電子書籍と紙の本。
どちらで読むのがいいのか、迷うことがありますよね。
電子書籍なら、スマホひとつで何冊も持ち歩ける。
紙の本なら、ページをめくりながら一冊とゆっくり向き合える。
それぞれに、違った心地よさがあります。
では、記憶や集中力まで考えると、どちらを選べばいいのでしょうか。
結論から言うと、「紙の本なら必ず記憶に残る」「電子書籍だから理解しにくい」と単純には言えません。
研究では紙の読書に小さな読解上の優位が見られたものもありますが、差がないとするメタ分析もあります。また、文章の種類や端末、スクロールの有無などによって結果は変わります。
ですから、
じっくり考えたい本は紙。
外へ持っていく本は電子。
気になる本をまず試すなら電子。
何度も読み返したい大切な本は紙。
そんなふうに、本や読む場面によって使い分けてもいいんです。
この記事では、電子書籍と紙の本のメリット・デメリットから、記憶・理解・集中力の違いまで、できるだけ決めつけずに整理していきます。
- 結論|電子書籍と紙の本は「目的」で使い分けるのがおすすめ
- 電子書籍のメリット
- 電子書籍のデメリット
- 紙の本のメリット
- 紙の本のデメリット
- 電子書籍と紙の本、記憶に残りやすいのは?
- 2026年の研究では端末やスクロールによる違いも
- 記憶に残したい本は「読み方」も工夫する
- 電子書籍と紙の本、集中しやすいのは?
- Kindleなどの読書専用端末なら条件が変わる
- 小説は紙と電子書籍、どちらがいい?
- 実用書・勉強の本は紙と電子書籍、どちらがいい?
- 漫画は紙と電子書籍、どちらがいい?
- 電子書籍が向いている人
- 紙の本が向いている人
- 紙と電子書籍を使い分けるならどうする?
- Kindle Unlimited・Prime Readingは「試す読書」と相性がいい
- 電子書籍を試すためにKindle端末は必要?
- 読み終えた紙の本を手放したいときは
- 読み終えた紙の本を、次の誰かへつなぐ
- 電子書籍と紙の本についてよくある質問
- まとめ|「どっちが正しい?」より、本に合う読み方を選ぼう
結論|電子書籍と紙の本は「目的」で使い分けるのがおすすめ
電子書籍と紙の本のどちらか一方を、これからずっと選び続ける必要はありません。それぞれ得意な場面が違うので、「今日読む本にはどちらが合う?」くらいで考えると、ずっと選びやすくなります。
先に大まかな目安をまとめると、こんな感じです。
| 読みたい場面 | 向いている選択肢 |
| 外へ何冊も持ち歩きたい | 電子書籍 |
| 本棚を増やしたくない | 電子書籍 |
| 文字サイズを調整したい | 電子書籍 |
| 気になる本をまず試したい | 電子書籍 |
| 長い説明文をじっくり読みたい | 紙も候補 |
| 前後を行き来しながら読みたい | 紙が便利 |
| 書き込み・付箋を多く使いたい | 紙が便利 |
| 装丁まで楽しみたい | 紙の本 |
| 長く手元に残したい | 紙の本 |
| スマホ通知から離れたい | 紙または読書専用端末 |
大切なのは、
「紙か電子か」だけではなく、「どう読むか」まで一緒に考えること
なんですよね。
電子書籍のメリット
電子書籍の魅力は、紙の本より優れているということではなく、本へたどり着くまでの負担を軽くしてくれることだと思います。持ち運びやすさや文字サイズの変更など、暮らしに合わせやすいところから見ていきます。
何冊でも軽く持ち歩ける
電子書籍なら、端末ひとつにたくさんの本を入れられます。
小説を読もうと思って出かけたけれど、
「今日はエッセイの気分だったな」
という日もありますよね。
電子書籍なら、その場で読む本を変えられます。
通勤。
旅行。
病院の待ち時間。
外で本を読むことが多い方には、大きなメリットです。
本棚の場所を取らない
本が好きなほど、いつの間にか本棚がいっぱいになります。
大切な本は残したい。
でも、全部を紙で持つのは難しい。
そんなとき、
残したい本は紙。
気軽に読む本は電子。
と分けることもできます。
紙の本を好きなまま、電子書籍も使っていいんですよね。
文字サイズや表示を変えられる
電子書籍では、対応するアプリや端末で文字サイズ、フォント、余白、明るさなどを調整できます。
「今日は少し大きな文字で読みたい」
という日にも、自分に合わせられるのが便利です。
紙の本では文字の大きさを変えられないため、これは電子書籍ならではの強みです。
読みたいと思ったときに始めやすい
電子書籍は、購入や利用手続きが済めば、配送を待たずに読み始められます。
本を読みたい気持ちは、不思議とずっと同じではないんですよね。
「今、この本を読みたい」
と思ったときに、そのままページを開ける。
この軽さは電子書籍の大きな魅力です。
ハイライトや検索を使いやすい
電子書籍では、対応している本なら文章を検索したり、ハイライトやメモを残したりできます。
「あの言葉、どこにあったっけ」
と探したいときには便利です。
実用書や資料として読む本では、この検索性が助けになることもあります。
電子書籍のデメリット
便利な電子書籍にも、合いにくい場面があります。とくに「スマホで読む電子書籍」と「読書専用端末で読む電子書籍」は同じではないので、自分がどの端末を使うかも一緒に考えておきたいところです。
スマホだと読書以外へ気持ちが移りやすい
スマホでKindleを開いた直後に通知が来る。
少しSNSを見て。
メールも確認して。
気づいたら本へ戻っていなかった。
そんなこともありますよね。
これは電子書籍そのものというより、スマートフォンが読書以外にも使える端末だから起こりやすい問題です。
集中したいなら、
通知を切る。
集中モードを使う。
読書専用端末を使う。
といった工夫ができます。
ページを行き来しにくい本もある
紙の本なら、数十ページ前へぱらぱら戻ったり、二か所を見比べたりできます。
電子書籍にも検索や目次がありますが、
「このあたりだった」
という感覚だけで前後を探すときには、紙のほうが扱いやすい人もいます。
参考書や専門書など、ページを頻繁に行き来する読書では、紙が合うことがあります。
端末やサービスが必要
電子書籍はデータなので、スマートフォンやタブレット、電子書籍リーダーなどの端末が必要です。
サービスによって利用できるアプリや形式も違います。
ただし、Kindle本を読むために最初からKindle端末を購入する必要はありません。
無料のKindleアプリから試せます。▶ Kindle無料アプリの使い方|青空文庫をスマホで無料で読む方法
「所有している感覚」が薄いと感じることがある
本棚を見る。
背表紙を眺める。
何年かあとに、ふと一冊を取り出す。
そういう楽しみは、紙の本ならではです。
電子書籍のライブラリにも本は並びますが、
「この本がここにある」
という物理的な存在感が好きな方には、少し違って感じられるかもしれません。
紙の本のメリット
紙の本の良さは、単に「昔からあるから」ではありません。手でページをめくり、本の厚みを感じながら読むという体験そのものが、自分に合っている方もいます。
本全体の位置関係を感じやすい
紙の本なら、
「もう半分くらいまで来た」
「あの場面は前半だった」
と、厚みやページの位置を身体の感覚と一緒につかめます。
こうした位置情報が、読み返すときの手がかりになることもあります。
ただし、ここから直ちに
「だから紙のほうが必ず記憶に残る」
とは言い切らないようにします。
研究で比較されているのは主に読解成績であり、「長期記憶にどちらが必ず優れるか」と単純に結論づけられるものではないからです。
前後を行き来しやすい
説明の難しい本を読んでいると、
「さっきの図をもう一度見たい」
「前の章では何と書いていたかな」
と戻ることがあります。
紙なら、指を挟んだままページを行き来できます。
じっくり考えながら読む本には、この使いやすさが合う方もいます。
読書以外の誘惑が少ない
紙の本には通知が来ません。
SNSも開けません。
ページを開いたら、そこにあるのは基本的に本だけです。
ですから、
「スマホを持つと、ついほかのことをしてしまう」
という方にとっては、紙の本のほうが落ち着いて読みやすいことがあります。
装丁や手触りまで楽しめる
表紙。
紙。
文字の組み方。
帯。
本の大きさ。
そうしたものも含めて、一冊の本なんですよね。
内容だけではなく、
「この本そのものを手元に置いておきたい」
と思える作品には、紙の本がよく合います。
紙の本のデメリット
紙の本にも、生活の中では少し扱いにくいところがあります。電子書籍と比べると、重さや収納スペースなど、物理的な制約はどうしてもあります。
持ち歩くと重い
文庫一冊ならそれほどでもありません。
でも長編や単行本を何冊か持ち歩くとなると、バッグはかなり重くなります。
旅先で「どの本を持っていこう」と迷う時間も、本好きにはあるあるかもしれません。
本棚の場所が必要
紙の本は、増えるほど収納スペースが必要になります。
だからといって、全部手放す必要もありません。
残したい本を選ぶために、電子書籍も使う。
そんな使い分けもできます。
文字の大きさを変えられない
紙の本は、一度印刷された文字サイズを変えることができません。
読みにくく感じる場合は、大活字版など別の版を探す必要があります。
表示を自分に合わせられる点では、電子書籍にメリットがあります。
読みたいと思ってもすぐ手に入らない場合がある
書店へ行く。
オンラインで注文する。
図書館で予約する。
そうした時間も本との楽しみではありますが、
「今すぐ続きを読みたい」
というときには電子書籍のほうが早い場合があります。
電子書籍と紙の本、記憶に残りやすいのは?
「電子書籍は記憶に残らない」と聞いて、不安になった方もいるかもしれません。でも、ここは少し丁寧に考えたいところです。研究でよく比較されているのは「記憶そのもの」よりも、読んだ文章をどれだけ理解できたかという読解成績です。
2019年のメタ分析では、33研究・2,799人をまとめた結果、全体として紙のほうが読解成績で小さく上回りました。
ただし、文章の種類で見ると、
説明文では紙に優位が見られた
一方、
物語文では紙と画面の明確な差は確認されなかった
と報告されています。
さらに2024年に37の実験研究をまとめたメタ分析では、全体的な読解力では紙とデジタルに有意な差がないという結果でした。読者・文章・読書条件などによって違いが出るとしています。
つまり、
「電子書籍だから頭に入らない」と決める必要はない
んです。
2026年の研究では端末やスクロールによる違いも
「電子書籍」と一口に言っても、
スマートフォン。
PC。
タブレット。
電子書籍リーダー。
では、読書体験がかなり違います。
2026年に発表されたネットワーク・メタ分析では56研究を比較し、読解成績では全体として紙が最も高く、そのあとにタブレット、電子書籍リーダー、PC、スマートフォンが続く結果になりました。
特に文章を読むためにスクロールが必要な場合、紙とデジタルの差が大きくなる傾向が示されています。
ですから、
「電子書籍は全部同じ」
と考えないことも大切です。
スマホで通知を受けながら長い文章をスクロールする読書と、Kindle端末で静かにページをめくる読書では、条件がかなり違うんですよね。
記憶に残したい本は「読み方」も工夫する
記憶に残したいときには、紙か電子かだけで決めるより、
読んだあとに少し振り返る。
気になった一文をメモする。
自分の言葉で内容をまとめる。
もう一度読み返す。
といった読み方も大切です。
電子書籍ならハイライト。
紙の本なら付箋や読書ノート。
方法は違っても、
一度立ち止まって本の言葉を受け取り直す
ことはできます。
「紙に変えれば全部覚えられる」というより、自分が深く読める環境をつくると考えるほうがよさそうです。
電子書籍と紙の本、集中しやすいのは?
集中力についても、「紙だから集中できる」「電子だから集中できない」とは単純には分けられません。とくに電子書籍では、何を使って読むかが大きく関わります。
スマホは気が散る要素が多い
スマホには、
SNS。
メール。
メッセージ。
ニュース。
ゲーム。
など、読書以外のものがたくさん入っています。
そのため、電子書籍を読んでいる最中に別のことへ移りやすいという人はいるでしょう。
これは、
「電子書籍が悪い」ではなく、「スマホは多用途の端末」
という問題でもあります。
Kindleなどの読書専用端末なら条件が変わる
電子書籍でも、Kindleのような読書専用端末なら、スマートフォンとはかなり違います。
通知に気を取られにくく、本を読むことに用途が絞られているためです。
2026年のメタ分析でも、デジタル端末の種類によって読解結果が異なることが示されています。
そのため、
「スマホで集中できなかった=電子書籍が合わない」
とは限りません。
電子書籍は好きだけれどスマホでは落ち着かない、という方は、読書専用端末を試す余地があります。
現在のKindle端末の違いはこちらで比較しています。▶ Kindle端末の種類を比較|Paperwhite・Colorsoft・Scribeの違いと選び方
小説は紙と電子書籍、どちらがいい?
小説を読む場合は、「物語へ入り込めるか」が大切ですよね。
2019年のメタ分析では、物語文については紙と画面で読解成績に明確な差が確認されませんでした。
ですから、
小説なら紙でなければ味わえない
ということではありません。
紙をめくる時間が好きなら紙。
出先でも続きを読みたいなら電子。
シリーズをまとめて持ち歩きたいなら電子。
大切な一冊を本棚に残したいなら紙。
物語そのものと、自分が一番近くなれる形を選ぶのがいいと思います。
実用書・勉強の本は紙と電子書籍、どちらがいい?
説明文や学習を目的に読む場合は、紙も有力な選択肢です。
2019年のメタ分析では、紙の読解上の優位が主に説明文で見られました。
また、
前後を頻繁に確認する。
図表を見る。
余白へ書き込む。
ページ同士を比較する。
といった読み方は紙と相性がよい場合があります。
ただし、電子書籍にも、
検索。
ハイライト。
コピー可能なメモ。
大量の資料を持ち歩ける。
という強みがあります。
ですから、
深く読み込む一冊は紙。
検索しながら使う資料は電子。
という使い分けもできます。
漫画は紙と電子書籍、どちらがいい?
漫画は研究結果よりも、読み方や収納の好みで選びやすいジャンルです。
電子書籍なら、長いシリーズでも場所を取りません。
一方で、
見開きを楽しみたい。
大きな紙面で絵を見たい。
本棚に全巻並べたい。
という方は紙が向いています。
漫画だからこちらが正解、と決めなくて大丈夫です。
電子書籍が向いている人
電子書籍の便利さは、たくさん読む人だけのものではありません。むしろ「本を読みたいけれど、持ち歩くことや収納が小さな負担になっている」という方には、読書の入口を少し軽くしてくれます。
こんな方には電子書籍が合いやすいです。
- 外で本を読むことが多い
- 何冊も持ち歩きたい
- 本棚を増やしすぎたくない
- 文字サイズを調整したい
- 読みたいと思ったらすぐ始めたい
- 検索やハイライトを使いたい
- 気になる本をまず試したい
「紙の本が嫌いだから電子」
でなくてもいいんです。
紙の本を好きなまま、電子書籍の便利さを借りることもできます。
紙の本が向いている人
紙の本には、情報を読むだけではない時間があります。表紙を眺めたり、ページをめくったり、本棚から昔の一冊を見つけたり。そうした体験そのものを大切にしたい方には、紙の本がよく合います。
こんな方には紙の本が向いています。
- 装丁や手触りも楽しみたい
- 本を手元に残したい
- 前後を頻繁に行き来する
- 余白へ書き込みたい
- スマホから離れて読みたい
- 一冊をゆっくり読み込みたい
- 本棚を眺める時間が好き
すべての本を紙で買わなくても、
「この一冊だけは紙で持ちたい」
という選び方も素敵ですよね。
紙と電子書籍を使い分けるならどうする?
電子書籍と紙の本で迷ったら、本を読む目的ごとに分ける方法があります。最初から完璧なルールを作る必要はなく、何冊か読んでみながら自分の基準を見つければ十分です。
たとえば、
一度読んでみたい本
→ 電子書籍
何度も読み返したい本
→ 紙
外出先で読む本
→ 電子書籍
じっくり考えながら読む本
→ 紙
長いシリーズ
→ 電子書籍
装丁まで好きな本
→ 紙
という使い分けがあります。
もちろん逆でもかまいません。
自分の本棚と暮らしに合っていることが、いちばん大切です。
Kindle Unlimited・Prime Readingは「試す読書」と相性がいい
電子書籍のよさのひとつは、「この本、自分に合うかな」という一冊を試しやすいことです。
Kindle Unlimitedは月額980円で対象本を利用できるサービス。
Prime ReadingはAmazonプライム会員が追加料金なしで利用できる読書特典です。
ただ、この比較記事では料金やサービスを詳しく説明しません。
電子書籍を使ってみたくなった方だけ、次の記事へ進めば十分です。
紙と電子を使い分けてみたいけれど、「まずどんな電子書籍から試そう」と迷う方は、Amazonの読書サービスの違いから確認してみてくださいね。▶ Kindle Unlimited・Prime Reading・Audibleの違い|料金とプライム会員特典を比較
電子書籍を試すためにKindle端末は必要?
必要ありません。
まずはスマートフォンやタブレットのKindle無料アプリから試せます。
電子書籍を何冊か読んで、
「電子は好き。でもスマホだと通知が気になる」
と感じてから、Kindle端末を考えても遅くありません。
無料アプリ → 電子読書が自分に合うか確認 → 必要なら専用端末
という順番のほうが、買い物としても自然です。
▶ Kindle無料アプリの使い方|青空文庫をスマホで無料で読む方法
読み終えた紙の本を手放したいときは
紙の本には、「手元に残したい」という良さがあります。
でもすべての本をずっと持ち続ける必要もありません。
読み終えたあと、
「この本は次の誰かへ渡してもいいかな」
と思うこともありますよね。
本を手放すことは、本との時間をなかったことにすることではありません。
自分のところで役目を終えた一冊が、また別の誰かの読書につながっていく。
古本には、そんな循環もあります。
読み終えた紙の本を、次の誰かへつなぐ
紙の本には、手元に残しておけるよさがあります。
何度も読み返したい本は残す。
もう十分に受け取ったと感じた本は、次の誰かへつなぐ。
そんな選び方もあるんですよね。
私が営んでいる古本オンライン書店「柚香の森」でも、本を次の読者へそっと渡していく気持ちを大切にしています。▶ 古本オンライン書店「柚香の森」をのぞいてみる
電子書籍と紙の本についてよくある質問
電子書籍と紙の本を比べると、「記憶に残るのは?」「電子書籍では集中できない?」「小説ならどっち?」など、最後にいくつか細かな疑問も残りますよね。ここでは、選ぶ前に気になりやすいポイントをまとめます。
電子書籍と紙の本はどっちが記憶に残りますか?
「紙のほうが必ず記憶に残る」とまでは言えません。
研究では紙に小さな読解上の優位を示すメタ分析がある一方、2024年のメタ分析では全体的な読解力に有意差はないと報告されています。
文章の種類、端末、読み方などによっても変わります。
記憶に残したい場合は、媒体だけでなく、メモや振り返りも取り入れてみるとよいでしょう。
電子書籍は頭に入りにくいですか?
すべての人・すべての本でそうとは言えません。
2019年のメタ分析では、説明文では紙に優位が見られた一方、物語文では明確な差が確認されませんでした。
また、端末やスクロールの有無によっても違いがあります。
電子書籍は集中できない?
スマートフォンでは通知やほかのアプリが気になることがあります。
ただし、読書専用端末なら条件は違います。
「スマホでは集中できないから、電子書籍全部が合わない」と決めなくても大丈夫です。
小説は紙と電子書籍のどっちがおすすめ?
どちらでも楽しめます。
研究でも、物語文について紙と画面に明確な読解差がなかったという結果があります。
装丁やページをめくる時間を楽しみたいなら紙。
持ち歩きやすさを重視するなら電子書籍と考えてみてください。
勉強するなら紙の本のほうがいい?
説明文や長い文章をじっくり読む場合、紙が合う可能性はあります。
ただし、電子書籍には検索・ハイライトなどの強みもあります。
学ぶ内容と自分の読み方で選ぶのがおすすめです。
紙の本と電子書籍を両方使ってもいい?
もちろんです。
一冊ごとに選んでもいいですし、同じ本を電子で読み始めて、気に入ったら紙でも買うという方法もあります。
まとめ|「どっちが正しい?」より、本に合う読み方を選ぼう
電子書籍と紙の本は、どちらかがすべての面で優れているわけではありません。
研究を見ても、
紙に読解上の小さな優位を示すもの。
文章の種類によって差が変わるもの。
全体では有意差がないとするもの。
端末やスクロール方法によって違いが出るもの。
と、結果には幅があります。
だからこそ、
紙だから正しい。
電子だから浅い。
と決めなくてもいいんですよね。
外へ持っていく本は電子。
大切な一冊は紙。
長い説明文は机で紙を開く。
気軽な小説はKindleで読む。
気に入った電子書籍を、あとから紙でも買う。
そんな読み方もあります。
大切なのは、媒体そのものよりも、
その一冊と、自分が落ち着いて向き合えること。
本によって、暮らしによって、読む形を変えていい。
その選択肢が増えたと考えると、電子書籍と紙の本は競い合うものではなく、どちらも本との時間を支えてくれるものなのかもしれません。

