柴田錬三郎賞の歴代受賞作品とおすすめ受賞作をピックアップ!賞の特徴や選考の流れについてご紹介します。
柴田錬三郎賞は、エンターテインメント性の高い小説に贈られる文学賞で、多くの話題作を生み出していますよね。
この賞の特徴と言えば、幅広いジャンルの作品が対象になることと、読みやすさや物語の魅力が重視される点なんです。
この記事では、歴代受賞作品を一覧で紹介し、特におすすめの受賞作をピックアップして解説します。
また、どのような選考過程で作品が選ばれるのかも、わかりやすくまとめてご紹介しますね!
柴田錬三郎賞とは?
- 柴田錬三郎賞は、作家・柴田錬三郎(1917〜1978)の功績を称えて1988年に創設された文学賞
- 特に大衆小説の分野で、多くの読者を魅了する作品や作家に贈られる
- 柴田錬三郎はエンターテインメント性の高い作品が特徴なので、この賞も彼の精神を受け継ぎ、多くの人に愛される作品を選出している
- 集英社主催で、年に一度、前年から当年に刊行された小説が対象となり、受賞作品には副賞として300万円が贈られる。
柴田錬三郎賞の特徴
柴田錬三郎賞の最大の魅力は、エンターテインメント性が高い作品に贈られるのが特徴の賞です。
他の文学賞が純文学やアート性を重視するのに対し、この賞では「読んで楽しい」「引き込まれる」ような物語が評価されているんです。
選考は、経験豊富な作家や評論家が審査員を務めていて、読者を魅了する作品をしっかりと選び出しています。
このように受賞作品の選出過程もユニークであり、多様なジャンルの作品から選出するため、他の文学賞とは異なる基準で評価されているのが特徴です。
柴田錬三郎賞選考の流れ
柴田錬三郎賞の選考は、どんな作品が選ばれるのか毎年、楽しみにさせてくれます。
前年7月から当年6月までに刊行された作品の中から、エンタメ性や大衆受けを基にノミネートが決定。その後、予選を通過した作品が最終選考に進み、専門家が議論を重ねながら、最も魅力的である受賞作品が選ばれます。
柴田錬三郎賞の歴代受賞作品
柴田錬三郎小学館文庫の歴代受賞作品と作家の一覧です。
歴代受賞作品一覧
第36回 2023年 『ハヤブサ消防団』池井戸潤
第35回 2022年 『底惚れ』青山文平/『ミーツ・ザ・ワールド』 金原ひとみ
第34回 2021年 『類』朝井まかて/『正欲』朝井リョウ
第33回 2020年 『逆ソクラテス』伊坂幸太郎
第32回 2019年 『彼女は頭が悪いから』 姫野カオルコ
第31回 2018年 『雪の階(きざはし)』奥泉 光
第30回 2017年 『日蝕(ひは)えつきる』花村萬月
第29回 2016年 『赤へ』 井上荒野
第28回 2015年 『かたづの!』中島京子
第27回 2014年 『櫛挽道守(くしひきちもり)』木内 昇
第26回 2013年 『夢幻花』東野圭吾
第25回 2012年 『紙の月』角田光代
第24回 2011年 『西巷説(にしのこうせつ)百物語』京極夏彦
第23回 2010年 『横道世之介』吉田修一
第22回 2009年 『仮想儀礼』 篠田節子/『ダブル・ファンタジー』村山由佳
第21回 2008年 『愛に似たもの』唯川 恵
第20回 2007年 『家日和』奥田英朗
第19回 2006年 『虹の彼方』小池真理子
第18回 2005年 『蝶のゆくえ』橋本治
第17回 2004年 『残虐記』桐野夏生/『パンドラ・アイランド 』 大沢在昌
第16回 2003年 『秋の猫』 藤堂志津子
第15回 2002年 『曼荼羅道』坂東眞砂子
第14回 2001年 『きのうの空』志水辰夫
第13回 2000年『夢顔(ゆめがお)さんによろしく』西木正明/『壬生(みぶ)義士伝』浅田次郎
第12回 1999年 『島津奔(はし)る』 池宮彰一郎
第11回 1998年 『神々の山嶺(いただき)』夢枕 獏
第10回 1997年 『逃亡』帚木 蓬生
第9回 1996年 『隠れ菊』連城三紀彦
第8回 1995年 『白蓮れんれん』林 真理子
第7回 1994年 『機関車先生』伊集院 静
第6回 1993年 『かかし長屋 』半村 良
第5回 1992年 『戦鬼たちの海』白石一郎
第4回 1991年 『破軍の星』北方謙三/『虎砲記』宮本徳蔵
第3回 1990年 『薔薇忌』皆川博子
第2回 1989年 『一夢庵風流記』隆 慶一郎
第1回 1988年 『別れてのちの恋歌 名もなき道を 』高橋 治
関連:>>柴田錬三郎のプロフィールやゴルフ場のエピソード『大将』のモデルとなった人との友情!柴田錬三郎の代表作や受賞作品も
おすすめ受賞作品10選ピックアップ
手に取りやすい、おすすめの柴田錬三郎賞受賞作品10冊を選定しましたので、この機会に気になる作品を読んで見てくださいね!
薔薇忌/皆川博子
舞台芸術の世界に心を奪われる、幻想的で美しい短編集をあなたも体験してみてはどうでしょう?
この幻想的な短編集を読んで、心が温かくなりました。
舞台芸術の美しさと人々の執念が織りなす物語に触れることで、現実を忘れ、感情が豊かになった気がします。
ハッピーエンドが心に沁み、優しい気持ちになれることは、日常の疲れを癒してくれます。
心に残る素敵な体験を与えてくれると思います。
皆川博子さんは1929年に朝鮮で生まれ、東京女子大学で英文学を学びました。デビュー作で児童文学に挑戦した後、サスペンスや推理小説へと活動を広げ、特に男女の奇妙な縁を描いた作品が多くの女性に愛されています。
80年代には幻想的な作品も手がけ、新本格ミステリの再評価により再び脚光を浴びています。94歳になった今も精力的に新作を発表しており、その年齢だからこその深みを持った物語が、あなたの心をきっと魅了するはずです。
◆第3回 1990年柴田錬三郎賞作品
かかし長屋/半村良
温かな人間関係と穏やかな日常に心がほっこりする物語です。
勘助の再生や「かかし長屋」の人々の絆が印象的で、忘れかけていた日本の知恵に触れることができました。
日常の小さな幸せを大切にしたくなる気持ちが芽生えます。
東京生まれの作家・半村良は、多彩な職業を経て1962年にデビュー。代表作『戦国自衛隊』など、SFから人情小説まで幅広く執筆し、奇想豊かな作品で多くのファンを魅了。
◆第6回 1993年 柴田錬三郎賞作品
逃亡/帚木蓬生
戦後の混乱と個人の運命が交差する深いテーマに心を打たれました。
特に、主人公の逃亡劇は緊張感に満ちていて、ページをめくる手が止まりません。この作品を通じて、歴史を多角的に理解する力が得られたように思います。
新たな視点で戦争を捉え直すことで、自身の価値観が豊かになるはずです。
ぜひ一読をおすすめします。
帚木蓬生(ははきぎほうせい)1947年生。福岡出身の小説家で精神科医。東京大学卒業後、TBS勤務を経て精神科医に転身。1979年のデビュー作『白い夏の墓標』で注目を浴び、その後も医学に関する作品を多数執筆。2008年に白血病を経験し、2023年に開業医を引退して作家に専念。彼の人生経験は読者に深い感動を与えています。
◆第10回 1997年 柴田錬三郎賞作品
蝶のゆくえ/橋本治
この短編集を読むと、日常の人間関係に潜む闇がリアルに描かれていることに気づきました。
特に「ふらんだーすの犬」では、母親の自分勝手さと子どもの苦悩が心に残ります。
読むことで、周囲の人々の心情や悩みが少しずつ見えてきて、共感や理解が深まることでしょう。
あなたも、彼女たちの物語を通じて、日常の視点が変わるかもしれません。
橋本治(1948年)は日本の小説家で、随筆や評論も手がける多才な作家です。デビュー作『桃尻娘』で注目を浴び、特に男性の編み物ブームを牽引しました。古典の現代語訳やエッセイなど幅広い作品を残し、2018年にはデビュー40周年を迎え野間文芸賞を受賞。2019年に亡くなるまで、多くの人に愛され続けました。
◆第18回 2005年 柴田錬三郎賞作品
虹の彼方/小池真理子
この物語は、成熟した男女の禁断の恋は、愛の深さと人生の選択について考えさせてくれます。
大切な人を愛することの意味を再認識し、感情の豊かさを感じられるでしょう。
小池真理子さんの筆致が、まるで映画のように情景を思い起こさせ、忘れがたい体験を与えてくれます。
小池真理子さんは1952年生まれの東京都出身の作家で、恋愛小説やミステリーが得意です。エッセイ集『知的悪女のすすめ』や直木賞受賞作『恋』で知られ、故・藤田宜永さんと共に文学界で活躍しました。近年は家族や別れをテーマにした感動的な作品が多く、読者の心に響く内容が魅力です。
◆第19回 2006年 柴田錬三郎賞作品
横道世之介/吉田修一
この青春小説はじんわりと胸が熱くなります。
世之介の成長を通じて、友情や恋愛の大切さを再認識し、共感できる瞬間が多かったからです。
読後は自分自身の人生を振り返り、何気ない日々に感謝する気持ちが芽生えます。
この物語は、疲れた心を癒し、人生の意味を考えるきっかけを与えてくれるでしょう。
リラックスしながら楽しんでみてください。
吉田修一(1968年生)は長崎出身の小説家で、法政大学卒業後にデビュー。1997年に「最後の息子」で文學界新人賞を受賞し、以降「パレード」や「悪人」などで多くの文学賞を獲得。特に台湾を舞台にした作品に定評があり、愛猫家としても知られる。2016年からは芥川龍之介賞の選考委員を務めている。
関連:>>吉田修一さんのプロフィールやお気に入りの本。これまでの受賞歴などご紹介!
◆第23回 2010年 柴田錬三郎賞作品
紙の月/角田光代
心が深く揺さぶられる思いがしました。
梅澤梨花の葛藤や感情に共感し、日常の中に潜む非現実の瞬間に考えさせられます。
この作品を通じて、自分の選択や感情の深さに気づき、日々の生活を見つめ直すきっかけが得られるはずです。
心の闇に光を当ててくれる一冊です。
角田光代(1967年生まれ)は横浜出身の小説家で、幼少期の恥ずかしさが読書好きにつながりました。1年生で作家を志し、大学で執筆を開始。デビュー作『幸福な遊戯』で注目を集め、『対岸の彼女』で直木賞を受賞。彼女の作品は女性たちの心に響く物語で、多くの読者に共感を呼び続けています。
◆第25回 2012年 柴田錬三郎賞作品
雪の階(きざはし)/奥泉光
『雪の階』を読み終えた後、心に深い余韻が残りました。
惟佐子の冷静さや、謎解きのスリルが心を打つため、考えさせられることが多いです。
友人の死の真相を追うことで、私たちも人間関係や社会の複雑さを理解できるようになります。
この作品を通じて、共感や洞察を得る良い機会になるでしょう。
奥泉光(1956年生まれ)は、山形県出身の小説家で、近畿大学の教授を務めました。国際基督教大学を卒業後、1986年にデビュー。1994年には『石の来歴』で芥川賞を受賞し、他にも多くの賞を獲得。特に『雪の階』は柴田錬三郎賞を受賞。彼の作品は日常の美しさや人間の心の深さを描き、女性読者に人気です。
◆第31回 2018年 柴田錬三郎賞作品
彼女は頭が悪いから/姫野カオルコ
異なる環境で育った二人の恋と、それに伴う傷つけ合いがリアルに描かれているので、心が揺さぶられる内容でした。
この作品を通じて、私たちの内面を見つめ直すことができ、無意識のうちに加害者になってしまう可能性を考えさせられます。
心に響くメッセージがあり、共感と気づきを与えてくれる一冊です。
姫野カオルコ(1958年生まれ、滋賀県甲賀市出身)は、日本の小説家。幼少期から作家を志し、青山学院大学卒業後、1990年に『ひと呼んでミツコ』でデビュー。『受難』や『ハルカ・エイティ』が直木賞候補に、2014年には『昭和の犬』で受賞。2019年には『彼女は頭が悪いから』で柴田錬三郎賞を受賞し、独自の視点と魅力的な物語で多くの読者に支持されています。
◆第32回 2019年 柴田錬三郎賞作品
底惚れ/青山文平
この物語は、胸が温かくなるような感動を感じます。
主人公の男が愛する芳を守るために女郎屋を開く決意は、愛と苦悩の深さを教えてくれます。
この物語を通じて、自分も誰かを大切に思うことの意味や、思いやりの力を再認識できるでしょう。ぜひ手に取ってみてください!
青山文平さん(1948年生)は横浜出身の小説家。早稲田大学卒業後、経済出版社で18年勤務。1992年にデビュー作『俺たちの水晶宮』で中央公論新人賞を受賞。創作を休止後、2011年に『白樫の樹の下で』で松本清張賞を受賞し再デビュー。彼の作品は人間ドラマと緻密なストーリーテリングが魅力です。
◆第35回 2022年 柴田錬三郎賞作品
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まとめ
柴田錬三郎賞の歴代受賞作品とおすすめ受賞作をピックアップ!賞の特徴や選考の流れについて、以下の6つの事柄をご紹介しました。
- 柴田錬三郎賞とは?
- 柴田錬三郎賞の特徴
- 柴田錬三郎賞選考の流れ
- 柴田錬三郎賞の歴代受賞作品
- おすすめ受賞作品10選ピックアップ
- 柴田錬三郎賞歴代の受賞作品を電子書籍Kindleでお得に読む方法
柴田錬三郎賞の特徴は、エンタメ性が高く、読んで楽しい作品が多いこと。
歴代受賞作を通して、物語の引き込まれるような面白さやキャラクターの魅力がしっかり伝わります。
また、今後の受賞作も期待できるので、受賞作品をチェックする楽しみも。
読んでワクワクするような作品に出会える柴田錬三郎賞は、まさに「次に読むべき本」を見つける絶好のチャンスです。