脈を読み取る力を養うのにぴったりです。
こころ/夏目漱石
新潮文庫版は読みやすくて手に取りやすいですし、心理描写の深さが光る一冊です。
明治という時代を背景に、人の心の奥底にある孤独や葛藤、言葉にできない感情にそっと寄り添ってくれます。
「先生」の語りにじんわりと触れていくうちに、人を信じたいのに信じきれないもどかしさや、誰にも言えない後悔のようなものが浮かび上がってくるんですよね。
ただ読解力を鍛えるだけじゃなくて、自分自身と静かに向き合う時間をくれる、そんな大切な一冊なんです。
舞姫/森鷗外
明治のドイツを舞台に、踊り子エリスとの恋と日本社会での出世の間で揺れる青年・豊太郎の葛藤を描いた『舞姫』。
その結末には、読むたび胸が締めつけられます。
ちくま文庫版なら原文と井上靖による現代語訳を読み比べられ、比喩や象徴、時代背景の読み取りにも最適なんです。
格調高い文体と心理描写の深さは、読解力を伸ばしたい高校生にもぴったり。
「自分ならどうするだろう?」と心に問いかけながら読むことで、読む力も、感じる力も育っていきます。
現代小説(日本)
現代小説は、現代的なテーマや人間関係を扱う作品が多く、登場人物の心の動きや背景を読み取る練習になります。
ノルウェイの森/村上春樹
村上春樹の作品は講談社文庫が定番で、装丁や解説も丁寧です。
『ノルウェイの森』は、1960年代末の東京を舞台に、主人公“僕”がふたりの女性と出会い、愛と喪失の中で揺れながら成長していく物語。
静かな語り口や象徴的な表現に触れることで、主題や行間を読み取る練習になりますし、現代文にも出やすい心の描写を味わえます。
「生きること」「愛すること」を、自分の言葉で考えたくなる──そんな深い読解力を育ててくれる一冊なんです。
優駿/宮本輝
北海道の雄大な自然を背景に、人と馬の運命が静かに交差する──それが宮本輝さんの『優駿』です。
勝負の世界に生きる中で揺れる人々の希望や葛藤、誠実さが丁寧に描かれていて、登場人物の心の変化や情景から“感じ取る力”が自然と育っていきます。
読解力をつけたい高校生にもぴったりの一冊なんですよね。
新潮文庫版なら解説も充実。
まずはKindleで手に取ってみませんか?
古典文学(日本)
古典文学は、日本語の語彙や文法の深い理解を促し、和歌や比喩、主題の読み取りなど、多面的な読解力を鍛えることができます。
源氏物語(紫式部)/ 与謝野晶子
「1000年前の人も、恋や人生に悩んでいたんですよね」──そんな気づきをくれるのが、『源氏物語』なんです。
平安の宮廷を舞台に、光源氏の愛と孤独を描いたこの物語には、複雑な人間関係や繊細な心情、和歌の表現がぎゅっと詰まっていて、読むたびに“読む力”が育まれていきます。
新潮文庫(与謝野晶子訳)は現代語訳で読みやすく、角川ソフィア文庫や岩波文庫は原文・注釈・現代語訳が充実。
抄訳や現代語訳から入るのもおすすめで、大学受験の現代文・古文対策にも役立ちますし、日本文化への理解もぐんと深まる──そんな一冊なんですよ。
徒然草(兼好法師)
なんとなく心がざわつく日、ありませんか?
そんな時にそっと寄り添ってくれるのが『徒然草』なんです。
鎌倉時代に書かれたこの随筆は、一段一段が短くて読みやすく、人との距離感や人生のふしぎにふと気づかせてくれます。
岩波文庫は注釈や解説が充実していて、角川ソフィア文庫は現代語訳付きで初心者にもやさしいんですよ。
古文に親しみながら、主題や作者の意図をつかむ読解力も自然と育つ──そんな一冊です。
海外文学
海外文学は、日本とは異なる文化背景や思想に触れることで、多角的な視点や抽象的なテーマを読み解く力を養うことができます。
変身/フランツ・カフカ
もしある朝、突然自分が“虫”になっていたら──?
カフカの『変身』は、そんな衝撃的な一文から始まる物語です。
家族や社会に支えられていたはずの主人公ザムザが、姿の変化をきっかけに孤立していく静かな崩壊。
短いながらも象徴や比喩が多く、「なぜそうなったのか?」という答えのない問いに向き合うことで、深い読解力が自然と鍛えられていきます。
現代文でよく扱われるテーマも豊富で、まさに“問いと向き合う力”を育ててくれる一冊です。
訳文が丁寧で信頼性の高い岩波文庫版がおすすめですよ。
動物農場/ジョージ・オーウェル
「すべての動物は平等である」──そんな理想から始まった革命が、不平等な支配へと変わっていく『動物農場』。
イギリスの農場を舞台に、社会の矛盾や人間の本質を鋭く描いたこの寓話は、読解力を本気で鍛えたい高校生にぴったりです。
比喩や風刺を読み解く力、言葉の奥にあるテーマを考える力が自然と育まれます。
角川文庫の現代語訳は読みやすく、岩波文庫は注釈が丁寧で受験対策にも◎。
読むたびに新たな問いが浮かび、あなたの思考が深まっていく──そんな一冊です。
読解力をつける方法|本を読む第一歩におすすめの一冊

ここまで読んで、「読解力って、じつは“本の選び方”から始まってたんだ」と思った方も多いかもしれません。
でも大丈夫。
今からでも、1冊ずつ読んでいけば、読む力は必ず伸びていきます。
おすすめは、Kindleで気になる本を1冊だけ選んでみること。辞書機能やハイライトも使えて、読書がぐっと身近になります。
▼Kindleの使い方やお得な登録方法はこちらで詳しくご紹介しています。
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まとめ|高校生が読解力をつける方法は本を読むことから始まる
- 読解力は本を読むだけではつかない
- でも、読む“本の選び方”と“読み方”を変えると、ぐんと伸びる
- 近代・現代・古典・海外、それぞれの名作が力を育ててくれる
高校生の今こそ、「読む力」を自分のものにできるチャンス。
1冊の本との出会いが、きっとあなたの読み方を変えてくれますよ。