PR

『平場の月』が心に残った方へ|次に読みたい朝倉かすみ作品5選

『平場の月』が心に残った方へ|次に読みたい朝倉かすみ作品5選 作家
本サイトはアフィリエイト広告を利用しています
スポンサーリンク

朝倉かすみさんの小説『平場の月』は、大人の恋愛小説として、静かに読み継がれてきた一冊です。

若い頃のように、勢いだけで誰かを好きになるわけではない。
これまでの人生や、家族のこと、身体のこと、過去の痛みも抱えたまま、それでも誰かに心が動いてしまう。

そんな50代の男女の再会を描いた物語です。

映画『平場の月』は、2025年11月14日に劇場公開されました。
主演は堺雅人さん、共演は井川遥さん、監督は土井裕泰さんです。さらに、2026年4月24日にはBlu-ray&DVDも発売されています。

この記事では、映画『平場の月』の基本情報、タイトルにある「平場」の意味、原作小説の魅力、そして『平場の月』が心に残った方へ向けて、次に読みたい朝倉かすみさんの作品を5冊紹介します。

映画から原作へ。
原作から、朝倉かすみさんのほかの作品へ。

そんなふうに、本との時間が少し広がっていくきっかけになればうれしいです。

スポンサーリンク

映画『平場の月』の基本情報

映画『平場の月』は、朝倉かすみさんの同名小説を原作とした映画です。

項目内容
映画タイトル平場の月
原作朝倉かすみ『平場の月』
劇場公開日2025年11月14日
主演堺雅人
共演井川遥
監督土井裕泰
脚本向井康介
配給東宝
Blu-ray/DVD発売日2026年4月24日

映画公式サイトでは、Blu-ray&DVDの発売日が2026年4月24日と案内されています。堺雅人さん、井川遥さん、朝倉かすみさんによる特別鼎談なども掲載されており、映画の余韻をもう少し味わいたい方にも見どころがあります。

映画を観た方はもちろん、これから原作を読んでみたい方にも、いま改めて手に取りやすいタイミングですね。

原作『平場の月』とは?あらすじと魅力

『平場の月』は、50代になった男女の再会を描いた大人の恋愛小説です。

主人公の青砥健将は、妻と別れ、地元へ戻って印刷会社で働いています。
かつて中学時代に思いを寄せていた須藤葉子は、夫と死別し、同じ土地に戻ってきていました。

ふたりは病院の売店で再会します。

そこから、離れていた時間を少しずつ埋めるように、会話を重ねていくんです。

『平場の月』は、2019年に第32回山本周五郎賞を受賞し、第161回直木賞候補にもなった作品です。

この作品の恋愛は、きらきらした恋ではありません。

若さの勢いで始まる恋でも、劇的な言葉で燃え上がる恋でもないんですよね。

一緒にごはんを食べる。
少し体調を気にする。
帰り道のことを思う。
また会える時間を、静かに待つ。

そういう、ごく普通の場面の中に、どうしようもなく切実なものがにじんできます。

年齢を重ねたからこそ、簡単には言えないことがある。
でも、年齢を重ねたからこそ、誰かと過ごす時間のありがたさがわかる。

その感じが、この作品にはとても丁寧に描かれています。

\映画を観た方も、これから観る方も、まずは原作の静かな言葉に触れてみてくださいね。/

「平場」の意味とは?

『平場の月』というタイトルを見て、「平場ってどういう意味だろう」と思った方もいるかもしれません。

「平場」は、辞書では「たいらな場所・土地」「普通の場」などの意味を持つ言葉です。また、競馬などでは特別レースではない一般のレースを指す言葉としても使われます。

つまり、「特別な舞台」ではない場所。
華やかな勝負の場ではなく、いつもの暮らしの中にある場所。

そんな意味合いを持つ言葉なんですね。

『平場の月』というタイトルを作品に重ねると、少し見えてくるものがあります。

青砥と須藤の恋は、特別な場所で始まるものではありません。

病院の売店。
地元の街。
仕事帰りの時間。
いつもの生活。

そこに、少しずつ相手を思う気持ちが重なっていきます。

平場に浮かぶ月。

それは、誰かに見せるための華やかな恋ではなく、日々を生きる人のそばに静かにある光のようにも感じます。

映画と原作、どちらから楽しむ?

『平場の月』は、映画から入っても、原作から入っても楽しめる作品だと思います。

映画から入ると、青砥と須藤の空気感や、言葉にならない間合いが先に身体に残ります。

堺雅人さんと井川遥さんが演じるふたりの距離感を見たあとで原作を読むと、会話の奥にある感情や、人物の内側の揺れがより深く入ってくるかもしれません。

反対に、原作を先に読むと、映画でどの場面がどう映像化されているのかを楽しめます。

原作の『平場の月』は、派手な展開でぐいぐい引っぱる作品ではありません。

だからこそ、言葉のひとつひとつや、沈黙の時間が大切なんです。

映画を観て「あのふたりのことがもう少し知りたい」と思った方には、ぜひ原作も読んでみてほしいです。

原作を読むことで、映画では通り過ぎた場面の奥にあったものが、少しずつ見えてくると思います。

『平場の月』が心に残る理由

『平場の月』が心に残るのは、大人の恋愛を「きれいなもの」としてだけ描いていないからだと思います。

年齢を重ねると、恋愛はもう少し複雑になります。

過去の結婚。
親のこと。
仕事のこと。
病気や身体の変化。
これまで選んできたこと、選べなかったこと。

そういうものを全部なかったことにはできません。

でも、それでも誰かと会いたいと思う。
誰かのことを気にかけてしまう。
この先の時間を、少しだけ一緒に考えてしまう。

その感情は、若い頃の恋よりも静かかもしれません。

けれど、静かだから軽いわけではないんですよね。

『平場の月』は、人生の途中で出会い直すことの切なさと、日常の中にある愛おしさを描いた小説です。

読んでいると、誰かを大切に思うことは、特別な言葉よりも、日々の小さな行動に出るのかもしれないなって思います。

朝倉かすみさんとは?

朝倉かすみさんは、北海道小樽市生まれの小説家です。

2004年に「肝、焼ける」で小説現代新人賞を受賞して作家デビュー。2009年には『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞、2019年には『平場の月』で第32回山本周五郎賞を受賞しています。2024年刊行の『よむよむかたる』は第172回直木賞候補に、2026年刊行の『けんぐゎい』は第175回直木賞候補に選ばれています。

朝倉かすみさんの作品には、普通に生きている人の奥にある、言葉にしにくい気持ちが描かれています。

うまくいかなかった恋。
老いていく身体。
家族との距離。
忘れたはずなのに、ふと戻ってくる記憶。

大きな事件が起こらなくても、人の心はちゃんと揺れている。

朝倉かすみさんの小説を読んでいると、そのことに静かに気づかされます。

『平場の月』が好きだった方は、きっとほかの作品にも、ふと立ち止まるような場面が見つかると思います。

『平場の月』が心に残った方へ|次に読みたい朝倉かすみ作品5選

ここからは、『平場の月』が心に残った方へ向けて、次に読みたい朝倉かすみさんの作品を5冊紹介します。

今回は、朝倉かすみさんの作品全体を広く並べるというより、『平場の月』の余韻とつながる作品を選びました。

再会。
老い。
人と人が語る時間。
自分の人生を取り戻していくこと。
そして、誰かを応援することのやさしさと難しさ。

そういうテーマに惹かれた方に、そっと手渡したい5冊です。

1.『田村はまだか』|大人になってから、過去と再会する物語

『田村はまだか』は、朝倉かすみさんの代表作のひとつです。

2009年に第30回吉川英治文学新人賞を受賞しています。

物語は、小学校の同級生たちが「田村」を待つ場面から始まります

深夜のバーで、なかなか来ない田村を待ちながら、それぞれの人生や記憶が少しずつ語られていくんです。

誰かを待つ時間って、不思議ですよね。

ただ時間が過ぎているだけのようで、そのあいだに昔のことを思い出したり、ふだん話せないことを話してしまったりする。

『平場の月』が、大人になってからの再会を描いた作品なら、『田村はまだか』もまた、過去と現在がゆっくり重なる小説です。

若い頃の自分。
今の自分。
もう戻れない時間。
それでも、誰かの名前を待ってしまう気持ち。

そういう余韻が好きな方には、きっと合うと思います。

こんな方におすすめ

・大人になってからの再会を描く小説が好きな方
・同級生や旧友の物語に惹かれる方
・朝倉かすみさんの受賞作から読みたい方

\『平場の月』の“再会”の余韻が残っている方は、『田村はまだか』も手に取りやすい一冊/


2.『にぎやかな落日』|老いの日々を、静かに見つめる物語

『にぎやかな落日』は、老いの日々を描いた小説です。

中心にいるのは、北海道でひとり暮らしをする高齢の女性・おもちさん。
持病や家族との関係、日々の不安や記憶が、暮らしの中で少しずつ描かれていきます。

老いることは、ただ弱っていくことではないんですよね。

できなくなることが増える。
誰かに頼らなければいけなくなる。
でもその中にも、腹が立つこと、笑ってしまうこと、忘れたくないことがちゃんとある。

『平場の月』にも、年齢を重ねたからこそ見えてくる身体のことや、これからの時間への切実さがありました。

『にぎやかな落日』は、その先にある人生の時間を、もう少し別の角度から見つめる作品です。

「落日」なのに「にぎやか」。

このタイトルにも、朝倉さんらしいまなざしが感じられます。

こんな方におすすめ

・老いを描く小説を読みたい方
・家族との距離を考えたい方
・静かな日常小説が好きな方

\老いの日々を、やわらかく、でも深く見つめる一冊です。/


3.『よむよむかたる』|本を読む人の人生がにじむ読書会小説

『よむよむかたる』は、北海道・小樽の古民家カフェを舞台にした読書会小説です。

平均年齢85歳の高齢者たちによる読書サークルを描いた作品で、第172回直木賞候補にもなりました。
文藝春秋の作品紹介でも、超高齢読書サークルを描いた作品として紹介されています。

本を読むこと。
読んだことを声に出すこと。
誰かの感想を聞くこと。

その時間の中に、それぞれの人生が少しずつにじんできます。

『平場の月』が、ふたりの会話や沈黙の中に感情が立ち上がる物語だとしたら、『よむよむかたる』は、本を囲んで人がもう一度つながっていく物語です。

誰かと話すことは、ただ情報を交換するだけではないんですよね。

その人がどんなふうに生きてきたのか。
何を覚えていて、何を忘れられないのか。
そういうものが、言葉の端にあらわれることがあります。

本好きの方には、そっとすすめたくなる一冊です。

また、『よむよむかたる』はAudibleでも配信されています。Audible公式では、吉岡琳吾さんのナレーションで楽しめるオーディオブックとして紹介されています。

こんな方におすすめ

・読書会や本好きの物語が好きな方
・年齢を重ねた人たちの時間を読みたい方
・Audibleで小説を聴いてみたい方

\本を読む人の人生が、やさしく物語になる一冊です。/


4.『けんぐゎい』|第175回直木賞候補の最新長編

『けんぐゎい』は、2026年4月に光文社から刊行された朝倉かすみさんの長編小説です。

2026年6月11日に発表された第175回直木賞候補作にも選ばれました。朝倉かすみさんにとっては3回目の直木賞候補入りで、選考会は2026年7月15日に予定されています。

舞台は文政期の江戸。

『平場の月』とは時代も題材も違いますが、そこに流れているのは、誰かが自分の人生をどう取り戻していくのか、という切実な問いだと思います。

女性の身体。
見た目に向けられるまなざし。
生まれた場所や性別によって狭められてしまう選択肢。

そういうものを、時代小説という形で描いている作品です。

『平場の月』で、年齢や過去を抱えた人が、それでも誰かと生きようとする姿に心が動いた方なら、『けんぐゎい』の女性たちの生き方にも、きっと引っかかるものがあると思います。

こんな方におすすめ

・朝倉かすみさんの最新刊を読みたい方
・直木賞候補作を受賞発表前に読んでおきたい方
・女性の生き方を描く時代小説に惹かれる方

\第175回直木賞候補として注目されている一冊です。/

5.『がんばれ、おめでとう、ありがとう』|文庫で読みたい応援の短編集

『がんばれ、おめでとう、ありがとう』は、2026年5月12日に幻冬舎文庫から発売された短編集です。
文庫版と電子書籍があり、幻冬舎の公式ページでは「勝手に応援短編集」と紹介されています。

「がんばれ」
「おめでとう」
「ありがとう」

どれも日常でよく使う言葉です。

でも、よく使う言葉ほど、受け取る側の心の状態によって、あたたかくも、少し重たくも感じられることがありますよね。

応援したい。
でも、無責任に励ましたくはない。
誰かのまぶしい活躍を見ながら、自分の日々の小さな頑張りは、誰が見てくれるのだろうと思う。

朝倉かすみさんの短編は、そういう言葉になりきらない感情をすくい上げるのがとても上手です。

『平場の月』のような長編を読んだあと、少し短い物語で朝倉さんのまなざしに触れたいときにも合うと思います。

文庫で手に取りやすいのも、うれしいところです。

こんな方におすすめ

・文庫で気軽に朝倉作品を読みたい方
・短編集から読んでみたい方
・応援すること、されることについて考えたい方

\短編ならそっと開きやすいかもしれません。/


朝倉かすみさんの作品をもっと知りたい方へ

ここでは、『平場の月』の余韻とつながる作品を5冊にしぼって紹介しました。

朝倉かすみさんの作品をもっと広く知りたい方は、こちらの記事でおすすめ10冊をまとめています。

最新刊『けんぐゎい』や『平場の月』はもちろん、『満潮』『肝、焼ける』『ほかに誰がいる』など、朝倉さんの別の表情が見える作品も紹介しています。
朝倉かすみの小説おすすめ10選|最新刊『けんぐゎい』や『平場の月』も紹介

『平場の月』から入った方が、次の一冊を選ぶための読書地図として使ってもらえたらうれしいです。

Kindle・Audibleで『平場の月』や朝倉作品を読むには?

朝倉かすみさんの作品は、紙の本でじっくり読むのもいいですし、Kindleで気になったときに読み始めるのも合います。

とくに『平場の月』は文庫版があるので、紙でも電子でも手に取りやすい一冊です。

ただし、Kindle UnlimitedやPrime Readingの対象作品は時期によって変わります。

気になる作品があるときは、Amazonの商品ページで「Kindle Unlimited対象」や「Prime Reading対象」の表示があるか確認してみてくださいね。

また、『よむよむかたる』のように、Audibleで楽しめる作品もあります。目で読む時間が取りにくい日でも、耳から物語に入れると、本との距離が少し近くなることがあります。

Kindle Unlimited、Prime Reading、Audibleの違いをまとめて確認したい方はこちら。
Kindle Unlimitedの料金はプライム会員特典とどう違う?オーディブルとの違いも解説

Kindle Unlimitedを初めて使う方はこちらも参考になります。
Amazon Kindle Unlimitedとは?料金・解約・使い方を初心者向けに解説

耳で小説を楽しみたい方はこちらへ。
Amazonオーディブルとは?料金・無料体験・使い方・解約まで総まとめ

まとめ|『平場の月』は、特別ではない日々に浮かぶ大人の恋の物語

『平場の月』は、映画化されたことで、あらためて多くの人に届いた作品です。

けれど、この物語の魅力は、派手な展開や大きな事件にあるわけではありません。

地元の街。
病院の売店。
いつもの仕事。
年齢を重ねた身体。
過去を抱えたまま、それでも誰かに会いたいと思う気持ち。

そういう、特別ではない日々の中に、静かに浮かぶ月のような物語です。

映画を観た方は、ぜひ原作も手に取ってみてください。

原作を読むと、青砥と須藤の会話の奥にあるものが、もう少し近くに感じられると思います。

そして『平場の月』が心に残った方は、『田村はまだか』『にぎやかな落日』『よむよむかたる』『けんぐゎい』『がんばれ、おめでとう、ありがとう』など、次の一冊へ進んでみるのもいいですね。

朝倉さんの小説は、すぐに答えをくれるというより、読んだあとも暮らしの中でふと思い出すような余韻を残してくれます。

その余韻が、今日の心を少しだけ静かに照らしてくれるかもしれません。

◆今日の一冊が、あなたの心に少しでも響いていたら嬉しいです。
もっと心に寄り添う本を探してみたくなったら――➡「柚香の森」で探す

作家女性作家
スポンサーリンク
シェアする
松風知里をフォローする
スポンサーリンク
このブログを書いている人

 

本と心をつなぐ、言葉の案内人

松風知里(まつかぜ ちり)

読書ブログ『本と歩む日々』を運営。
読書の悩みや心のモヤモヤに、やさしく寄り添う記事を書いています。

日本読書療法学会 会員。
古本のオンライン書店を営みながら、小説・詩・エッセイも少しずつ書いています。

★X(Twitter)でもブログ情報を発信中@chiri_matsukaze

 

タイトルとURLをコピーしました