読書が苦手だから本を開いてもすぐ嫌気がさしてしまう、読みたいけど続かない……そんな経験、ありませんか?
無理に読む必要はありませんが、「本を楽しんでみたい」と思ったときにぴったりの一冊があると、気持ちが変わるものです。
今回は、読書が苦手な方でも楽しめるよう、シンプルな文章や短い構成で、ストーリーにすっと入れる本を7冊ご紹介します。
読書の楽しさに出会えるきっかけになりますように。
読書が苦手な大人でもすっと読める本を選んだ理由
「読書が苦手な大人でも読める本ってあるのかな…?」そんな不安を抱えている方へ。
リズムよく進む物語や、やさしい語り口の本ばかりなので、読書が苦手な方でも無理なく楽しめます。気になる一冊から、気軽に読書を始めてみませんか?
夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦
章ごとに完結・軽やかな文体で読みやすい
この物語は、章ごとに話が完結しているので、「今日はここまで」と気軽に読み進められるのが魅力です。
文章も軽やかでリズムがよく、会話も多め。難しい言葉が少ないので、読書が苦手な大人でも読める本として、すっと物語の世界に入っていける一冊です。
舞台は京都の夜。大学生の“先輩”が、密かに想いを寄せる「黒髪の乙女」を追いかけながら、ちょっと不思議でユーモラスな出来事に巻き込まれていきます。個性豊かな登場人物たちもにぎやかで、まるで夢の中を歩くような読書時間になります。
映画にもなっているので、映像で世界観をのぞいてから、原作に挑戦してみるのもおすすめですよ。
◆2007年第20回山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位、直木賞候補作品
森見登美彦さんは1979年1月6日生まれ。奈良県出身の小説家。京都大学大学院在学中に『太陽の塔』でデビュー。代表作に『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』などがあり、ユーモラスで幻想的な作風が特徴です。
コンビニ人間/村田沙耶香
短い章ごと・やさしい文章で読みやすい
この本の魅力は、短い章ごとに区切られていて、少しずつ自分のペースで読めること。
文章もやさしくシンプルで、難しい言葉や長い文章も少ないため、読書が苦手な大人でも読める本として、安心して読み進められます。
『コンビニ人間』は、自分らしさに迷ったときに、そっと背中を押してくれるような一冊です。主人公は36歳の古倉恵子さん。大学卒業後、18年間コンビニで働き続ける彼女は、世間の「普通」に合わせながら、自分を保ってきました。
ストーリーは軽やかに進みながらも、主人公の気持ちが丁寧に描かれていて、「普通ってなんだろう?」と自然に考えさせられます。
誰かと違うことが不安になったとき、そっと寄り添ってくれるようなやさしさが詰まっていますよ。
◆2016年第155回芥川龍之介賞受賞作品
村田沙耶香さんは1979年生まれ、千葉県出身の作家。『授乳』でデビュー後、『コンビニ人間』で芥川賞を受賞。現代社会や“普通”への違和感を鋭く描く作風が特徴です。
木になった亜沙/今村夏子
短編集・やさしく心に響く不思議な世界へ
文章はシンプルで、難しい言葉や長い文も少ないため、読書が苦手な大人でも読める本としておすすめです。
奇妙な設定や幻想的な描写が、自然と想像力をふわっと広げてくれるような心地よさがあるんです。
『木になった亜沙』は、どこか不思議で、ちょっぴり切なく、でもやさしい余韻を残してくれる短編集です。3つの物語はそれぞれ独立していて、「今日はここまで」と自分のペースで読み進められます。
たとえば、主人公の少女・亜沙がある日突然“木”へと変わってしまうという、不思議で美しい物語が収められています。孤独や願い、人との距離感にそっと寄り添ってくれるような感覚が、読み終わったあとにも残ります。
まずは、気になる1話から、どうぞゆっくりページをめくってみてくださいね。
今村夏子さんは1980年生まれ、広島県出身の小説家。29歳で執筆を始め、2010年に太宰治賞を受賞しデビュー。『こちらあみ子』『むらさきのスカートの女』などで数々の文学賞を受賞し、日常の違和感を描く作風が特徴。
ボッコちゃん/星新一
超短編・ショートショートでサクッと読める
文章はシンプルでテンポもよく、難しい言葉や複雑な構成はありません。読書が苦手な大人でも読める本として、気負わず手に取りやすい一冊です。
それでいて、読後には「笑えるけど、どこかこわい…」という不思議な余韻が残ります。
人間の本質や社会の皮肉が、短い物語の中にぎゅっと詰まっていて、思わず考えさせられる瞬間もあります。
『ボッコちゃん』は、“ショートショート”と呼ばれる、1話わずか数ページで完結する超短編集です。忙しい方や活字が苦手な方にもぴったりで、まとまった時間がなくても気軽に読み始められます。50編以上の物語が収録されていて、どこから読んでもOK。好きな話だけを選んで楽しめるのも嬉しいポイントです。
まずは1話だけ、気軽にページをめくってみてください。きっと、“短い物語”の面白さに驚くはずです。
星新一さん(1926–1997)は、東京生まれの小説家・SF作家。東大農学部卒業後に作家デビュー。1000編以上のショートショートを発表し、「ショートショートの神様」と称されました。代表作に『ボッコちゃん』など。
キッチン/よしもとばなな
短編・優しい語り口で読みやすい
『キッチン』は、読書が苦手な大人でも読める本として、多くの方に支持されている心温まる短編集です。
文章はシンプルで、短い章やエピソードごとに構成されているので、少しずつ自分のペースで読み進められます。
疲れているときでも無理なく手に取りやすく、優しく寄り添ってくれる一冊です。
主人公のみかげは、大切な家族を失って孤独の中にいますが、人とのささやかな関わりを通じて、少しずつ心を癒していきます。その過程が丁寧に描かれていて、読む人の気持ちにもそっと寄り添ってくれます。
「大丈夫だよ」と声をかけてくれるようなやさしさが、この物語にはあります。
まずは、あなたのペースで1話だけでも読んでみませんか?
よしもとばなな さんは1964年東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。1987年『キッチン』でデビュー。生と死や再生をテーマに、幻想的な作風で国内外から高い評価を受け、多数の文学賞を受賞している。
カンガルー日和/村上春樹
1話10分・軽やかな短編集
『カンガルー日和』は、村上春樹さんが描いた短編23編が詰まった一冊。
どのお話も10分ほどで読めるので、まとまった時間がとれなくても、気軽にページを開くことができます。
文章はリズムがよくて平易なので、読書が苦手な大人でも読める本として親しまれています。
日常の中にふと現れる不思議なできごとや、クスッと笑える会話が詰まっていて、読むたびにちょっと心が軽くなります。
「これって意味あるのかな?」と考えさせられることもありますが、それもまた楽しみのひとつ。正解のない世界を、のびのびと楽しんでみてくださいね。
気になるタイトルの短編から、気ままに読んでみませんか?
あなたの日常にも、小さな“カンガルー日和”がやってくるかもしれません。
1949年1月12日生まれ、京都府京都市伏見区出身。兵庫県西宮市・芦屋市で育つ。『風の歌を聴け』でデビューし、『ノルウェイの森』『1Q84』などで世界的評価を確立した、日本を代表する作家・翻訳家・エッセイスト。都会的で軽やかな文体と深い文学性が特徴。
坊っちゃん/夏目漱石
古典だけど読みやすい!ユーモアとテンポが魅力
章ごとに区切られているので、短い時間でも少しずつ読みやすく、文章もわかりやすいのが特長です。
読書が苦手な大人でも読める本としても人気があり、現代語訳や注釈つきの文庫も豊富。電子書籍や青空文庫で無料で読めるのもうれしいポイントです。
『坊っちゃん』は、まっすぐで無鉄砲な青年教師が、四国の中学校で理不尽な大人たちに立ち向かっていく姿を描いた、夏目漱石の代表作です。
ユーモアとテンポのよい語り口で、飽きることなく読み進められます。
正義を貫く爽快感と、100年前の物語とは思えないほど現代にも通じる価値観が詰まっていて、「私もまっすぐでいたい」と思わせてくれる一冊です。
まずは気軽に1章だけ、ページをめくってみてくださいね。
1867年生まれの夏目漱石は、東京帝国大学で英文学を学び、英国留学を経て『吾輩は猫である』で作家デビュー。『坊ちゃん』『こころ』など数々の名作を残し、日本近代文学を代表する存在となりました。ユーモアと人間観察の深さが今も多くの読者を魅了しています。
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もちろん、『坊っちゃん』のような名作は青空文庫で無料で読めるので、読書が苦手な大人でも読める本として、まずは気軽に試してみるのもおすすめです。
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読書が苦手な大人でも読める本まとめ
読書が苦手な大人でも読める本は、ほんの少しの工夫で日々に寄り添ってくれます。
今回ご紹介した7冊は、どれも“読みやすさ”と“引き込まれる面白さ”をあわせ持つ作品ばかり。
無理して最後まで読まなくてもいいし、途中でやめたって大丈夫。
あなたのペースで、読書の世界をのぞいてみてください。
読書が苦手な大人でも読める本との出会いが、「読書って意外といいな」と思えるきっかけになりますように。