書店のカウンター越しに、静かに物語を紡いでいるひとりの若者がいます。
その名は駒田隼也さん。
2025年上半期の芥川賞候補となった『鳥の夢の場合』で、一躍、文学の世界に名を刻みました。
現実と夢のあわいに浮かぶような物語。
その一冊は、まるでそっと心に手を添えるように、私たち読者の奥深くに語りかけてくるんです。
ここでは、駒田さんの経歴や作品の魅力、そして『群像』で読むという楽しみ方まで、やさしくご紹介していきますね。
駒田隼也とは何者?書店員から芥川賞候補へ

駒田隼也(こまだ じゅんや)さんは、1995年に京都府で生まれました。
京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の文芸表現学科を卒業。
在学中の卒業制作『all about』では奨励賞を受賞されるなど、早くから物語の世界で感性を光らせてこられました。
大学卒業後は、地元・京都の書店でお仕事をされながら、日々、本と読者のあいだをつなぐお仕事をされています。
また、京都新聞で書評連載「本屋と一冊」もご担当されていて、まさに「読むこと」「書くこと」の両方に心を寄せてこられた方なんです。
そして2025年5月には、講談社の文芸誌『群像』に発表した『鳥の夢の場合』で第68回群像新人文学賞を受賞。
その勢いのまま、同年6月には第173回芥川賞候補に選ばれるという、まさに文学界の新星として注目を浴びる存在となりました。
群像新人賞受賞作『鳥の夢の場合』はどんな作品?
生と死のあわいをそっとたどる物語に、心がふわりと揺れました。
駒田隼也さんの『鳥の夢の場合』は、第68回群像新人文学賞を受賞し、第173回芥川賞候補にも選ばれた話題作。
夢と現実の境界を曖昧にしながら、“ない”という感覚を経て、“ある”を見つめ直す視点をそっと差し出してくれるんです。
もし今、あなたが「日常の意味」や「自分の存在」にふと立ち止まる瞬間があるなら、この一冊が、きっと静かに背中を押してくれますよ。
実際に読んでみて感じたこと
私も最初に読んだとき、冒頭の一言にちょっとびっくりして、思わずページを戻してしまいました。
「え、どういうこと?」と戸惑いながらも、気づけばどんどん物語に引き込まれていたんです。
誰かを想う気持ちや、うまく言葉にできない違和感。
そうした“心のひだ”のようなものが、静かに描かれていて──どこか、自分自身の記憶や感情にもふれてくる気がするんですよね。
読み終えたあと、心がふわっとほどけるようなあたたかさが残り、 「ああ、これが文学の力なんだなぁ」って、しみじみ感じました。
『群像』で読むという選択
『鳥の夢の場合』は、講談社の文芸誌『群像』2025年6月号に掲載されています。
書店や電子書籍ストアで購入できますので、気になる方はぜひ手に取ってみてくださいね。
文芸誌で読む魅力は、作品そのものだけでなく、他の新人作家の作品や選評にもふれられるところにあります。
「いま、どんな物語が生まれているのか」──そんな視点で文学の今を感じられるのも、『群像』ならではの楽しさです。
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あなたの読書時間が、少しでもやさしく、あたたかいものになりますように。
そして、「読んでみたい」と思ったその気持ちを、大切にしてみてくださいね。