「政治小説って、なんだか難しそう…」
そんな先入観を、そっとくつがえしてくれる物語が、新川帆立さんの『女の国会』です。
実はこの作品、ただのフィクションではありません。
著者自身が日々の違和感や社会への問いをユーモラスに綴ったエッセイ『帆立の詫び状』シリーズ。
そこに込められたリアルな視点が、小説世界の“土台”として息づいているんです。
第38回山本周五郎賞を受賞したことで、物語としての力強さも認められた『女の国会』。
この記事では、エッセイから読み解く作者の想いと小説の見どころを、やさしく解説していきます。
山本周五郎賞受賞作|女だけの国会が現実に?
「もし、国会議員が“全員女性だけ”になったら──」
そんな驚きの設定から始まるのが、新川帆立さんの小説『女の国会』です。
2025年第38回山本周五郎賞受賞作品で、注目度が一気に高まっています。
「政治の話って難しそう」「自分には関係ない世界かな」
そんなふうに思ってしまう気持ち、よくわかります。
でも、心配はいりません。
この物語は、政治という舞台設定を借りて、誰もが共感できる「人間ドラマ」を描いているんです。
『女の国会』
新川帆立さんの『女の国会』は、男性優位の政治の世界を舞台に、女性たちが悩みながらも声をあげていく物語なんです。
野党議員・高月馨が、女性議員の謎の死をきっかけに、秘書や記者、地方議員たちと手を取り合い、
“爺社会”とも言われる政界の裏側へと踏み込んでいきます。
この物語がすごいのは、ただの政治ドラマではなく、「私たちの日常」と地続きだと気づかせてくれるところ。
女性だからこそ感じる理不尽、リーダーシップへの偏見…そんな現実に、
「私たちもあきらめない」と背中を押してくれるんです。
もし、あなたが「自分らしく強くありたい」と願っているなら、
この物語を、そっと手に取ってみてください。
きっと、明日を変える勇気に出会えるはずですよ。
エッセイ『帆立の詫び状』に込められた著者のリアルな視点
実は、『女の国会』には、新川帆立さん自身が綴ってきたエッセイ『帆立の詫び状』シリーズが深く関わっています。
- 『帆立の詫び状 てんやわんや編』(2023年2月 幻冬舎文庫)
- 『帆立の詫び状 おっとっと編』(2024年6月 幻冬舎文庫)
弁護士時代の葛藤や、日常の小さな「おかしいな」を拾い集める姿勢。
「声をあげたくても、あげづらい空気」をどう乗り越えるか──。
エッセイの中で新川さんは、
- 企業法務の現場で感じた矛盾
- 社会に潜む理不尽さ
- それでも、ユーモアを忘れずに生きる大切さ
を、肩の力を抜いて語っています。
『女の国会』の主人公・佳乃が、
「どうせ自分には無理」と思いながらも、
「それでも何か変えたい」と声をあげる姿は、まさにエッセイで語られてきた新川帆立さん自身の“まなざし”そのものなんです。
だからこそ、この物語は「フィクションなのにリアル」。
そして、第38回山本周五郎賞を受賞するにふさわしい、社会に響く力強さを持っているのだと思います。
エッセイと小説、両方を手に取ってみることで、
「この物語に込められた本当の想い」が、もっと深くあなたの心に届くはずです。
『帆立の詫び状 てんやわんや編』
「締め切りに追われながらも、つい遊び心が止まらない──」
そんな新川帆立さんの日常を、クスッと笑いながら覗けるのが『帆立の詫び状 てんやわんや編』なんです。
デビュー作『元彼の遺言状』の大ヒット後、逃げるようにアメリカへ渡った著者が、フロリダやラスベガスで大はしゃぎしながらも、作家としての悩みや日々の葛藤をユーモラスに綴ります。
「がんばりすぎなくていい」「たまには逃げてもいいよ」と、そっと肩の力を抜いてくれるような一冊。
忙しい日々に少しだけ笑いと共感を添えたいとき、ぜひ手に取ってみてくださいね。
新川帆立さんの素顔に、きっとほっとするはずです。
このエッセイを読んでから小説を手に取ると、
「これ、著者の体験がヒントになってるのかも…」なんて、気づきが深まる楽しさもありますよ。
『帆立の詫び状 おっとっと編』
がんばれない日も、あなたの一部──。
そんな言葉に、ふっと心が軽くなる一冊があります。
それが、新川帆立さんのエッセイ『帆立の詫び状 おっとっと編』なんです。
超人のように見える彼女も、実は「やる気がみじんも湧いてこない」日があったんですよね。
舞台はヨーロッパ各地。
旅の中で立ち止まり、自分の心や体、そして小説家としての生き方まで見つめ直していきます。
「好き」にまっすぐな情熱、迷いや悩みも飾らず語る姿に、思わずくすっと笑って、じんわり元気をもらえるんです。
「完璧じゃなくていい」と、そっと背中を押してくれるような優しいエッセイ。
がんばれない日も、あなたの一部。
帆立さんの等身大の言葉に、ほっと肩の力を抜いてみませんか?
まずは一章、気軽にめくってみてくださいね。
▶「新川帆立さんってどんな人?」
そんなふうに気になった方へ。
華やかな経歴の裏にあった体調不良や迷い、
そして作家として羽ばたくまでのリアルな転機を、
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まとめ|「完璧じゃなくていい」と気づかせてくれる一冊
新川帆立さんの『女の国会』は、政治の話に見えて、実は私たちの日常にも重なる物語です。
迷いながらも声をあげる主人公の姿に、きっと勇気をもらえるはず。
エッセイ『帆立の詫び状』シリーズとあわせて読むと、著者の人柄や思いがもっと身近に感じられます。
「完璧じゃなくていい」「がんばれない日も、あなたの一部」。
そんな優しい言葉を受け取ってみませんか?
まずは一章、気軽に読んでみてくださいね。
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