毎年発表される文学賞のなかでも、ひときわ存在感を放つ「谷崎潤一郎賞」。
でも、正直なところ「自分には難しそう」「純文学って敷居が高いんじゃないか」と感じていませんか?
この記事では、2024年の受賞作や選考委員、歴代のおすすめ作品をわかりやすくご紹介。
さらに、KindleやAudibleを使って気軽に楽しむ方法までお届けします。
「文学賞はハードルが高い」と思っていた私自身の体験も交えながら、あなたが一歩踏み出せるきっかけになるような内容をお届けしますね。
「難しそう…」と感じていた私でも、夢中になれた文学賞
実を言うと、数ある文学賞のなかでも、私にとって一番敷居が高いと感じていたのが「谷崎潤一郎賞」でした。
文豪・谷崎潤一郎の名前がついているだけで、「きっと難解で、自分には縁がない世界なんだろうな…」と、勝手に決めつけていたんです。
でも、ある日ふと、Kindleで手に取った『センセイの鞄』。さらに、気になって読んでみた『水車小屋のネネ』。
ページをめくるたびに、登場人物たちがまるで自分の隣にいるように感じられて──
そんな読書体験が、「文学賞って、こんなにもあたたかくて身近なものだったんだ」と気づかせてくれたんです。
この記事では、私が実際に「読んでよかった」と思えた作品も含めて、2024年の最新受賞作や、歴代のおすすめ7選をご紹介します。
2024年・第60回谷崎潤一郎賞の受賞作は?
今年の受賞作は、柴崎友香『続きと始まり』です。
選んだのは、こちらの5名の作家たち。
- 池澤夏樹
- 堀江敏幸
- 川上弘美
- 筒井康隆
- 桐野夏生
このメンバーは、実は10年以上変わらず選考を続けているんです。
だからこそ、毎年「今年も楽しみだな」と思える、信頼される文学賞でもあるんですよ。
受賞作『続きと始まり』を書いた柴崎友香さんについてもっと知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
作品の特徴や作風、他のおすすめ本についてもくわしくご紹介しています。▶ 柴崎友香おすすめ本5選!作風や受賞歴&特徴と出身高校も
谷崎潤一郎賞ってどんな賞?
1965年に創設された、日本を代表する文学賞のひとつです。
- 美しい日本語
- 深い人間描写
- 革新性と時代性
これらを兼ね備えた小説や戯曲に贈られ、
谷崎潤一郎のように「言葉を極め、物語を深く描く」作家たちが選ばれてきました。
【歴代選考委員も超一流】
- 三島由紀夫
- 大江健三郎
- 吉行淳之介 など
日本文学を支えてきた作家たちが、次の時代を選んでいるんですね。
谷崎潤一郎ってどんな作家?

実は、私も最初はよく知らなかったんです。でも調べてみると──
- 『痴人の愛』や『細雪』など、恋愛や家族をテーマに
- 晩年には『鍵』『瘋癲老人日記』で老いと性に挑み
- 美しい日本語と、大胆なテーマで日本文学を変えた作家
と知って、どんどん興味が湧いてきたんです。
▶谷崎潤一郎賞の背景にある、谷崎自身の作品や文学観について知りたい方は、こちらの記事が参考になります。作風や年表から、彼の文学の全体像をたどってみてくださいね。
👉 【完全ガイド】谷崎潤一郎の作品と年表を一覧で紹介|時代ごとの代表作と作風の変遷も解説
歴代受賞作品おすすめ7選|「何から読めばいい?」がここで解決
「どれから読めばいいの?」
そんなあなたに向けて、私自身も読んでみてよかった作品を7冊、最新の受賞作から順番にご紹介します。
作品名 | 著者 | 受賞回 | ポイント |
---|---|---|---|
水車小屋のネネ | 津村記久子 | 第59回(2023年) | 姉妹の40年を描いた感動作 |
ミトンとふびん | 吉本ばなな | 第58回(2022年) | 旅先で見つける小さな幸せ |
告白 | 町田康 | 第41回(2005年) | 実在事件を描く圧倒的な長編 |
センセイの鞄 | 川上弘美 | 第37回(2001年) | 年の差恋愛が切なく温かい |
火の山―山猿記 | 津島佑子 | 第34回(1998年) | 戦後を生き抜く女性たちの物語 |
寂兮寥兮(かたちもなく) | 大庭みな子 | 第18回(1982年) | 愛と孤独を描く三世代物語 |
万延元年のフットボール | 大江健三郎 | 第3回(1967年) | ノーベル賞作家の代表作 |
水車小屋のネネ/津村記久子
家族だからって、なんでも支え合えるとは限らない──そんなふうに感じたこと、ありませんか?
『水車小屋のネネ』は、身勝手な親から逃れた姉妹が、山あいの小さな蕎麦屋で新たな暮らしを始める物語です。
そばにいるのは、言葉を話すヨウム(オウムの一種)のネネ。家族でもなく、他人でもなく、そっと寄り添う存在なんですよね。
第59回谷崎潤一郎賞を受賞したこの作品は、「ほんの少し手を貸すくらい当然」という、肩肘張らない優しさにあふれています。
つらいとき、そっと手を差し伸べてくれる人がいる。それだけで、人生って少しずつ前に進めるものなんですよね。
もし今、誰かとの距離に悩んでいたり、自分の居場所を探しているなら──この本を手に取ってみてください。
きっと、あなたの心にもやさしく寄り添ってくれますから。
◆第59回(2023年)谷崎潤一郎賞受賞作品
『水車小屋のネネ』をはじめ、やさしくてあたたかな物語を描く津村記久子さん。
実は最近、兵庫県に引っ越したという噂や、紅茶好きな一面も話題なんです。
そんな津村さんのプライベートな素顔が気になる方は、ぜひこちらもご覧ください。
▶津村記久子さんをもっと知りたい方はこちらの記事もご覧くださいね➡ 津村記久子の引っ越し先は兵庫県?結婚相手や紅茶好きな理由も
ミトンとふびん/吉本ばなな
大切な人を失った悲しみは、簡単に消えるものではありませんよね。
でも──『ミトンとふびん』は、そんな心にそっと寄り添ってくれる物語なんです。
舞台は、ヘルシンキや金沢、台北、ローマ、八丈島…。
旅先で出会う人や日常の小さな出来事が、喪失や孤独を静かに癒していく。
表題作では、親に認めてもらえなかった若い夫婦が、新婚旅行先で見知らぬ人の優しさに触れ、少しずつ前を向いていく姿が描かれています。
谷崎潤一郎賞の選考委員たちは、この作品に「弱い相互作用」という言葉を使い、人と人とのさりげない関わりが生む静かな回復力を高く評価しました。
もし今、あなたの心にぽっかりと穴があいているなら──
ぜひ、この本をそっと開いてみてください。
日常の中にある「小さな幸せ」に、きっと出会えるはずです。
◆第58回(2022年)谷崎潤一郎賞受賞作品
告 白/町田康
「人はなぜ、絶望し、破滅へと向かうのか──」
町田康さんの『告白』は、そんな重たい問いを私たちにそっと投げかけてくる物語です。
舞台は明治時代の大阪・河内地方。
実際に起きた「河内十人斬り」という事件をもとに、主人公・熊太郎がどのように孤独や蔑みに追い詰められていくのか、その心の奥底まで描かれているんです。
でも、ただ暗いだけじゃないんですよね。
町田康さんならではのリズムある言葉と、時にクスッと笑ってしまうようなユーモアが、物語に不思議な軽やかさを与えてくれるんです。
読み進めるうちに「自分だったらどうするかな」「誰かに寄り添うって、どういうことなんだろう」と、熊太郎の姿を通して、自分自身に問いかけたくなるはず。
重いテーマではありますが、読んだあと、きっとあなたの心にも何かが残るはずです。
ページをめくるたび、悲しみも、怒りも、ほんの少しの救いも──。
どうか、熊太郎の“魂の叫び”に、あなたもそっと耳を傾けてみてくださいね。
◆第41回(2005年)谷崎潤一郎賞受賞作品
✨町田康さんについてもっと知りたいかたはコチラの記事もチェックして、町田ワールドに浸ってください▶町田康が痩せた理由は断酒?妻・子供・高校や経歴もまるごと紹介
センセイの鞄/川上弘美
「大人になっても、ふいに訪れる恋と、静かな幸福」
そんな言葉がふっと浮かんでくる一冊なんです。
『センセイの鞄』は、37歳のツキコさんと、30歳年上の元高校教師・センセイが、居酒屋で偶然再会するところから始まります。
花見やキノコ狩り、小さな旅を重ねながら、二人の距離がゆっくりと近づいていく──そんな、ささやかだけれど心があたたまる物語です。
日常の中にある「会いたい」という気持ちや、人と人がつながる温かさを、飄々とした筆致で描いた本作は、第37回谷崎潤一郎賞を受賞。
年齢や立場を超えて、静かに寄り添うような愛のかたちに、きっとあなたもそっと心を重ねるはずです。
どうぞ肩の力を抜いて、ツキコさんとセンセイの時間に触れてみてください。きっと、新しい気づきが見つかるはずですよ。
◆第37回(2001年)谷崎潤一郎賞受賞作品
火の山―山猿記/津島佑子
「家族の記憶が、時代を越えてよみがえる──」そんな一冊が、津島佑子さんの『火の山―山猿記』なんです。
山梨・甲府を舞台に、富士山を見上げながら生きた有森家五代の物語。
日記や手紙をたどりながら、戦中・戦後を生き抜いた家族の愛や別れが、まるで自分の“ルーツ”を見つめ直すように、心に深く響いてくるんですよね。
家族史を通して日本の近代を描いたその構成力が評価され、第34回谷崎潤一郎賞を受賞したのも納得でした。
誰かの記憶をたどることは、きっと自分自身を見つめ直す旅でもあるはず。
もし、あなたが家族や自分の物語に向き合ってみたいと思ったら、そっと手に取ってみてくださいね。
きっと、今までとは違う景色が見えてくるはずです。
◆第34回(1998年)谷崎潤一郎賞受賞作品
寂兮寥兮(かたちもなく)/ 大庭みな子
「夢とうつつ、過去と今──“かたちもなく”漂う人生と愛の物語」
大庭みな子さんの『寂兮寥兮(かたちもなく)』は、そんな不思議な世界へと、私たちを静かに誘ってくれる一冊です。
幼なじみの万有子と泊が、配偶者の裏切りや喪失をきっかけに再び交わるなかで、過去と現在、愛と性、夢と現実の境界がゆるやかに溶け合っていくんです。
老子の思想を背景に、人間関係のあいまいさや、人生の「かたちのなさ」を描き切ったことが高く評価され、谷崎潤一郎賞を受賞しました。
人との距離に悩んでいるあなたへ、そっと寄り添ってくれるような一冊。
「かたちにできない思い」を、あなたも静かに感じてみませんか?
◆第18回(1982年)谷崎潤一郎賞受賞作品
万延元年のフットボール /大江健三郎
「歴史は繰り返される」──そう聞くと、少し大げさに思えるかもしれません。
でも、大江健三郎さんの『万延元年のフットボール』を読むと、その言葉の重みが静かに胸に響いてくるんです。
物語の舞台は、大江さん自身の故郷を思わせる四国の山間部。
時代は1960年代、安保闘争の傷跡を抱えた主人公・蜜三郎と弟が、友人の死をきっかけに故郷へ戻るところから始まります。
そこには、万延元年に起きた百姓一揆の伝承があり、やがて現代の若者たちによる暴動と重なっていく…そんな、時代を超えた“魂の物語”なんですよね。
この作品は、幕末から現代へと続く民衆の声を描ききったとして、第3回谷崎潤一郎賞を受賞。大江さん、当時わずか32歳での快挙だったそうです。
しかもこの作品は、大江健三郎がノーベル文学賞を受賞した理由のひとつとしても挙げられている、まさに代表作なんです。
歴史も社会も、自分自身の生き方さえも、ぐるぐると問い直したくなる一冊。
だからこそ、あなたにもそっと手に取ってほしいんです。
今のあなたにしか見えない“気づき”が、きっとそこにあるはずですから。
◆第3回(1967年)谷崎潤一郎賞受賞作品:歴代最年少
私も読んでみました|「文学賞は敷居が高い」と思っていた私が夢中になった理由
実は、私もずっと「文学賞なんて、難しそう…」と思っていたんです。
でも、Kindleで『センセイの鞄』を読んでみたら、思っていたよりずっと読みやすくて、温かい。
登場人物の息づかいがすぐそばに感じられて、 「文学って、こんなに身近だったんだ」と、世界が一気に広がった気がしたんです。
だから、あなたにも試してほしい|Kindleなら気軽に始められる

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▶ Amazon Kindle Unlimitedの使い方・料金・解約方法を徹底解説!初心者向けガイド
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▶ Amazonオーディブル完全マニュアル【2025年版】|無料体験期間・メリット・解約手順
まとめ|あなたの「次の一冊」がきっと見つかる
- 2024年の受賞作は柴崎友香『続きと始まり』
- 谷崎潤一郎賞は、文学の美しさを届ける賞
- 歴代受賞作から、あなたにぴったりの一冊を
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「難しそう…」
そう思っていた私が変われたように、
あなたにも「読んでみようかな」という一歩を踏み出してほしいんです。
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▶谷崎潤一郎賞の背景にある、谷崎自身の作品や文学観について知りたい方は、こちらの記事が参考になります。作風や年表から、彼の文学の全体像をたどってみてくださいね。
👉 【完全ガイド】谷崎潤一郎の作品と年表を一覧で紹介|時代ごとの代表作と作風の変遷も解説