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柚木麻子のおすすめ本5選|直木賞候補作6作・最新刊情報も紹介

柚木麻子のおすすめ本5選|直木賞候補作6作・最新刊情報も紹介 作家・作品ガイド
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こんにちは、松風知里です。

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『ナイルパーチの女子会』など、女性たちの友情や生きづらさ、社会の中で感じる違和感を、ユーモアと鋭い視点で描いてきた作家・柚木麻子さん。

明るく元気になれる物語がある一方で、人間関係の嫉妬や執着を容赦なく描く作品もあり、その振れ幅の広さも魅力なんですよね。

これまで直木賞には6回候補となり、2026年には『BUTTER』の文庫版や特装版も刊行され、国内外であらためて注目されています。『BUTTER』は世界40か国・地域で翻訳出版が決まり、世界累計200万部を超える広がりを見せています。

この記事では、

  • 柚木麻子さんの経歴
  • 2026年の最新刊・文庫情報
  • 直木賞候補になった6作品
  • 初めて読む方にもおすすめしたい文庫5冊

をまとめてご紹介します。

「柚木麻子さんを読んでみたいけれど、どの本から始めよう?」

そんな方の本選びに役立てていただけたら嬉しいです。

柚木麻子とは?学歴・経歴を簡単に紹介

柚木麻子さんは1981年、東京都生まれの小説家です。

立教大学文学部を卒業後、2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。2010年、同作を収録した『終点のあの子』でデビューしました。

2015年には『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞を受賞しています。

柚木作品の魅力のひとつは、女性同士の関係を単純に「友情」や「対立」だけで描かないところ。

憧れや嫉妬、孤独、連帯、息苦しさ。

人と人とのあいだに生まれる複雑な感情を描きながら、それでも自分の人生を自分で選び取ろうとする人物たちが登場します。

作品によって雰囲気がかなり違うので、「今の自分に合う一冊」を探せる作家でもあるんですよね。

柚木麻子の最新刊は?2026年の刊行情報

2026年は、柚木麻子さんの既刊作品が相次いで新しい形で刊行されています。

『王妃の帰還 新装版』|2026年2月

2026年2月6日には、『王妃の帰還』の新装版が実業之日本社文庫から発売されました。

女子中学校を舞台に、クラスの「王妃」と呼ばれる少女と、彼女を取り巻く少女たちを描いた青春小説です。

『オール・ノット』文庫版|2026年5月

2026年5月15日には、『オール・ノット』が講談社文庫になりました。

苦学生の真央と、スーパーの試食販売で出会った女性との関係を軸に、世代を超えたつながりを描く長編です。

単行本は2023年に刊行され、2026年に待望の文庫化となりました。

『BUTTER』文庫版・特装版|2026年6月・7月

そして、2026年に特に注目したいのが『BUTTER』です。

河出文庫版が6月15日に発売され、7月23日には特装版も刊行されました。文庫版には新規原稿も収録されています。

海外でも大きな反響を呼び、世界40か国・地域で翻訳出版が決定。柚木麻子さんを代表する一冊になっています。

なお、新作小説として現在もっとも新しい単行本は、2024年刊行の短編集『あいにくあんたのためじゃない』です。第171回直木賞候補にも選ばれました。

※2026年9月には、柚木麻子さん・朝井リョウさん・でか美ちゃんによるハロー!プロジェクトについての鼎談集も刊行されています。小説とは別ジャンルなので、本記事では小説を中心に紹介します。

柚木麻子は直木賞候補に6回|候補作品一覧

柚木麻子さんは、これまで6回直木賞候補に選ばれています。

回年候補作品
第150回2013年下半期『伊藤くん A to E』
第151回2014年上半期『本屋さんのダイアナ』
第153回2015年上半期『ナイルパーチの女子会』
第157回2017年上半期『BUTTER』
第161回2019年上半期『マジカルグランマ』
第171回2024年上半期『あいにくあんたのためじゃない』

6度候補になっていますが、2026年9月現在、直木賞の受賞には至っていません。

ここからは、それぞれの作品を簡単に見ていきましょう。

『伊藤くん A to E』

ひとりの男性「伊藤くん」をめぐって、5人の女性たちの姿を描いた連作短編集です。

一見すると恋愛小説ですが、描かれるのは恋そのものよりも、承認欲求や自己評価、人との距離の取り方。

登場人物たちの痛々しさに苦笑しながら、どこか自分にも重なるところを見つけてしまう作品です。

第150回直木賞候補

『本屋さんのダイアナ』

名前や家庭環境にコンプレックスを抱えるダイアナと、裕福な家庭で育った彩子。

まったく違うふたりの少女の友情と成長を、10年以上にわたって描きます。

「自分をどう見るか」と「他人からどう見られるか」。

その間で揺れる少女たちの姿が印象に残る一冊です。

第151回直木賞候補

『ナイルパーチの女子会』

仕事も生活も順調に見える栄利子。

けれど、彼女には親しい女友達がいません。

あるブログをきっかけに知り合った女性との関係にのめり込み、友情への強い執着が次第にふたりを追い詰めていきます。

「女同士の友情」という言葉では収まりきらない、人との距離の難しさを描いた作品です。

2015年、第28回山本周五郎賞を受賞しています。

第153回直木賞候補

『BUTTER』

婚活連続殺人事件の容疑者・梶井真奈子と、彼女に取材する週刊誌記者・町田里佳。

食と欲望を入り口に、女性の身体や社会から向けられる視線、生き方について問いかける長編です。

料理の描写は濃厚ですが、読後に残るものは決して「おいしい物語」だけではありません。

2017年に刊行された作品ですが、英訳をきっかけに海外でも大きな反響を呼び、2026年には河出文庫版と特装版が刊行されました。

第157回直木賞候補

『マジカルグランマ』

75歳の元女優・正子を主人公にした物語です。

年齢を重ねた女性に社会が求める「おばあちゃんらしさ」を軽やかにかわしながら、自分の人生を生きようとする姿が描かれます。

「年齢相応」という言葉に少し窮屈さを感じたことがある方なら、印象に残るところがあるかもしれません。

第161回直木賞候補

『あいにくあんたのためじゃない』

2024年刊行の全6篇からなる短編集です。

過去の発言が炎上したラーメン評論家、コロナ禍の孤独を抱える妊婦、仕事に行き詰まった人々など、さまざまな人物が登場します。

誰かに貼られたラベルから抜け出し、自分の尊厳を取り戻していく人たち。

柚木麻子さんらしいユーモアと社会への視線が詰まっています。

第171回直木賞候補

直木賞そのものについて知りたい方は、こちらも参考にしてください。▶ 芥川賞と直木賞の違いはなに?どっちがすごい?両方ノミネートはできるかも調査

柚木麻子のおすすめ文庫5選|初めて読むならどれ?

ここからは、柚木麻子さんを初めて読む方にも選びやすい5冊をご紹介します。

作品によってかなり雰囲気が違うので、その日の気分に合わせて選んでみてくださいね。

『ランチのアッコちゃん』|元気がほしいときに

失恋して元気をなくしていた派遣社員・三智子が、上司のアッコさんと一週間ランチを交換することから始まる物語です。

いつもの昼食を変える。

それだけの小さな出来事から、三智子が知らなかった場所や人と出会い、少しずつ世界を広げていきます。

柚木麻子さんを初めて読むなら、まず候補に入れたい一冊です。

重すぎず、気持ちを切り替えたいときにも読みやすいですよ。

こんな人におすすめ:明るい作品から読みたい人

『本屋さんのダイアナ』|少女たちの友情を読みたいときに

「自分を好きになる」ということは、簡単そうで難しいものですよね。

ダイアナと彩子、ふたりの少女の友情を通して、家庭環境やコンプレックス、すれ違い、成長が描かれます。

児童文学や本そのものが物語の中で大切な役割を果たしているので、本好きの方にもおすすめです。

こんな人におすすめ:友情や成長を描いた物語が好きな人

『ナイルパーチの女子会』|人間関係の怖さを味わいたいときに

明るい柚木作品とは一転。

こちらは、人とのつながりを求める気持ちが執着へと変わっていく怖さを描いた作品です。

「友達がほしい」という、ごく普通の願い。

だからこそ、ふたりの関係が崩れていく過程が他人事に思えなくなるんですよね。

柚木麻子さんの少しブラックな側面を読みたい方には、この一冊を。

こんな人におすすめ:女性同士の複雑な心理を描いた小説が好きな人

『らんたん』|女性たちの歴史と連帯を読む

教育者・河井道と渡辺ゆりを中心に、明治から昭和にかけて女子教育に力を尽くした女性たちを描いた長編です。

河井道は新渡戸稲造や津田梅子とも関わりながら、女性がひとりの人間として学び、生きるための教育を目指しました。

2025年7月には新潮文庫版が刊行されています。

700ページを超える長編ですが、柚木作品に繰り返し登場する「女性同士が手を取り合うこと」の源流を感じられる作品だと思います。

こんな人におすすめ:読み応えのある長編や女性史に興味がある人

『BUTTER』|柚木麻子を深く味わうなら

一冊だけ「いまの柚木麻子」を象徴する作品を選ぶなら、『BUTTER』を外すことはできません。

食欲、身体、美しさ、女性への偏見。

さまざまなテーマが絡み合いながら物語が進みます。

軽い読書ではありませんが、読み終えたあとにも考え続けたくなる作品です。

2026年6月に河出文庫版が発売されたので、以前より手に取りやすくなりました。

こんな人におすすめ:社会の価値観を問い直す小説を読みたい人

迷ったらどれから読む?柚木麻子の選び方

迷ったときは、こんなふうに選んでみてください。

読みたい気分おすすめ
明るく元気になれる話『ランチのアッコちゃん』
少女たちの友情と成長『本屋さんのダイアナ』
人間関係の怖さ『ナイルパーチの女子会』
女性たちの歴史と連帯『らんたん』
社会派の読み応えある長編『BUTTER』

最初の一冊なら、私は『ランチのアッコちゃん』が入りやすいと思います。

一方で、現在の柚木麻子さんの評価や作品世界をより深く知りたいなら、『BUTTER』や『らんたん』へ進むのもおすすめです。

Kindle・電子書籍で読む場合は作品ごとに確認を

柚木麻子さんの作品には電子書籍版が用意されているものもあります。

ただし、Kindle Unlimitedなどの読み放題対象作品は時期によって変わります。

「柚木麻子作品なら読み放題」と一括りにはせず、読みたい作品の商品ページで現在の対象状況を確認してください。

Kindle Unlimitedそのものについて知りたい方はこちらで詳しくまとめています。▶Kindle Unlimitedとは?月額980円・無料体験・使い方・解約

まとめ|柚木麻子の作品は明るさと毒の両方がおもしろい

柚木麻子さんは、2008年にオール讀物新人賞を受賞してデビューし、『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞しました。直木賞にはこれまで6回候補となっています。

今回おすすめしたのは、

『ランチのアッコちゃん』
『本屋さんのダイアナ』
『ナイルパーチの女子会』
『らんたん』
『BUTTER』

の5冊です。

柚木作品には、読んだあと少し元気になれる物語もあれば、人間関係の怖さに息を呑む作品もあります。

でも、その根底に流れているのは、「誰かが決めた自分」ではなく、自分自身の人生を取り戻していこうとする人たちの姿なのかもしれません。

まずは今の気分に合う一冊から、柚木麻子さんの世界に入ってみてくださいね。

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