幻想的で美しい物語をもっと知りたい」──そう思ったことはありませんか?
でも、数ある文学賞の中で「泉鏡花文学賞」と聞いても、少し遠い存在のように感じる方もいるんですよね。
どんな作品が選ばれてきたのか、誰が選考しているのか…ちょっと難しそうに思えて、なかなか手が出ないこともあるんです。
そこで今回は、泉鏡花文学賞の歴代受賞作品・選考委員・特徴をわかりやすくまとめました。
さらに、初めて読む方におすすめの受賞作も紹介します。
「本を読みたいけど、どれを選んだらいいか迷う」という方でも安心して、泉鏡花の世界へ一歩踏み出せる内容にしました。
泉鏡花文学賞とは?
泉鏡花文学賞は、泉鏡花の生誕100年を記念して1973年に金沢市が創設した文学賞です。
毎年、1年間に出版された小説や戯曲の中から選ばれ、受賞者には正賞の「八稜鏡」と副賞150万円が贈られます。
泉鏡花の作風に通じる幻想的で美しい物語が評価されやすく、「読後に余韻が残る作品」が多いのが特徴なんです。
最新の泉鏡花文学賞(第52回/2024年)
2024年の第52回泉鏡花文学賞は、原田マハさんの『板上に咲く』(幻冬舎)が受賞しました。
世界的に知られる木版画家・棟方志功を、妻チヤの視点から描いた作品で、「芸術と夫婦愛の光と影」が高く評価されました。
授賞式は2024年11月9日、金沢市民芸術村で行われています。
泉鏡花文学賞の特徴と傾向
- 幻想的で美しい世界観が重視される
- ロマンチックで心に残る小説や戯曲が対象
- 独創性や言葉の美しさを評価
- 読者の心に長く残る作品が選ばれやすい
他の文学賞よりも「美しさ」に重きが置かれるのが特徴なんですよね。
🌈文学賞の背景を知ると、泉鏡花その人の魅力もより深く見えてきます。
代表作や漱石との関係を整理した記事はこちら ⇒ 泉鏡花の代表作・人物像・夏目漱石との関係や文学賞まで総まとめ
泉鏡花文学賞の選考委員
選考委員は世代を超えて受け継がれてきました。
- 第1回(1973年):吉行淳之介、井上靖、尾崎秀樹、瀬戸内晴美、奥野健男、三浦哲郎、森山啓、五木寛之
- 第52回(2024年):五木寛之、村田喜代子、村松友視、嵐山光三郎、山田詠美、綿矢りさ
五木寛之さんは第1回から現在に至るまで、半世紀にわたり委員を務めているのも特徴です。
泉鏡花文学賞の歴代受賞作品おすすめ本
ここからは、受賞作の中から「これなら手に取りやすい」という作品をピックアップしました。
難解な文学はちょっと苦手…という方でも、安心して読めるものばかりです。
魚神/千早茜
◆第37回泉鏡花文学賞受賞
閉ざされた島に生まれた美しい姉弟の物語は、読む人の心に深く響きます。
遊女屋が立ち並ぶ独特の世界で、姉は女郎、弟は男娼として生きざるを得ず、ふたりの運命は「雷魚伝説」と結びついていくのです。
幻想的でありながら、血のつながりや愛のかたちを問いかける物語は、第37回泉鏡花文学賞を受賞しました。
読んでいると、人の愛情がときに境界を越えることや、孤独と渇望が心をどう揺さぶるかに気づかされるんですよね。
人間関係の深い闇や光を見つめたい方、禁断の愛や神話的な物語に惹かれる方には特におすすめです。
ページを閉じたあとも胸に残る余韻を、どうぞあなたも感じてみませんか。
妻が椎茸だったころ/中島京子
◆第42回泉鏡花文学賞受賞
日常のすぐ隣に、ちょっと不思議で少し怖いような世界が潜んでいる──そんな感覚に心当たりはありませんか?
この短編集には、亡き妻が残したレシピをめぐる夫の物語や、見知らぬ男が家族のように振る舞う奇妙な話など、5つの短編が収められています。
現実に似ているのに、どこかずれている世界に迷い込んだときのざわめきが、読み手を引き込みます。
第42回泉鏡花文学賞を受賞した本作は、身近な日常の奥に潜む「愛おしさ」と「怖さ」を同時に教えてくれるんです。
短編なので忙しい方でも手に取りやすく、スキマ時間の読書にもぴったり。
現実の輪郭が少し揺らぐような読書体験を、この機会に味わってみませんか。
あなたの燃える左手で/朝比奈秋
◆第51回/野間文芸新人賞とダブル受賞
誰かを強く想うとき、自分の心さえ持て余してしまうことってありませんか?
この小説は、他人の“痛み”を自らの体で引き受けてしまう不思議な力を持つ青年をめぐる物語です。
舞台となる日常の風景はごく普通なのに、その力が加わることで現実と非現実の境目があやしく揺らぎます。
第28回泉鏡花文学賞を受賞した本作は、人を助けたい気持ちと、自分自身を守りたい気持ちとのせめぎ合いを鮮やかに描き出しているんです。
読み進めるうちに、「もし自分だったらどうするだろう」と心に問いかけられる瞬間が訪れるはず。
人との関わりに悩んでいる方、誰かのために力を尽くすことに迷いを感じている方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
心に静かな余韻を残す物語を、どうぞ味わってみてくださいね。
泉鏡花の原作作品もあわせて読みたい
泉鏡花文学賞を楽しむなら、やはり泉鏡花自身の作品も外せません。代表作『高野聖』『婦系図』『歌行燈』は、今でも多くの読者に愛されています。
- 高野聖(1900) … 幻想文学の代表格。
- 婦系図(1907) … 劇場用にも人気の人間ドラマ。
- 歌行燈(1910) … 幻想と現実が交錯する複雑な構成が魅力。
👉 泉鏡花の世界をもっと深く味わいたい方へ。
代表作『高野聖』に登場する謎めいた「女」の正体を知ると、物語の余韻がぐっと広がるんです。あらすじや他の代表作についてもやさしく解説していますので、ぜひあわせて読んでみてくださいね。☛高野聖の女の正体は?泉鏡花の高野聖のあらすじと代表作も
泉鏡花文学賞を電子書籍・オーディオで楽しむ方法
「気になるけど、分厚い本はちょっと重い…」そんな時は、電子書籍やオーディオブックがおすすめなんです。
- 📖 Amazon Kindle Unlimited|料金・解約・使い方まとめ
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朗読で楽しむ泉鏡花作品は、また違った魅力を発見できます。
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まとめ
泉鏡花文学賞は、幻想的で美しい物語を愛する人にぴったりの文学賞です。
この記事では、
- 歴代受賞作品とおすすめ本
- 選考委員の顔ぶれ
- 泉鏡花本人の原作
- Kindle UnlimitedやAudibleでの楽しみ方
をお伝えしました。
もし「次に読む本」を探しているなら、ぜひ泉鏡花文学賞の受賞作を手に取ってみてください。きっと、あなたの心に新しい余韻を残してくれるはずです。

