こんにちは、松風知里です。
「谷崎潤一郎、気になるけど難しそう…」「読む順番がわからなくて、なかなか手が出せない」
──そんなふうに、私もずっと思っていたんです。
本って、買っても積んでしまったり、時間がないから読めなかったり、重くて持ち運べなかったり…
気づけば、読みたい気持ちにブレーキばかりかけていました。
でも、谷崎潤一郎を刊行順に読むことで、「作風の変化」や「作品同士のつながり」が見えてきて、読書がグンと楽しくなったんです。
さらに、電子書籍なら、いつでもどこでも気軽に読書を楽しめる──そんな新しい読書スタイルにも出会えました。
谷崎潤一郎を読む順番なら「刊行順」がおすすめ!作風の変化をまるごと楽しもう
谷崎潤一郎って、実は作風がどんどん進化していった作家なんです。
だからこそ、刊行順に読むことで、作家としての変化や時代の空気感まで一緒に味わえるのが大きな魅力なんですよね。
「どれから読めばいい?」と迷ったら、まずはこの流れを参考にしてみてください。
時代 | 特徴 | 代表作 |
初期(1910年代) | 耽美主義・西洋文化への憧れ | 刺青、秘密、人魚の嘆き |
中期(1920~30年代) | 女性心理の深掘り・倒錯した愛 | 痴人の愛、卍、蓼食ふ虫 |
晩年(1940年代以降) | 日本文化・古典への回帰 | 細雪、鍵、瘋癲老人日記、台所太平記 |
読む順番をたどることで、一冊一冊の面白さが何倍にもふくらむ──
そんな読書体験を、ぜひ楽しんでみてくださいね。
谷崎潤一郎をもっと楽しむ読み方|松風知里おすすめ
「谷崎作品、気になるけど、どれから読もう?」
そんなふうに迷ったときは、ちょっとずつ、気軽に試してみるのがおすすめです。
私も最初は「難しそう…」と尻込みしていたひとり。でも、読み始めてみたら、どんどん谷崎ワールドに引き込まれていったんです。
まずは短編で世界観を味わうなら|「刺青」
最初に手に取ったのは、たった数十ページの短編「刺青」。
たったこれだけ?と思うかもしれませんが、読んでみるとその濃厚な世界観にゾクッとしました。
美の狂気を描いたこの一作で、「谷崎って、こういう作家だったんだ」と一気に引き込まれたんです。
もっとディープに楽しむなら|「痴人の愛」
次に読んだのは、あの有名な「痴人の愛」。
「ナオミ…こんな女、ヤバすぎる…!」と思いながらも、気づけば目が離せなくて。
読後、なんとも言えないザワザワした気持ちがしばらく残ったのを、今でも覚えています。
谷崎らしさを味わうなら、ぜひ一度体験してみてほしい一冊です。
谷崎ワールドの真骨頂をじっくり堪能するなら|「細雪」
そして、最後にたどり着いたのが「細雪」。
四季折々の風景や、大阪の街並み、姉妹たちのにぎやかな暮らし…。
読み進めるうちに、まるで自分も蒔岡家の一員になったような気がして、
「ああ、大阪のこの空気、やっぱりいいなぁ」と、改めて暮らす街を愛おしく感じたんです。
じっくり味わう長編ですが、これこそ谷崎潤一郎の集大成ともいえる作品です。
短編から長編まで、無理なく自分のペースで。
きっと、あなたにも「これ、好きかも」と思える一冊に出会えるはずです。
さあ、次はあなたの番。気になる一冊から、ページをめくってみませんか?
谷崎潤一郎を読む順番はどこから読めばいい?おすすめの読む順番
「谷崎潤一郎、名前は知っているけれど、どの作品から読めばいいのか迷ってしまう…」そんなあなたへ、まずお伝えしたいのは──「正解は一つじゃない」ということなんです。
でも、谷崎作品をより深く楽しむためには、作風やテーマの変化をたどりながら読むのがおすすめ。
ここでは、初めての方でも無理なく楽しめるよう、刊行順に沿ったおすすめの読み方をご紹介しますね。
あなたにぴったりの一冊、きっと見つかるはずです。
まずは谷崎の世界観に触れてみたいなら【初期作品】
谷崎潤一郎の出発点ともいえる、美や欲望を刺激する短編が揃っています。まずは「谷崎ってどんな作家?」を気軽に味わうなら、ここからスタートしてみてください。
刺青(1910年)
変わりたいあなたへ贈る、美と力の物語
「美しさは、力になる」──そう感じたことはありませんか?
谷崎潤一郎のデビュー作『刺青』は、まさに“変身”の物語なんです。
舞台は、静かに美が尊ばれていた江戸時代。
元浮世絵師・清吉は、理想の美女の肌に自分の芸術を刻みたい…そう願い続けていました。
やがて出会った娘の背中に、巨大な女郎蜘蛛の刺青を彫ることで、彼女は臆病な少女から魔性の女へと変貌するんです。
その姿に、思わずゾクッとさせられました。
「人は変われる」──そんな勇気と、美や欲望の怖さを味わえる短編です。
まずは気軽に一歩、ページをめくってみませんか?
秘密(1911年)
「秘密があるから、人は惹かれる──」そんな言葉がぴったりなのが、谷崎潤一郎の短編『秘密』なんです。
刺激に飽きてしまった主人公が、浅草のお寺にひっそり隠れ住み、女装や変装にのめり込んでいく。
やがて再会した女性・T女の“秘密の住まい”に通ううち、知りたい気持ちが抑えきれなくなっていきます。
この物語は、人の心を支配する「知りたい」という欲望と、その先にある虚しさを静かに語りかけてくるんですよね。
あなたの心にも、誰にも言えない“秘密”はありませんか?
谷崎潤一郎の『秘密』を手に取って、心の奥の欲望とそっと向き合ってみませんか。
短編なので、まずは気軽にページをめくってみてくださいね。
人魚の嘆き(1917年)
「すべてを手に入れても、満たされない心がある──」
そんな貴公子と人魚の、叶わぬ恋を描いた物語が『人魚の嘆き』なんです。
舞台は清王朝の南京。富も名声も美貌も手に入れた若き貴公子が、ガラス越しに出会った美しい人魚に、どうしようもなく心を奪われていきます。
でも、どれだけ想っても決して触れられない…そんな切なさが胸にしみる一編なんですよね。
異国情緒あふれる舞台と、谷崎潤一郎ならではの耽美な文体。
読めばきっと、「人はなぜ、手に入らないものほど求めてしまうんだろう」と、自分の心にもそっと向き合いたくなるはず。
短編なので、まずは気軽に一歩ふみ出してみませんか?

谷崎らしさを深く味わいたいなら【中期作品】
美しさの裏にひそむ人間の欲望や葛藤を、濃厚に描き出す作品たち。読み応えたっぷりの谷崎ワールドを、じっくり堪能したい方におすすめです。
痴人の愛(1924年)
「思い通りにいかない恋、あなたにもありませんか?」
『痴人の愛』は、大正時代の東京・浅草を舞台に、28歳の譲治と美少女ナオミの関係を描いた物語です。理想の妻に育てるつもりが、気づけばナオミに振り回され、翻弄され、支配されていく…。
愛することの苦しさや、思い通りにならない滑稽さに、あなたもきっと心をざわつかせるはず。しかもこの物語、実は谷崎自身の体験がモデルと言われているんですよね。
「自分が主導権を握っている」と思っているあなたこそ、一度読んでみてほしいんです。
まずは一章だけでも、谷崎潤一郎の世界に触れてみませんか?
新しい発見がきっと待っています。
卍(1928年)
「誰かを独り占めしたくなる気持ち、あなたにもありませんか?」
『卍(まんじ)』は、大阪の裕福な妻・園子が、美術学校で出会った妖艶な女性・光子に心を奪われていく物語です。
夫の目を盗んで秘密の関係を深める園子。
でも、光子には別の男性もいて、四人の関係はまるで「卍」のように絡み合っていきます。
読み進めるうちに、嫉妬や独占欲、愛に溺れる人間の弱さに気づかされ、心がざわつくかもしれません。
でも、それこそが谷崎文学の醍醐味なんです。
大阪弁まじりの美しい日本語もまた魅力のひとつ。
複雑な愛のかたちに、あなたもそっと触れてみませんか?ぜひ『卍』を手に取ってみてくださいね。
蓼食ふ虫(1928年)
「夫婦って、どうしてこんなにすれ違ってしまうんだろう…」そんな思いを抱えたこと、ありませんか?
谷崎潤一郎の『蓼喰ふ虫』は、大阪・豊中を舞台に、愛が冷めきった中年夫婦の心の葛藤を描いた物語です。
表面上は平穏でも、心は別の誰かを求めてしまう──そのリアルな描写に、思わず自分の姿を重ねてしまうかもしれません。
実はこの物語、谷崎自身のスキャンダルを投影したとも言われ、夫婦や愛の本質に鋭く切り込んでいます。
「本当に幸せって何?」そんな問いが、そっと胸に残るんです。
人間関係や愛に迷ったとき、ぜひ一度、手に取ってみてください。
きっとあなたの心にも、何か新しい気づきがそっと届くはずですよ。
日本文化や家族ドラマをじっくり楽しみたいなら【晩年作品】
四季折々の風景や、家族の物語、日本の美──。谷崎が晩年にたどり着いた、懐かしくも豊かな世界に、ぜひ触れてみてください。
細雪(1948年)
「家族って、どうしてこんなにやっかいで、でも愛おしいんでしょうね。」
『細雪』は、昭和初期の大阪・船場を舞台に、四姉妹が織りなす日々を描いた物語です。
華やかな上流社会、色づく四季の風景。その中で、家を守ろうとする姉たちと、自由に生きたい妹たち。
それぞれが「家の誇り」と「自分の幸せ」のあいだで揺れる姿が、まるで今の私たちのようで、心にそっと響くんです。
戦争の影が忍び寄る時代、失われゆく文化や言葉が、逆にいっそう美しく感じられて──
読み終えたあと、あなたもきっと「家族って何だろう」と、ふと考えてしまうかもしれません。時代を超えて愛される姉妹たちの物語を、あなたも手に取ってみませんか?
鍵(1956年)
「夫婦って、どこまで本音をさらけ出せるものなんでしょうね──。」
そんな問いかけから始まるのが、谷崎潤一郎の『鍵』です。
舞台は昭和30年代、年老いた大学教授と若い妻・郁子が、それぞれ「日記」を通して心の内を綴っていきます。
でもその日記、実は“読まれること”をお互いに意識して書かれているんですよね。
すれ違う二人の本音と嘘、そして妻と夫の友人・木村との危うい三角関係…。
言葉ではなく「日記」で交わされる心理戦に、読んでいるこちらまで引き込まれてしまいます。
1956年発表当時は“ワイセツか文学か”と社会問題にもなったほど。
でもその本質は、誰もが抱える欲望や孤独、老いへの不安に真っ直ぐ向き合う物語なんです。
夫婦の心の“鍵”を、あなたもそっと開けてみませんか?ページをめくるたび、きっと新しい気づきが待っています。
瘋癲老人日記(1961年)
「老いと欲望、誰もが避けて通れない──」そんなテーマに、ユーモラスだけどどこか切なく迫るのが『瘋癲老人日記』なんです。
主人公は77歳の督助。
病に苦しみながらも、若い息子の嫁・颯子への欲望を日記に綴ります。
滑稽で哀しい日々を重ねるうち、読み手は「老い」と「生きること」のリアルに直面していくんですよね。
これは谷崎潤一郎自身の晩年の姿を映し出すような物語でもあります。
思わず、自分の未来や家族の姿を重ねてしまうかもしれません。
「老いと欲望のリアル」を、あなたもそっとのぞいてみませんか?
まずは一度、谷崎潤一郎の筆致でその世界を体験してみてください。
台所太平記(1962年)
「昭和の台所には、笑いも涙も、たくさん詰まっていたんですよね。」
『台所太平記』は、文豪・千倉磊吉の家に仕えた歴代女中たちの物語。
兵庫や伊豆を舞台に、家族を支える女性たちのたくましさや、時代に流される哀しさが、ユーモラスに描かれています。
実際に谷崎潤一郎の家で働いた女中たちがモデルと言われていて、戦前から戦後の女中文化や昭和の空気が、懐かしくもリアルに伝わってくるんです。
日々を支える人の存在って、当たり前だけど、とても尊いもの。そんな温かな気づきをくれる一冊です。
昭和の暮らしに、ちょっとだけタイムスリップしてみませんか?
気軽にページをめくってみてくださいね。
谷崎潤一郎の文体・作品の特徴
谷崎潤一郎といえば「美しさを極めた作家」として知られていますが、その魅力はそれだけではないんです。
読んでいるうちに、まるで自分も登場人物と一緒にその世界に入り込んでしまったかのような、そんな深い没入感を味わわせてくれる作家なんですよね。
ここでは、谷崎作品をより楽しむために知っておきたい3つの特徴をご紹介します。
1. 五感を刺激する「美」の描写
谷崎潤一郎の文章は、登場人物の肌の質感、ほのかな香り、耳に残る音、光と影の揺らぎまで、まるで映画のワンシーンを見ているかのように細やかに描かれます。
読むというより、感じる──そんな読書体験ができるのが、谷崎作品の大きな魅力なんです。
2. 魅力的で「少しクセのある」女性たち
谷崎作品に登場する女性たちは、ちょっと普通じゃないんです。
たとえば、『痴人の愛』のナオミや『卍』の光子。
小悪魔のように男たちを翻弄し、ときには破滅に導いてしまう…。
でも、そんな彼女たちに抗えない魅力を感じてしまうのも、また谷崎らしい世界なんですよね。
3. 失われゆく「日本の美」への深い愛
エッセイ『陰翳礼讃』に象徴されるように、谷崎は日本家屋の薄暗がりや、古びたものに宿る美しさを愛した作家です。
西洋化が進む時代の中で、失われていく日本の美を、物語や文章の中にそっと残そうとした──そんな日本文化への深いまなざしも、ぜひ味わってみてくださいね。
谷崎潤一郎を電子書籍Kindleでお得に読む方法
「本って、読みたいけど…かさばるし、バッグが重くなるんですよね。」
そんなあなたにぜひ試してほしいのが、**Kindle(キンドル)**です。
スマホやタブレットにKindle無料アプリを入れるだけで、谷崎潤一郎の名作たちをいつでも、どこでも楽しめるんです。
しかも、バッグはそのまま軽いまま。
通勤やカフェ、ちょっとしたスキマ時間に、ページをめくるように読書ができるんですよ。
「でもやっぱり、紙の本が好き…」
そんな方も、大丈夫。
実は私もそうだったんです。でも、画面で読むのって意外と新鮮なんですよね。
文字の大きさやフォント、背景色まで自分好みにカスタマイズできるから、目にやさしく、読みやすくて、今ではすっかり気に入っているんです。
さらにKindle Unlimitedなら、定額で気になる作品が読み放題。
失敗を気にせず、気軽にいろんな作品に出会えるのも嬉しいポイントです。
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谷崎潤一郎の世界を、もっと身軽に、もっと自由に。
新しい読書スタイルを、ぜひ体験してみてくださいね。
まとめ|谷崎潤一郎を読む順番に迷ったら、まずは気軽に試してみよう
この記事では、谷崎潤一郎を読む順番について、
刊行順がおすすめな理由と、作品ごとの楽しみ方をご紹介してきました。
「何から読めばいいのか迷う…」
そんなときは、この記事でご紹介した刊行順の読み方を、ぜひ参考にしてみてくださいね。
さらに、谷崎潤一郎賞の特徴やおすすめ受賞作についても知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
▶ 谷崎潤一郎賞2024の選考委員は誰?特徴や歴代受賞作品おすすめ7選
また、谷崎潤一郎自身の人生や家族、ナオミのモデルになった女性についてもっと深く知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
▶ 谷崎潤一郎はどんな人?兄弟や妻千代子やナオミ・娘の鮎子についても
あなたにぴったりの一冊を、ぜひ見つけてみてくださいね。