こんにちは、松風知里です。
「川端康成の掌の小説を読んでみたい。でも、青空文庫で読めるのかな…?」
そんなふうに思われたあなたへ、まずお伝えしておきたいことがあります。
実は、川端康成の作品は、まだ青空文庫では読めないんです。
なぜかというと、日本の著作権法が2018年12月に改正され、著作権の保護期間が「著者の没後50年」から「没後70年」に延長されたからなんです。
この改正により、川端康成の著作権が切れるのは2042年末(没後70年)となりました。
本来なら、1972年に亡くなった川端康成の作品は、2022年に著作権が切れ、青空文庫で読める予定でした。
ですが、保護期間の延長により2042年まで公開が延期されたんですね。
なお、この延長は遡及適用されないため、すでにパブリックドメインとなって青空文庫で公開されている作品が、あとから著作権で保護されることはありませんのでご安心ください。
川端康成は青空文庫で読めない?その理由と代わりに読むべき作家たち
先ほどお伝えした通り、川端康成の作品は青空文庫ではまだ公開されていません。
でも、青空文庫には、川端に影響を与えた作家や同時代の作家の作品がたくさんあるんです。
例えば──
- 泉鏡花 … 川端が憧れた幻想的な世界観が魅力
- 志賀直哉 … 無駄のない簡潔な文体で「小説の神様」とも称された作家
- 谷崎潤一郎 … 日本美や耽美的な表現が川端とも響き合う
こうした作家の作品を青空文庫で読んでおくと、川端康成の文学的な背景や、日本文学の流れがきっと見えてくるはずですよ。
▶︎ 川端康成の出身高校・大学・妻や養女との家族構成を略年表で紹介|作品に息づく人生をたどる
今すぐ川端康成を読むなら、電子書籍KindleやAudibleがおすすめ!
青空文庫では読めなくても、KindleやAudibleなら、今すぐ川端康成の作品を楽しめます。
特におすすめなのが、Kindle Unlimited。
月額読み放題サービスで、川端康成の代表作もラインナップに入っていることがあるんですよね。
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さらに、Audibleなら、目を使わず「耳で川端康成を聴く」体験ができます。
家事や移動中にも、「雪国」や「伊豆の踊子」の美しい日本語を味わえるので、とっても便利なんですよね。
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『掌の小説』を読み解く|短編の中に凝縮された川端文学
『掌の小説』は、川端康成が40年もの歳月をかけて紡いだ、122編からなる小さな物語集なんです。
1編わずか3ページ足らず…なのに、そこには初恋や家族の死、孤独や幻想、愛や狂気まで、人生のあらゆる“ひだ”がそっと描かれているんです。
たとえば、幼いころ両親を亡くした自らの体験を綴った「骨拾い」や、後に名作『伊豆の踊子』へとつながる「指環」など、川端自身が歩いた京都や伊豆の空気も漂っています。
読んでいるうちに、日常の何気ない瞬間が、こんなにも美しく、儚いものだったんだ…と気づかされる。
そんな静かな余韻が、心の奥にそっと灯るんですよね。
短い時間でも、深く人生に寄り添ってくれるこの一冊。ぜひあなたも手に取って、あなただけの“ひとしずく”を見つけてみませんか?
ノーベル文学賞受賞に『掌の小説』が果たした役割
1968年、川端康成が日本人として初めてノーベル文学賞を受賞した際、『掌の小説』のような短い形式の中に深い情感と美意識を凝縮した文学が、世界から注目されました。
川端文学に少しでも興味を持ったら、まずは『掌の小説』から読んでみてくださいね。
▶︎ 川端康成の作品で有名なものはどれ?初心者におすすめ5選と川端文学の特徴も
Kindle版で読める川端康成の代表作品|次に読みたい5冊
電子書籍ならスマホやタブレットで読めるので、場所を選びません。本のように嵩張らず、バッグの中に入りますよね。
ちょっとした空き時間や待ち時間に、川端康成の代表作品を読んでみてくださいね!
それぞれの「Kindleボタン」からお入りください。
少年
誰にでもありますよね、あの忘れられない初恋の記憶…。
川端康成の『少年』は、そんな“胸の奥がきゅっとなるような想い”を静かに描いた一冊なんです。
舞台は大阪・京都。寄宿舎で出会った美しい後輩への淡い恋心、そして突然の別れ──。
「これが川端文学の原点なのか…」と、思わず私も胸が熱くなりました。
長く幻とされたこの作品、今は手に取ることができるんですよね。
孤独や憧れ、切ない愛にそっと寄り添ってくれる物語。
あなたもぜひ、川端康成の静かな青春に触れてみませんか?
雪国
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」──この一文、きっと耳にしたことがありますよね。
川端康成の『雪国』は、新潟・湯沢温泉を舞台に、都会に疲れた男・島村と、地元の芸者・駒子が出会い、惹かれ合いながらも、どこかすれ違う切ない物語なんです。
雪に閉ざされた世界だからこそ見えてくる、心の温度や孤独の痛み…。
読んでいると「人を愛することって、こんなにも苦しくて、でも愛おしいんだな」と、そっと気づかされるんですよね。
自然や人の心の繊細な揺れを感じることで、きっとあなた自身の日常も、少し違って見えてくるはず。静かな夜の時間に、ぜひゆっくり味わってみてくださいね。
山の音
『山の音』──そのタイトルを目にしただけで、私はなんだか胸がきゅっとなるんですよね。
老い、家族、そして静けさ。そのすべてが、そっと心に寄り添ってくるような物語なんです。
舞台は、戦後間もない鎌倉。
主人公の信吾は、裏山から響く「山の音」に、人生の幕が静かに閉じていく気配を感じ始めるんです。
息子・修一の心の闇、離婚して戻ってきた娘・房子、そして嫁・菊子への淡い想い…。
家族なのに、どこか満たされない距離感。
だけど、だからこそ胸に響くものがあるんですよね。
鎌倉の自然や古美術へのまなざしが、静かで深い文章と一緒に、そっと人生の儚さやぬくもりを教えてくれる──。
そんな一冊です。ぜひ手に取ってみてくださいね。
古都
春の桜、夏の祇園祭、秋の時代祭、冬の淡雪──。
四季のうつろいに包まれた京都で、運命に引き裂かれた姉妹が再会する…そんな物語に、心がふっと引き寄せられる気がしませんか?
川端康成『古都』は、老舗呉服屋の娘・千重子が、ある日そっくりな少女・苗子と出会い、生き別れた双子の姉妹だったと知るところから始まります。
けれど、育った環境の違いから、一緒には生きられない…そんな切なさが胸に静かに響いてくるんです。
読めばきっと、自分のルーツや「本当に大切なもの」について、そっと考えたくなるはず。
美しい京都の風景とともに、ぜひ、あなたも千重子と苗子の物語に触れてみてくださいね。
眠れる美女
わたし自身、初めてこの本を読んだ夜のこと、今でも忘れられないんです。
老いと孤独、そして人間の欲望――そんな重たそうなテーマに、少しためらいながらページをめくったはずなのに、気がつけば、静かに胸を締めつけられていました。
『眠れる美女』は、海辺の秘密の宿を訪れた老人・江口が、眠る若い娘のぬくもりに触れながら、これまでの人生をひとつひとつ思い返していく物語。
そこには、美しさと老い、記憶と欲望、触れてはならない“境界線”に揺れる人間の心が、川端康成らしい繊細な言葉で描かれているんです。
読み終えた後、なんとも言えない静かな余韻が、心にふわっと広がる…そんな一冊。
静かな夜、あなたもそっと手に取ってみませんか。心の奥に、小さな波紋が広がる読書になるかもしれません。
まとめ|まずは『掌の小説』から川端文学の世界へ
この記事では、川端康成の『掌の小説』を中心に、青空文庫やKindle、Audibleでの楽しみ方をご紹介しました。
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▶︎川端康成青春文学賞とは?第三回開催時期と応募要項や川端康成文学記念館も
まずは、KindleやAudibleの無料体験から始めてみてください。
そして、川端康成の世界に、あなた自身のペースでじっくり触れてみてくださいね。