直木賞候補作『家族』で、いま改めて注目を集めている作家・葉真中顕(はまなか あき)さん。
社会派ミステリーの書き手として知られていますが、その歩みや人となりについては、意外と語られることが多くありません。
どんな時間を重ね、何を見つめながら物語を書いてきたのか――。
本記事では、インタビューで語られた言葉をもとに、葉真中顕という作家の経歴と創作の背景を、やさしく整理していきます。
あわせて、直木賞候補作『家族』がなぜ評価されたのか、その理由にも触れていきますね。
直木賞候補作『家族』で再注目される理由とは
第174回直木賞候補に選ばれたことで、『家族』は一気に多くの読者の目に触れることになりました。
けれど話題性だけではなく、「いま読まれる理由」がきちんとある作品なんですよね。
ここでは、なぜ葉真中顕さんの『家族』が再注目されているのかを整理してみます。
第174回直木賞候補としての位置づけ
『家族』は、第174回直木賞の候補作として名前が挙がり、大きな注目を集めました。
実在の事件をモチーフにしながらも、単なる再現や告発に終わらず、「家族とは何か」「なぜ人は縛られてしまうのか」という普遍的な問いを投げかける作品です。
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いま「葉真中顕」が読まれている背景
介護、貧困、家庭内の力関係――。
葉真中顕さんの作品が描いてきたテーマは、時代が進むほどに「他人事ではないもの」になってきました。
『家族』が再注目されているのも、私たち自身の暮らしと地続きだからなんですよね。
葉真中顕とはどんな作家?静かに積み重ねてきた歩み

葉真中顕さんは、派手な自己主張をするタイプの作家ではありません。
けれど、その分、人生の中で見てきたもの・考えてきたことが、作品の芯として静かに息づいています。
ここでは、作家としての歩みを、言葉をたどりながら見ていきましょう。
東京・多摩で育った読書と映画の日々
葉真中顕さんは、東京の西側・多摩の地で育ちました。
幼いころから本と映画が身近にあり、図書館やレンタルビデオ店は、心をひらく大切な居場所だったそうです。
この頃に育った「物語を受け取る感覚」が、今の作品の土台になっているように感じます。
映画と文章、ふたつの表現に惹かれて
若い頃は映画に強く惹かれ、物語を「構成」として捉える視点を身につけていきます。
脚本を書き、映像をつくるなかで、「物語は才能だけでなく、技術でもある」と実感した経験は、のちの小説執筆にも大きく影響しました。
遠回りの時間が育てた「書く力」
進路に迷い、模索の時間を過ごしたことも、葉真中顕さんにとっては無駄ではありませんでした。
仕事として文章を書く経験、社会の現場に触れた実感。
それらが重なり合い、現実に根ざした物語を描く力へと変わっていったのです。
作家になると決めた瞬間と、社会派小説への道

葉真中顕さんの小説には、常に「現実」があります。
それは偶然ではなく、社会のなかで感じた違和感や迷いを、言葉にしようとしてきた時間の積み重ねなんですよね。
この章では、作家として方向を定めていった過程を振り返ります。
ロスジェネ世代としての実感
就職氷河期を生きた世代として、社会の歪みや不公平さを肌で感じてきた葉真中顕さん。
その違和感は、のちに作品の中で「声なき人の現実」として結晶化していきます。
ブログ・ライター経験から小説へ
ブログやライターとして言葉を発信するなかで、「やはり小説を書きたい」という思いが強くなっていきました。
試行錯誤の末に生まれたのが、デビュー作『ロスト・ケア』です。
直木賞候補作『家族』のあらすじと読みどころ

『家族』は、衝撃的な出来事から始まりますが、物語の核にあるのは人と人との関係性です。
ここではネタバレを避けつつ、作品の空気感や、読者の心に残るポイントをやさしく紹介していきます。
『家族』あらすじ(ネタバレなし)
裸足で交番に駆け込んだ一人の女性。
その訴えから、血縁では結ばれていない“疑似家族”の闇が、静かに浮かび上がっていきます。
支配と服従、逃れられない関係性。
物語は、ある青年の視点を通して、「なぜ抜け出せなかったのか」を丁寧に描いていきます。
直木賞候補に選ばれた理由
・社会問題を扱いながらも説教にならない
・登場人物の誰にも自分を重ねてしまう
・読後、心に静かな余韻が残る
こうした点が評価され、第174回直木賞候補作として注目されました。
『家族』を読むことで得られるもの(読後ベネフィット)
読み終えたあと、「怖かった」だけでは終わらないのが、葉真中顕さんの物語です。
・家族との距離感を見つめ直すきっかけ
・「正しさ」では割り切れない感情への理解
・誰かを責める前に立ち止まる視点
重たいテーマなのに、読後には少し心が整理される。
それが『家族』という作品なんですよね。
家族/葉真中顕
年の瀬が近づくと、少し静かな時間が恋しくなりますよね。
そんな夜にそっと開いてほしいのが、葉真中顕さんの小説『家族』です。
裸足で交番に駆け込んだ一人の女性。
その訴えから、血縁では結ばれていない“疑似家族”の歪んだ関係が、少しずつ明らかになっていきます。
葉真中顕さんは、「家族」という本来あたたかいはずの言葉の裏に潜む恐怖を、静かに、確かに描き出していきます。
被害者と加害者の境界が揺らぎ、「なぜ逃げられないのか」という問いが胸に残る一冊。
直木賞候補作として注目された本作は、年末年始に静かに向き合う読書にぴったりです。
Kindleなら、思い立ったその夜にすぐ読めるのも嬉しいですね。
読む時間も、読み方も。自分に合う方法を選んでみませんか

「読んでみたいな」と思った気持ちは、熱があるうちにそっと形にしてあげるのがいちばんです。
忙しい日常のなかでも、無理なく物語と出会える方法があります。
Kindleで静かに、物語と向き合う時間を
『家族』をじっくり味わいたいなら、Kindleで読むのがおすすめです。
Kindle Unlimitedを使えば、通勤時間や寝る前の少しの時間も、すぐに読書の時間に変わります。
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Audibleで「好きな作家の声」を楽しむという選択
今回の『家族』は、残念ながらまだAudible版はありません。
けれど、好きな作家の作品を“聴く”読書も、また違った楽しさがあるんですよね。
家事をしながら、散歩をしながら、目を閉じて物語に身を委ねる時間。
Audibleは、「読む余裕はないけれど、物語には触れていたい」そんなときの心強い味方です。
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まとめ
直木賞候補作『家族』で再注目されている葉真中顕さんは、遠回りの経験を重ねながら、社会と人間を静かに見つめ続けてきた作家です。
経歴を知ることで、作品の言葉はより深く胸に届くはず。
もし少しでも気になったなら、まずは一冊。
きっと、あなた自身の「家族」や「距離感」を考える時間になると思います。

