60代女性におすすめの恋愛小説10選！大人向け切ない物語も

60代女性におすすめの恋愛小説10選！大人向け切ない物語をご紹介します。

人生の後半に差し掛かると、恋愛もまた違った意味を持つことがありますよね。思い出の中の切ない恋や、今の心情に共鳴する物語があると、心が温かくなったり、共感できたりします。

今回ご紹介する10冊の恋愛小説は、そんな心に寄り添い、ほっとするひとときを持って頂きたいと思います。

大人向け切ない物語5選も、年齢を重ねたからこそ感じられる深い感情を、ぜひ楽しんでください。

　

60代女性におすすめの恋愛小説10選

年齢に関わらず共感できるもの、人生の後半だからこそ響くものを選びました。

60代女性におすすめの恋愛小説10冊をご紹介します。

時雨の記

日本初の女性芥川賞作家中里恒子の作品

この物語は、60代の男女が20年ぶりに再会し、切ない恋愛を描いた作品です。壬生という男性が、鎌倉で静かに暮らす多江に再び出会い、彼女への想いを強めます。二人は京都を訪れ、「時雨亭跡」での新しい暮らしを夢見ますが、壬生が病に倒れてしまいます。

壬生は妻と別れる決意をしますが、最終的に彼は亡くなってしまいます。

多江は壬生との思い出を胸に、京都で新しい生活を始めることを決めるという、切なくも美しい恋物語です。

ミス・サンシャイン

「80代の往年の女優と若き大学院生の心の交流」- この物語は、年齢を超えた深い絆と、人生の豊かさを描いた感動作です。

かつてハリウッドで輝いていた伝説の女優、和楽京子さん。今は80代となり、静かな日々を送っています。そんな彼女の家に、荷物整理のアルバイトとしてやってきたのは、大学院生の岡田一心。

二人の間に芽生える特別な絆は、まるで今咲いた梅の香りのように、優しくそして力強く心に染み渡ります。京子さんの輝かしい過去と静謐な現在、一心の若々しい情熱が織りなす物語で、人生の美しさを再確認させてくれるものです。

年を重ねることの意味や若い世代との交流がもたらす喜びを感じつつ、これは、そして人生のどの瞬間にも存在する輝きだと思える作品です。 

わりなき恋

パリ行きの飛行機で偶然出会った69歳の伊奈笙子さんと58歳の九鬼兼太さん。二人の会話から始まった素敵な恋は、心を温かく包み込みます。

年齢を超えた愛の物語は、私たちに新しい可能性を感じさせてくれるんです。洗練された描写と会話に、思わずうっとりしてしまいますよ。

でも、理想化された二人の姿に少し戸惑いを感じることもあるかもしれません。それでも、こんな風に歳を重ねていきたいという気持ちは、きっと共感できるはず。

最後に笙子さんが下す決断には、胸がすっきりするでしょう。一方で、九鬼さんの気持ちにも心が揺れます。この物語は、大人の恋の複雑さと美しさを教えてくれるのです。

隣の女

向田邦子さんの『隣の女』は、心に響く5つの短編が詰まった宝箱のような本です。家庭を持つ女性の予期しない恋や、一人暮らしの方の胸に秘めた切ない想いなど、大人の女性の気持ちを優しく描いています。

特に表題作の「隣の女」では、普通の主婦が思わぬ冒険に出るんです。ちょっと驚くような展開ですが、向田さんの筆さばきのおかげで、すんなり物語に引き込まれてしまいます。

自分の人生を振り返るきっかけにもなるかもしれませんね。ぜひ、この魅力的な短編集で、心温まる恋愛のひとときを過ごしてみませんか？

八日目の蝉 

希和子という女性が、不倫相手の赤ちゃんを誘拐し、東京から名古屋、小豆島へと逃げる話です。

彼女と赤ちゃん、薫は一緒に逃げながら、いろいろな人々と出会い、助けられながら生き延びようとします。

この本は、母性の強さや、どんなに苦しい状況でも一筋の光を見つけることができるかもしれないと教えてくれます。逃亡生活のドキドキ感と、登場人物たちとの心温まる交流が魅力的です。読んでいると、心がすっきりと晴れたような感覚になります。

愛の流刑地

医師の妻・涼子と大学教授・柏木の激しい恋愛を描いた物語です。

二人の関係が明るみに出て、涼子は離婚を決意しますが、柏木は家庭に戻ることを選びます。

愛の深さから生まれる行動が、時に罪となり、他人には理解できない関係が描かれています。この物語は、単なる恋愛以上に深い感情を探る内容で、純粋な愛をどう捉えるかは読む人の心に委ねられます。

あなたへ

木工技官として刑務所で働く倉島英二は、妻を早くに亡くし、その遺言に従って妻の遺骨をキャンピングカーに乗せ、旅に出ます。

旅の中で、元受刑者の杉野や人生に迷う男たちと出会い、彼らと共に心の交流を深めていきます。

倉島は妻の故郷で散骨するために旅を続け、出会いと別れを通じて、人生の儚さと温かさに触れます。

人生に深く寄り添う物語は映画化されましたが、高倉健さんの最後の主演作としても心に残る作品です。

ノルウェイの森

ワタナベは、高校時代に親友のキズキを失ったショックから、東京の大学へ進学します。ある日、彼は偶然にもキズキの恋人だった直子と再会し、彼女に惹かれていきます。しかし、直子はキズキの死の影響で心身を病み、京都の療養所に入ることに。

物語は、美しい文章で描かれており、読むことで心が深く癒され、読書の楽しさを改めて感じることができます。この物語は、ゆっくりと心に染みわたり、読み終わった後も温かさが残ります。

ハロルドとモード

19歳のハロルドは、死を演じるのが趣味で感情を持たない青年です。一方、79歳のモードは規則に縛られず自由に生きる女性。二人は、偶然参加した他人の葬式をきっかけに出会います。

モードの自由な生き方に触れたハロルドは、次第に心を開き、愛することの素晴らしさを知るようになり、モードと会うのが楽しみでなりません。

この物語は、年齢や経験を超えた心の変化と愛の力を感じさせてくれます。

潤一

本書では、一人の男性を巡る複数の女性たちの物語が描かれています。これらの女性たちは、それぞれ異なる年齢層で、14歳から62歳までの9人が登場します。彼女たちは、安定した職業を持たず、気まぐれで香りの良い潤一に魅了されていきます。

特に最終章では、「潤一」の回想シーンがあり、これまで謎めいていた潤一の魅力が際立っています。この章を読むことで、潤一の個性がより深く理解できるでしょう。ぜひ、じっくりと読み進めてみてください。

大人向け切ない物語

恋愛なんだけれど、タイプの違う切ない物語を5冊ご紹介します。

サヨナライツカ

この小説は、数十年後に再会した元恋人たちの切ない愛の物語です。男性は妻と離婚できず、女性は一途に彼を想い続けます。その深い愛と運命の試練が心に残り、感動的な読書体験を提供します。中山美穂さん主演で映画化もされており、心温まるストーリーが楽しめる恋愛小説です。

言い寄る

田辺聖子さんの『言い寄る』は、恋愛において真の愛を抱く相手にはなかなか素直になれない女性の心情を、細やかに描き出した作品です。30年以上前に発表された作品ながら、その心理描写は今も色あせず、まったく古臭さを感じさせません。この物語は三部作の一部で、『私的生活』や『苺をつぶしながら』とともに、じっくりと楽しむことができます。

乃里子という31歳のフリーランスのデザイナーで画家が、自由な生活を送りながらも、魅力的な男性たちに囲まれ、恋愛と仕事を楽しんでいます。中でも、心から愛している五郎に対してはどうしても素直になれず、その心の葛藤が深く描かれています。共感と感動が詰まったこの一冊は、心温まる物語をお求めの方に最適です。

田辺聖子さんの文学は、戦中の混乱を経て芥川賞作家として名を馳せた背景もあり、その深い味わいを感じながら読むと一層心に残ります。大阪弁の魅力にも引き込まれながら、ぜひご堪能ください。

逃げてゆく愛

ベルンハルト・シュリンクの『逃げてゆく愛』は、愛のさまざまな側面を探る7つの心温まる短編が収められた作品です。

妻を亡くした男性が手紙の謎を追い求める物語や、ドイツ人青年とユダヤ系アメリカ人女性の切ない恋が描かれています。

愛と過去の歴史が交錯する大人のための深い恋愛小説で、人生の豊かな経験を持つあなたにぜひ読んでいただきたい一冊です。

夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語

年齢と共に、私たちの過去の思い出や人生の経験がますます深く味わい深くなるものです。この点を見事に描いたのが、カズオ・イシグロ氏の初の短篇集です。物語には、老年に差し掛かった音楽家たちが登場し、大人の男女の心の機微を繊細に表現しています。

特に、人生のさまざまな出来事に直面しながらも、自分を変えられない登場人物たちの姿は、読者自身の人生の一部のように感じられることでしょう。この本を手に取ることで、あなたもまた深い共感と新たな気づきを得られるはずです。

夜明けの街で

東野圭吾さんの『夜明けの街で』は、不倫を軽蔑していた主人公が思いもよらずその渦に巻き込まれてしまう衝撃の物語です。主人公が抱える不倫の悩みと並行して、時効間近の殺人事件が絡むストーリーが進行します。渡部という建設会社に勤める男性が、派遣社員の秋葉と禁断の恋に落ちますが、秋葉には誰にも話せない秘密が隠されています。

この作品は、一度読み始めたら止まらない展開と、最後のどんでん返しが魅力です。東野圭吾さんのミステリー要素に加えて、恋愛の切ない側面が深く掘り下げられた珍しい作品で、甘いだけの恋愛小説には物足りなさを感じる方にこそお勧めです。人生の複雑な感情を味わいたいあなたにぴったりの恋愛小説です。

まとめ

60代女性におすすめの恋愛小説10選！大人向け切ない物語について、以下の３の事柄をご紹介しました。

• 60代女性におすすめの恋愛小説10選
• 恋愛小説10選のおすすめのポイント
• 大人向け切ない物語

60代のあなたにこそ味わってほしい、恋愛の深みと切なさが胸に響く10冊をご紹介しました。

これらの小説は、過去の思い出や現在の自分に重ね合わせながら読むことで、心に残る感動を与えてくれることでしょう。次の読書タイムにぜひお役立てください。