こんにちは。松風知里です。
40代になると、若い頃に読んだ本が、まったく違って見えることがあります。
仕事のこと、家族のこと、人との距離、自分自身のこれから。
これまで積み重ねてきた時間があるからこそ、小説の一文や登場人物の選択が、思いがけず心に残ることがあるんですよね。
「今の私だから読める本に出会いたい」
そんなときに手に取ってほしい、一生そばに置いておきたくなるような5冊を選びました。
小説だけではなく、社会や人との違いについて考えさせてくれるノンフィクションも一冊加えています。
忙しい毎日の中で、ほんの少し自分のために本を開く時間をつくってみませんか。
この記事でわかること
- 40代女性におすすめしたい一生モノの本5選
- 今の気持ちに合う本の選び方
- 40代から読書を始めるメリット
- 忙しい毎日の中で本を楽しむ方法
40代女性におすすめの一生モノの本5選
人生経験を重ねた今だからこそ、以前とは違った形で心に届く本があります。
ここでは、読み終えたあとにも何かが残る5冊を選びました。
1.『ナニカアル』桐野夏生|自分の生き方を見つめたいときに
桐野夏生さんの『ナニカアル』は、作家・林芙美子をモデルに、戦時下を生きる女性の愛と人生を描いた長編小説です。
昭和17年、林芙美子は陸軍の報道班員として南方へ向かいます。
そこで描かれるのは、戦争という大きな時代の流れだけではありません。
書きたい。愛したい。自分の人生を生きたい。
さまざまな制約の中でも、自分の欲望や思いを抱えて生きようとする一人の女性の姿が、とても強く残るんですよね。
『ナニカアル』は、第62回読売文学賞小説賞と第17回島清恋愛文学賞を受賞しています。
40代になると、「こうすればよかったのかな」と過去を振り返ることもあります。
だからこそ、誰かが選んだ人生を物語として読むことで、自分の選択についても少し違った角度から眺められるのかもしれません。
こんなときにおすすめ
- 自分のこれからを考えたい
- 女性の生き方を描いた小説を読みたい
- 愛と人生をめぐる重厚な物語が好き
2.『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ|違う世界を知りたいときに
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は小説ではなく、英国で暮らす著者と息子の日々を描いたノンフィクションです。
息子が通う中学校には、人種も家庭環境も価値観も違う子どもたちが集まっています。
貧困、人種差別、ジェンダー、格差。
言葉だけを見ると重いテーマですが、本の中では、それらが学校生活の中で実際に起こる出来事として描かれています。
印象に残るのは、「違いをなくす」のではなく、違うまま一緒に生きていく難しさです。
年齢を重ねるほど、自分の経験からものごとを判断することも増えていきますよね。
そんなときに、自分とはまったく違う場所で生きる人の世界をのぞいてみる。
それも読書の面白さだと思うんです。
こんなときにおすすめ
- 自分とは違う価値観に触れたい
- 社会について考える本を読みたい
- 読後に誰かと話したくなる本を探している
3.『海辺のカフカ』村上春樹|自分の内側を静かに見つめたいときに
15歳の少年・田村カフカと、猫と話すことのできる老人・ナカタ。
まったく別の場所を歩いている二人の物語が、少しずつ不思議な形で重なっていきます。
『海辺のカフカ』は2002年に刊行され、現在は上下巻の新潮文庫でも読むことができます。
現実と幻想の境目が曖昧なので、すべてを「理解しよう」とすると少し難しいかもしれません。
でも、私は村上春樹さんの小説は、分からないところを残したまま読むのもいいと思っています。
喪失、孤独、過去、家族。
読む時期によって心に残る場所が変わるからこそ、何年か経ってもう一度読み返したくなる一冊なんですよね。
こんなときにおすすめ
- 日常から少し離れたい
- 自分の内面を見つめたい
- 何度も読み返せる小説を探している
4.『くっすん大黒』町田康|うまくいかない自分を少し笑いたいときに
『くっすん大黒』は、町田康さんの小説デビュー作です。
仕事を辞め、妻にも出ていかれ、ぶらぶらと暮らしている男。
そんな主人公が、部屋にある大黒様を捨てようとしたことから、なんとも妙な物語が始まります。
「ちゃんと生きなければ」
大人になるほど、そんな気持ちに追い立てられることがあります。
でも、この小説の主人公は、なかなかうまくいきません。
格好よく立ち直るわけでもなく、人生の正解を見つけるわけでもない。
そのどうしようもなさが、かえって可笑しくて、少し救いになるんですよね。
疲れているときには、立派な人物の話よりも、こういう小説のほうが心に合うこともあります。
こんなときにおすすめ
- 少し肩の力を抜きたい
- 独特な文章を楽しみたい
- 「ちゃんとしなければ」に疲れている
5.『風と共に去りぬ』マーガレット・ミッチェル|大きな物語に身を委ねたいときに
1936年に刊行され、ピューリッツァー賞を受賞したマーガレット・ミッチェル唯一の長編小説です。現在は鴻巣友季子さんによる新訳の新潮文庫全5巻でも読むことができます。
主人公は、アメリカ南部に生きるスカーレット・オハラ。
南北戦争によって、それまで当たり前だった暮らしが大きく崩れていく中、それでも生き抜こうとします。
スカーレットは、決して理想的な女性として描かれているわけではありません。
強く、身勝手で、執着深く、ときには人を傷つける。
だからこそ、人間らしいんですよね。
なお、南北戦争前後のアメリカ南部を描いた古典作品ですので、現代の視点から見ると人種や奴隷制をめぐる描写には注意して読みたい部分もあります。
その時代背景も含めて読むことで、この作品が長く読み継がれてきた理由について考えることもできると思います。
こんなときにおすすめ
- 長編小説にどっぷり浸りたい
- 強烈な主人公を描く物語が好き
- 古典作品をじっくり読みたい
今の気持ちから選ぶなら?
どれから読もうか迷ったときは、「名作だから」ではなく、今の自分の気持ちから選んでみてもいいんです。
| 今の気持ち | おすすめの本 |
| 自分の生き方を考えたい | 『ナニカアル』 |
| 違う価値観に触れたい | 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 |
| 静かに自分と向き合いたい | 『海辺のカフカ』 |
| 少し肩の力を抜きたい | 『くっすん大黒』 |
| 長い物語に没頭したい | 『風と共に去りぬ』 |
「今の私には、これかな」
そんなふうに選んだ本のほうが、意外と長く心に残ることがあります。
40代から読書を始める3つのメリット
読書を始めるのが遅いということはありません。
むしろ人生経験を重ねてから読むことで、若い頃とは違ったところに心が動くこともあるんですよね。
1.これまでの経験と物語が重なる
同じ小説でも、20代で読むのと40代で読むのとでは、心に残る人物が変わることがあります。
若い頃は主人公を追っていたのに、久しぶりに読むと母親や脇役の気持ちが分かる。
そんな変化も読書の楽しさです。
2.自分だけの時間を持てる
家事や仕事、誰かのために動く時間が続いていると、自分のことは後回しになりがちです。
ほんの10分でも本を開いて、物語の世界へ入る。
それだけで、「自分のための時間」を持てるんですよね。
無理に一冊読み切ろうとしなくても大丈夫です。
3.自分とは違う人生を体験できる
読書をしていると、自分では経験できない人生を、少しだけ借りることができます。
違う国、違う時代、違う価値観。
「こんな考え方もあるんだ」
と知るだけで、目の前のことの見え方が変わることもあります。
40代の読書について、もう少し詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。▶ 40代には読書がおすすめ!読書で得られるメリットは他の世代と比べてどう違うの?
忙しい40代女性が読書を楽しむ方法
まとまった読書時間がなくても、本は楽しめます。
「毎日30分読まなければ」と決めるより、自分の暮らしに合った方法を選ぶほうが続きやすいんです。
紙の本を10分だけ開く
寝る前や朝の静かな時間に、10分だけ読む。
「一章まで」「20ページまで」と決めなくても大丈夫です。
今日は2ページだけ、という日があってもいいんですよね。
Kindleを使う
電子書籍なら、スマートフォンやタブレットで読めるので、外出先やちょっとした待ち時間にも本を開けます。
Kindle Unlimitedの対象作品は時期によって変わるため、利用する際は最新の対象状況を確認してくださいね。▶Kindle Unlimitedとは?月額980円・無料体験・使い方・解約
Audibleで耳から楽しむ
本を開く時間が取りにくい日は、オーディオブックという方法もあります。
家事や移動中など、手がふさがっている時間に物語を楽しめるのが便利です。▶Audible無料体験の申し込み方法|登録手順・料金・解約まで
図書館を利用する
気になる本があっても、「最後まで読めるかな」と迷うことがありますよね。
そんなときは、まず図書館で借りてみるのもおすすめです。
読んでみて、「これは手元に置いて何度も読みたい」と感じた本を、あとから購入するのも素敵な本の選び方だと思います。
まとめ|40代だからこそ出会える、一生モノの本がある
40代になると、本の読み方も少しずつ変わっていきます。
若い頃なら通り過ぎていた一文に立ち止まったり、昔は理解できなかった登場人物の気持ちが、ふっと分かったり。
それは、これまで生きてきた時間が、読書の中にも重なってくるからなのかもしれません。
今回ご紹介したのは、
- 『ナニカアル』桐野夏生
- 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ
- 『海辺のカフカ』村上春樹
- 『くっすん大黒』町田康
- 『風と共に去りぬ』マーガレット・ミッチェル
の5冊です。
全部を読む必要はありません。
今の自分が「ちょっと気になる」と感じた一冊を、まず開いてみてくださいね。
その本が数年後にも思い出すような、一生モノの一冊になるかもしれません。
もっと幅広く本を探したい方はこちらもどうぞ。
▶ 大人になってからの読書でおすすめの小説10選!読みやすい作家とポイントも

