40代という人生の折り返し地点に立つと、ふと立ち止まってこれまでの歩みを振り返りたくなることがあります。
「このままでいいのかな」「これからの人生、どう生きていこう」──そんな思いが胸に浮かぶ瞬間、ありますよね。
この世代は、仕事・家庭・健康・親の介護など、さまざまな立場や役割のなかで、複雑な悩みを抱えがちです。
たとえば、キャリアチェンジに迷っている方、子育てがひと段落して自分自身の時間と向き合い始めた方、あるいは親の介護や喪失感に心が疲れてしまっている方。
そんな日常のなかで、人生の節目に立ちすくむような瞬間は、誰にでも訪れるものかもしれません。
そんなとき、一冊の本が、まるで友人のように寄り添ってくれることがあります。登場人物の心の揺れに共感し、自分の気持ちを重ねながら読み進めるうちに、少しずつ心の中が整理されていく──本にはそんな不思議な力があります。
この記事では、「人生に迷った時」にこそ手に取ってほしい、40代の悩みにやさしく寄り添ってくれる本を15冊ご紹介します。
あなたの今の気持ちに、そっと寄り添う一冊が見つかりますように。
人生に迷った時や心が苦しい時にそっと寄り添ってくれた本15選

「このままでいいのかな」「もう一度、自分を見つめ直したい」──そんなふうに感じたことはありませんか?
人生に迷った時や、心がちょっと疲れてしまった時、本はそっと寄り添い、あなたの気持ちを静かに受けとめてくれます。
40代からの悩みや迷いに寄り添ってくれる本を、テーマ別にご紹介します。
キャリアに悩むあなたへ:人生に迷った時に働き方を見つめ直す本
今の働き方に迷ったとき、自分らしさを思い出させてくれる本があります。これからの人生を見つめ直す、やさしいきっかけになりますように。
定年オヤジ改造計画/垣谷美雨
定年後、家族に居場所がない…自分の人生、このままでいいのか?
定年を迎えた庄司常雄は、長年家族のために働いてきたにもかかわらず、家では妻や娘に居場所を見失ってしまいます。
そんなある日、孫のお迎えを頼まれたことがきっかけで、常雄は家族との関係を見直し、人生をもう一度やり直そうと決意。
夫婦や親子のすれ違い、世代間ギャップに悩む姿がリアルに描かれたこの物語は、定年後の生き方や家族との向き合い方に迷う人に、やさしく再出発のヒントをくれる一冊です。
「自分の居場所がない」と感じている方に、心がふっと軽くなるような気づきと、前を向く勇気を与えてくれます。
この本から得られる気づき
- 定年後の「自分らしい生き方」や「家族との新しい関係」の築き方に気づける
- 家族の本音や世代間の価値観の違いに共感し、心が軽くなる
- どんな年齢からでも人生をやり直せる勇気と希望が湧いてくる
こんな方におすすめ
- 定年後の生き方や家族との関係に悩んでいる方
- 夫婦や親子のコミュニケーションに行き詰まりを感じている方
- 「自分の役割」を見失いがちなミドル・シニア世代
- 人生の転機に、もう一度自分を見つめ直したい方
深く印象に残る言葉
「言ってくれたらわかる」そんな主人公の言葉に、思わず胸がチクンとしました。でも現実は、「言ってもわからない」「言っても無駄だと感じてしまう」ことの方が、ずっと多いのかもしれません。
この物語には、そんなもどかしさやすれ違いが静かに描かれていて、私も読みながら深く共感しました。
家族やパートナーとの関係に悩んでいる方にとって、きっと心に残るフレーズが見つかるはずです。
もし今、人生のこれからに不安を感じているなら──この本を手に取って、常雄と一緒に「新しい自分」を探してみませんか?そっと背中を押してくれる、そんな一冊です。
垣谷美雨(かきや・みう)さんは兵庫県出身の小説家。明治大学卒業後、ソフトウェア会社勤務を経て2005年にデビュー。『老後の資金がありません』『夫のカノジョ』など映像化作品多数。女性や家族を描く「もしも」の物語に定評がある作家です。
働く男/星野源
働きすぎていませんか? それとも、働くことに迷いを感じていますか?
そんなとき、そっと手に取ってほしいのが、星野源さんのエッセイ集『働く男』です。
音楽や俳優、文章など多彩に活躍する彼が、「働くこと」について本音で語ったこの一冊。無理を重ねて体調を崩した経験から、自分にとっての仕事の意味をあらためて見つめ直す姿が描かれています。
読んでいると、「無理しなくていいんだな」「好きなことを大切にしていいんだな」と、心がふっと軽くなるんです。
仕事や人生のバランスに悩んだとき、自分らしい働き方を探したいときに、やさしく寄り添ってくれる本。
今、ちょっと立ち止まりたくなったあなたに、そっとおすすめしたい一冊です。
この本から得られる気づき
- 「働くこと」は人それぞれでいい、と肩の力が抜ける
- 好きなことを続ける大切さと、無理をしすぎない勇気
- 仕事と人生のバランスを考えるヒント
- 自分のペースで生きていい、という安心感
- 多様な働き方や価値観に触れ、視野が広がる
こんな方におすすめ
- 仕事に追われて心身ともに疲れている方
- 働き方やキャリアに迷いがある方
- 「自分らしい働き方」を模索している方
- 星野源のファンはもちろん、働くことに悩むすべての人
深く印象に残る言葉
「才能があるからやるのではなく、才能がないからやる、という選択肢があってもいいじゃないか。」この言葉は、星野源さんが「文章の才能はない」と言われながらも、書くことへの思いをあきらめず、行動し続けた経験から生まれたものです。
その姿勢には、「やりたい」という気持ちを大切にすることの大切さが、やさしくにじんでいます。
たとえ自分に自信がなかったとしても、一歩踏み出してみること。きっと、その先にしか見えない景色があるのだと思います。
もし今、働き方に迷っていたり、キャリアに行き詰まりを感じていたりするなら──。
この本が、あなたの心にそっと寄り添い、「それでもいいんだよ」とやさしく背中を押してくれるはずです。本は、ときに未来を照らす小さな道しるべになってくれるんですね。
星野源(ほしのげん)さんは、1981年1月28日生まれ、埼玉県蕨市出身の音楽家・俳優・文筆家。身長168cm、血液型AB型。本名も同じく星野源。音楽活動や俳優業に加え執筆も行う多才な人物で、2021年に女優・新垣結衣さんと結婚。
子育てが一段落した今、人生に迷った時に読む本と出会いたいあなたへ
子育てがひと段落して、ふと訪れる静かな時間。これからの自分をどう生きようか──そんな迷いが芽生えたとき、そっと心に寄り添ってくれる本との出会いが、きっとあります。
子育てはもう卒業します/垣谷美雨
子育てが終わったら、私の人生はどこへ向かうの?
そんなふうに、ふと立ち止まって考えてしまうこと、ありませんか?
誰かのために懸命に生きてきた日々。その役目がひと段落したとき、心にぽっかりと空白が生まれることもありますよね。
この物語に登場するのは、かつて同じ大学で青春を過ごした明美・淳子・紫(ゆかり)の三人。
就職、結婚、出産、子育て…人生のさまざまな節目をくぐり抜けながら、悩みや迷いも分かち合ってきました。
そして今、「私の人生、このままでいいの?」と、それぞれが自分自身と向き合い始めるのです。
この本は、そんな彼女たちの姿を通して、「子育てに正解なんてなかったけれど、がんばってきた私を、そっと認めてあげたい」と思えるやさしい気づきを届けてくれます。
これからは、自分のために歩んでみたい。そんな気持ちが芽生えたときに、そっと手に取ってみてください。
この一冊が、あなたの新しい一歩をやさしく後押ししてくれるはずです。
この本から得られる気づき
- 子育てや家族のために頑張ってきた自分を、そっと認めてあげられる
- 「子育てに正解はない」と気づき、肩の力が抜ける
- 誰かのために生きてきた日々も、決して無駄ではなかったと実感できる
- これからの人生を、自分のために歩み始める勇気が湧いてくる
こんな方におすすめ
- 子育てが一段落し、これからの人生に迷いを感じている方
- 家族や子どものために頑張ってきた自分を労いたい方
- 同世代の女性のリアルな悩みや葛藤に共感したい方
- 「自分の人生」をもう一度見つめ直したい方
深く印象に残る言葉
「女は苦労を顔に出してはいけない」
これは、本の中に描かれていた言葉。
この一文に、思わず立ち止まってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どこかで聞いたような、あるいは、いつのまにか自分自身の中にも染みついていたような…。
それは、母から娘へと、時代を超えて受け継がれてきた“我慢”や“強さ”を象徴する言葉でもあります。
子育てや家庭、仕事に追われる日々のなかで、自分のつらさや弱さを押し隠し、ただひたむきにがんばってきたあなたへ。
もう、無理をし続けなくても大丈夫です。
子育てがひと段落した今だからこそ、自分の人生を少しずつ取り戻していきませんか?
この本は、そんなあなたの気持ちに静かに寄り添い、「これからの私」をやさしく応援してくれる一冊です。
どうぞ、肩の力を抜いて、ゆっくりページをめくってみてくださいね。
垣谷美雨(かきや・みう)さんは兵庫県出身の小説家。明治大学卒業後、ソフトウェア会社勤務を経て2005年にデビュー。『老後の資金がありません』『夫のカノジョ』など映像化作品多数。女性や家族を描く「もしも」の物語に定評がある作家です。
対岸の家事/朱野帰子
家事も育児も、誰かの“当たり前”が、私にはしんどい。――“私の選択”は間違いだったの?
「家事も育児も、誰かにとっての“当たり前”が、どうしてこんなにしんどいんだろう…」そんなふうに感じたことはありませんか?
『対岸の家事』の主人公・詩穂さんは、専業主婦として家族を支えてきた女性。子育てがひと段落した今、自分の選択に迷いを抱えながら、日々を過ごしています。
でも、ある日、隣に住むワーキングマザーや育休中の主夫、子どもを持たない主婦たちと出会い、それぞれの悩みや生きづらさに触れていくうちに、少しずつ気持ちがほどけていきます。
「自分だけじゃない」「完璧じゃなくていいんだ」と、ふっと心が軽くなるような気づきが、この物語には詰まっています。
もし今、「このままでいいのかな」と感じているなら、この本がそっと寄り添ってくれるかもしれません。
この本から得られる気づき
- 家事や育児の苦しさは、誰もが抱える普遍的なものだと気づける
- 「自分だけが孤独じゃない」と思える安心感
- 完璧でなくてもいい、柔軟な生き方へのヒント
- 他人の生き方を「対岸の火事」とせず、共感し合う大切さ
- 立場や性別を超えて支え合うことの温かさ
こんな方におすすめ
- 子育てや家事が一段落し、「これからの人生」に迷いを感じている方
- 家族や社会との距離感に悩んでいる方
- 「自分の選択は間違いだったのか」と不安になることがある方
- 他人と比べて落ち込んでしまう方
- 家事や育児の孤独を感じたことがあるすべての方
深く印象に残る言葉
「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます。」
この言葉が胸にすっと入ってきたとき、私は思わず涙がこぼれそうになりました。
『対岸の家事』は、孤独や迷いのなかにいる人に、やさしく語りかけてくれる物語です。「完璧じゃなくていい」「誰かとつながることに意味がある」そんな気づきを、そっと手渡してくれる一冊でもあります。
私は子育ての経験こそありませんが、長く家庭を支えてきた方が、ある日ふと「このままでいいのかな」と立ち止まる気持ちには、深く共感しています。
そして、そんなときこそ本が、心を静かに整え、次の一歩をそっと後押ししてくれるのではないかと感じています。
もし今、少しでも自分のこれからに迷いを感じているなら、『対岸の家事』が、きっとあなたの心に寄り添ってくれるはずです。
朱野帰子(あけの かえるこ)さんは1979年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、会社員として働いた経験を活かし、2009年に小説家デビュー。『わたし、定時で帰ります。』など働く女性を描いた作品で知られ、リアルな描写と軽やかな文体が魅力です。
親の介護や家族の問題で心が苦しい時に読む本
親の介護や家族のことで心がふさぎ込んでしまうとき、ひとりで抱え込まないでくださいね。そんなときにそっと寄り添い、気持ちが少し楽になるような本をご紹介します。
ことことこーこ/阿川佐和子
親の介護、誰にも弱音を吐けない。家族のこと、仕事のこと、全部抱えて、心が苦しいあなたへ。
「親の介護って、こんなにしんどいんだ…」そんなふうに感じているあなたへ。
『ことことこーこ』は、38歳の香子さんが、認知症を発症した母・琴子さんと向き合いながら暮らす日々を描いた物語です。
弟夫婦には頼れず、仕事と介護の両立に心が折れそうになることも。それでも香子さんは、母との何気ない会話や笑顔の中に、小さな幸せを見つけていきます。
介護にまつわる葛藤や孤独、家族との距離感…。そんな現実にそっと寄り添ってくれる一冊です。
「自分だけじゃない」と思えたり、「がんばりすぎなくていい」と気づかせてくれたり。つらい中にも、ユーモアややさしさが感じられて、ふっと心がやわらぎます。
もし今、ひとりで抱えている気持ちがあるなら、この物語をそっと開いてみてください。
香子さんの歩みが、きっとあなたの気持ちにも静かに寄り添ってくれます。
この本から得られる気づき
- 介護の苦しさや孤独は「自分だけじゃない」と共感できる
- 家族の問題に直面したとき、完璧でなくていいと気づける
- 介護の中にも、笑いや温かさ、希望があることを知る
- 親もまた一人の人間であり、尊厳を大切にしたいと思える
- つらい現実の中でも、心が少し軽くなるユーモアと優しさに触れられる
こんな方におすすめ
- 親の介護や家族の問題で心が苦しい方
- 仕事と家庭の両立に悩んでいる方
- 介護の現実を知りたい、でも重すぎる本は避けたい方
- 家族との関係に悩み、共感や癒しを求めている方
- 40代以上の女性、または家族の介護に関わるすべての方
深く印象に残る言葉
「徘徊するのにも理由があるんです」──この言葉が、胸にすっと入り込んできました。
認知症の方の行動には、一見すると理解しがたいものもあります。でもその奥には、「伝えたい」「行きたい」といった強い思いや理由が、ちゃんとあるのだと思うのです。
香子さんがそうであったように、介護する側がその気持ちに寄り添い、尊厳を忘れずに向き合うことの大切さに、改めて気づかされます。
「ことことこーこ」は、そんな介護の現実にやさしく光を当ててくれる物語。ひとりで抱え込まなくて大丈夫。
どうか、あなたのペースでこの物語を開いてみてください。きっと、心が少しふわっとやわらぐ時間が見つかるはずです。
阿川佐和子(1953年生まれ)さんは、報道キャスター、エッセイスト、小説家、タレントとして広く活躍しています。慶應義塾大学卒業後、1981年にTBSで芸能界デビュー。『筑紫哲也 NEWS23』や『サワコの朝』で知られ、著書『聞く力』が大ベストセラーとなりました。受賞歴もあり、知的で親しみやすいキャラクターで多くの支持を集めています。
スクラップ・アンド・ビルド/羽田圭介
介護の現実に押しつぶされそうなとき、家族の“重さ”に息が詰まるとき -そんなあなたへ。
親の介護に心が折れそうなとき、家族との関係に息が詰まるようなとき──そんなふうに感じているあなたへ、そっと手渡したい一冊があります。
『スクラップ・アンド・ビルド』は、28歳の健斗が母とともに祖父を介護する日々を描いた物語。
祖父は「早く死にたい」とつぶやき、健斗はその願いに応えるように、あえて過剰な介護を行い、祖父の自立を奪うという「足し算の介護」に踏み出します。
その過程で浮かび上がってくるのは、「生きる意味」や「やさしさ」とは何か、自分の存在価値とは…といった、誰もが一度は抱える問い。
介護や家族の問題に“正解”はないからこそ、この小説に描かれる静かでリアルな日常は、どこか私たちの心にも響いてきます。
もし今、誰にも言えないしんどさを抱えているのなら、この本があなたの心に、そっと寄り添ってくれるかもしれません。
この本から得られる気づき
- 介護や家族の問題に「正解」はないことを受け入れられる
- 他者に依存しながらも、誰もが自分の存在価値を模索していることに気づく
- 閉塞感の中にも、再生や変化の可能性があると感じられる
- 「やさしさ」とは何か、家族の中での距離感や役割について新たな視点を得られる
こんな方におすすめ
- 親や家族の介護に悩み、心が苦しい方
- 家族との関係に息苦しさや閉塞感を感じている方
- 「自分の存在価値」や「生きる意味」に迷いを感じている方
- 重いテーマでも、淡々とした語り口で読みやすい小説を探している方
深く印象に残る言葉
この物語に登場するのは、決して完璧ではない、どこか不器用で、人間らしい人たち。だからこそ、読んでいる私たち自身の姿と重なって、「それでも人は前に進んでいくんだな」と、静かに背中を押されるような気持ちになります。
はっきりとした答えがあるわけではなく、「もし自分だったらどうするだろう?」と、そっと問いかけてくるような構成が、読後も心に残る余韻となって広がっていくのです。
もし今、家族や介護のことなどで、心が少し疲れているのなら、この本があなたの気持ちに、そっと寄り添ってくれるかもしれません。慌てなくても大丈夫。ページをめくるたびに、少しずつ心がほどけていくのを感じられるはずです。
羽田圭介(1985年生まれ)さんは、2003年に『黒冷水』で第40回文藝賞を受賞しデビュー。大学卒業後、専業作家として活躍し、2015年には『スクラップ・アンド・ビルド』で芥川賞を受賞。その他、著書『走ル』『Phantom』などがあり、メディアにも出演する多才な作家です。
長女たち/篠田節子
“家族だから”と、すべてを背負い込んでいませんか?――長女であることの重さに、静かに寄り添う物語。
「家族だから」「長女だから」と、知らず知らずのうちに、たくさんのものを背負い込んでいませんか?
そんなあなたに、そっと手渡したくなる一冊があります。
『長女たち』は、親の介護や家族との関係に悩む三人の女性が主人公の連作短編集です。
認知症の母を支えるために恋も仕事も諦めた直美、亡き父との確執に苦しむ頼子、病気の母に腎臓を提供するか悩む慧子。
それぞれの物語を通して見えてくるのは、「家族を大切にしたい」という思いと、「自分の人生もちゃんと生きたい」という切実な願いです。
どれが正解かわからない家族との向き合い方に、迷いながらも進もうとする彼女たちの姿は、まるで私たち自身のよう。
心が少し疲れてしまったとき、この本はあなたの気持ちにやさしく寄り添ってくれます。
無理に強くならなくて大丈夫。まずは、ゆっくりとページをめくることから始めてみませんか。
この本から得られる気づき
- 「家族だからこそ、逃げ場がなく苦しい」という感情に共感し、「自分だけじゃない」と感じられる
- 長女としての責任や孤独、理性と情のはざまで揺れる心に寄り添ってもらえる
- 家族の問題に「正解」はなく、苦しみや葛藤を抱えながらも自分の人生を選ぶことの大切さに気づける
- 介護や家族のしがらみで心が折れそうな時、淡々と現実を受け止める勇気と覚悟をもらえる
こんな方におすすめ
- 親の介護や家族の問題で心が苦しい方
- 「長女だから」と無意識に我慢や犠牲を強いられてきた方
- 家族の期待や依存に悩み、自分の人生を見失いそうな方
- 40代以上の女性、独身・既婚問わず家族の責任を一身に背負っている方
深く印象に残る言葉
「捨てるに捨てられないし、愛情がないとは言えない。けれど、足を引っ張ってほしくない。義務感と責任感と罪悪感がまぜこぜになってしまう。だから長女なんだよね」
この言葉に、思わず胸が詰まった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『長女たち』に登場する三人の女性は、それぞれの立場で、老いた親との向き合い方に悩みながら日々を生きています。
長女だからと無意識に自分を後回しにし、誰にも弱音を吐けないまま、心に重たい荷物を抱えてしまう…。
その苦しさを、この物語は静かに、でも確かに描いています。
私自身、義母の介護に関わる中で、認知症と向き合うつらさや、「介護」という言葉がずしりと心にのしかかる感覚を経験しました。自分の時間も気持ちも後回しになり、気づけば泣きたいような気持ちでいっぱいになっていたこともあります。そんなとき、この本のやさしい言葉に、心がふっとほどけて涙がこぼれました。
もし今、家族のことで心が押しつぶされそうになっていたら、どうかこの物語をそっと開いてみてください。
無理に強くならなくて大丈夫。あなたの苦しみや葛藤に、静かに寄り添ってくれる言葉が、きっと見つかります。
篠田節子さん(1955年生まれ、東京)は、東京都八王子市役所で福祉や教育に従事後、1990年に小説家デビュー。『女たちのジハード』で直木賞、『ゴサインタン』で山本周五郎賞を受賞。その後も多くの文学賞を受賞し、ホラーやSF、ミステリーなど幅広いジャンルで作品を発表し続けています。
人生に迷った時、自分の存在価値に悩むあなたへ読む本
誰かの役に立っているのか、自分には価値があるのか──そんな問いに心が揺れるとき、本の中に静かに寄り添ってくれる言葉が見つかるかもしれません。
孤独の価値/森博嗣
孤独は寂しいものではなく、自由への扉だ
「孤独って、寂しいものじゃなくて、実は自由につながる扉なんですよ」──そんなやさしい気づきをくれるのが、森博嗣さんの『孤独の価値』という本です。
人とのつながりが重視される今の時代、ひとりでいることに不安を感じたり、「孤独=悪いこと」と思ってしまうこと、ありますよね。
でもこの本は、孤独を“自分と向き合う大切な時間”として見つめ直すきっかけをくれます。
誰かとの関係にちょっと疲れてしまったときや、自分のこれからに迷ったとき。そんな時にそっと寄り添ってくれる、静かで力強い一冊です。
「孤独」と仲良くなれたとき、自分らしさがふっと浮かび上がってくるかもしれません。
まずは、心のままにページをめくってみてくださいね。
この本から得られる気づき
- 孤独は恐れるものではなく、自己を知り、自由を得るための貴重な時間であると気づけます。
- 寂しさや孤独感が「悪」とされる社会的な固定観念から解放され、自分らしく生きるヒントが得られます。
- 他者とのつながりに疲れた心が軽くなり、孤独をポジティブに捉える視点が育まれます。
こんな方におすすめ
- 他者との過剰なつながりに疲れ、自分自身の時間を大切にしたいと思う方
- 孤独感や寂しさに悩み、それらを克服したいと考えている方
- 自由や創造性について深く考えたい方
深く印象に残る言葉
「孤独を獲得することは、自由を獲得すること」──この一文が、ふと心にすっと入り込んできました。
人とのつながりが当たり前になっている今の時代、私たちは気づかぬうちに、誰かに合わせたり、つながり続けることに疲れてしまっていることがありますよね。
そんな中で、自分の意思で「ひとりの時間」を選び取ることが、どれほど大切で、豊かなことなのか。この言葉は、そのことを静かに教えてくれます。
「孤独=さみしいもの」と思い込んでいた心が、ふっとほぐれていくような感覚。この本は、そんなやさしい気づきを運んでくれます。
まずは少しずつ、ページをめくってみてください。あなたの心に、新しい風がそっと吹きはじめるかもしれません。
森博嗣さん(もり ひろし、1957年生まれ、愛知県)は、名古屋大学で工学博士号を取得後、大学教授を務めながら作家活動を開始。1996年に『すべてがFになる』でメフィスト賞を受賞し、理系ミステリーの第一人者となる。趣味は模型製作で、独自の作風とスタイルを持つ作家です。
わたしのいるところ/ジュンパ・ラヒリ
どこにいても、誰といても、ふと感じる“自分の居場所のなさ”。そんな孤独に、そっと寄り添う物語
なんとなく、自分の居場所がわからなくなることってありませんか?
どこにいても、誰といても、ふと感じる「ここじゃないかも」という気持ち。そんなとき、そっと寄り添ってくれる物語があります。
『わたしのいるところ』は、ローマのような街でひとり暮らす、45歳の独身女性が主人公です。
大学で研究をしながら、歩道を歩いたり、本屋に立ち寄ったり、海を眺めたり──何気ない日常の中で、彼女は自分自身や他者との距離、孤独と静かに向き合っていきます。
大きな事件は起こりません。でも、だからこそ心に染みる。迷いながらも、「今、ここにいる自分」を少しずつ受け入れていく姿に、きっとあなたも共感できるはずです。
もし今、人生に迷っていたり、自分の存在価値に悩んでいたりするのなら、どうぞこの本を、そっと手に取ってみてください。
あなたの心にも、やさしく響く言葉が見つかるかもしれません。
この本から得られる気づき
- 「孤独」は決して特別なものではなく、誰もが日常の中で抱えていること
- 名前や肩書き、場所に縛られず、「今ここにいる自分」を肯定してもいいという安心感
- 他者との距離や関係性の中で、ささやかな優しさや美しさを見つける力
- 日々の小さな出来事や感情に目を向けることで、人生の意味や自分の存在を見つめ直せる静かな勇気
こんな方におすすめ
- 40代以上で、日々の中でふと「自分の居場所」や「存在価値」に悩む方
- 表向きは元気でも、心の奥に孤独や不安を抱えている方
- 大きな事件や劇的な展開よりも、静かな日常や心の機微を丁寧に描いた物語が好きな方
- 自分のペースで、そっと心を癒したい方
深く印象に残る言葉
「わたしに愛着を感じているが、わたしの考え方には関心がない」──この一文に、ふっと胸が締めつけられるような感覚を覚えました。
家族や身近な人との間にたしかに愛情はあるのに、心の奥深くまでは分かち合えない。その微妙な距離感が、むしろ深い孤独を教えてくれることって、ありますよね。
「いっそ愛情がなかったら、話は簡単なのかもしれない」という言葉にも、共感した方は多いのではないでしょうか。
つながりがあるからこそ、簡単には切り捨てられず、悩んでしまう。そんな家族関係の複雑さを、そっとすくい上げるように描いています。
もし今、あなたが「自分の居場所がわからない」と感じているのなら──この本を、静かな気持ちで手に取ってみてください。
きっとどこかに、あなたの心に寄り添う言葉が見つかるはずです。
ジュンパ・ラヒリ(1967年生まれ)は、イギリス・ロンドン出身のベンガル人作家で、アメリカで育ちました。1999年に短編集『病気の通訳』でデビューし、ピューリッツァー賞を受賞。移民やアイデンティティ、異文化間の葛藤をテーマに、英語・ベンガル語・イタリア語で執筆。『その名にちなんで』『低地』などが代表作です。
何のために生きているんだろう…人生に迷った時に手に取りたい本
ふと立ち止まり、「私は何のために生きているんだろう」と感じたとき。本の中の言葉が、そんな迷いにそっと寄り添い、心をあたたかく照らしてくれることがあります。
リプレイ/ケン・グリムウッド
もし、人生を何度もやり直せたら 。それでも、あなたは何を選びますか?
43歳で突然この世を去ったジェフは、気づくと18歳の大学生に戻っていました。しかも、死ぬまでの記憶をそのまま持ったまま。
未来を知っているからこそ得られる成功も、やがてまた43歳で終わってしまう。
そして、また18歳に戻る…。
何度も繰り返される「人生のやり直し」の中で、ジェフは悩み、迷い、苦しみながらも、「本当の幸せってなんだろう」「自分は何のために生きているのだろう」と問い続けます。
この物語は、人生に迷ったとき、ふと立ち止まりたくなったときに、そっと寄り添ってくれる一冊です。
どんなにやり直しても、結局は「今をどう生きるか」が大切だと気づかせてくれるのです。
もし今、心が揺れているのなら──この本をそっと開いてみてください。静かな言葉が、あなた自身の“生きる意味”をやさしく照らしてくれるかもしれません。
この本から得られる気づき
- 「やり直し」ができても、人生の本質的な問いは変わらないことに気づかされます。
- 何度も選択を繰り返す中で、後悔や迷いを抱えながらも「今をどう生きるか」の大切さを実感できます。
- どんなに過去を変えても、幸せや満足は自分の心の在り方次第だと教えてくれます。
- 「人生に正解はない」という優しい諦めと、だからこそ一瞬一瞬を大切にしたいという前向きな気持ちが芽生えます。
こんな方におすすめ
- 「何のために生きているのか」と悩んでいる方
- 過去の選択や後悔にとらわれている方
- 人生の転機や迷いの中にいる方
- SFやファンタジーが好きな方はもちろん、人生についてじっくり考えたいすべての大人に。
深く印象に残る言葉
「もし、人生をやり直せたら──あなたは何を選びますか?」
この問いは、物語全体を貫くテーマであり、読んだ人の心に静かに、でも深く刺さる言葉です。とても悩ましくて、それでいてどこか心が躍る…そんな気持ちにさせられる方も多いのではないでしょうか。
この本は、人生を何度もやり直すという少し不思議な設定のなかで、現実の人生がどれほど儚く、そして愛おしいものかを教えてくれます。
そして、「結局、いまをどう生きるのか」が大切なんだと、そっと気づかせてくれるのです。
もし今、人生の中で立ち止まっているような気がしていたら──どうぞ、この本を手に取ってみてください。
ページをめくるたびに、あなた自身の「生きる意味」について、やさしく語りかけてくれるはずです。
ケン・グリムウッド(1944年2月27日 – 2003年6月6日)は、アメリカのSF作家・ファンタジー作家で、代表作『リプレイ』は時間ループものの金字塔として高く評価されています。ラジオ局での編集職を経て作家デビューし、『リプレイ』で世界幻想文学大賞を受賞。2003年、心臓発作で他界。
ターン/北村薫
何も変わらない毎日が、こんなにも苦しいなんて。孤独と不安に押しつぶされそうな時、あなたの心にそっと寄り添う物語
「何も変わらない毎日が、こんなにつらく感じるなんて…」
そんなふうに、心がぽつんと取り残されてしまうような日が、誰にでもありますよね。
物語の主人公・真希は、29歳の銅版画家。ある日、突然の事故に遭い、目覚めた世界には誰もいません。同じ一日が繰り返される孤独な時間の中で、「私、何のために生きているんだろう」と自分に問い続けます。
けれど、ある日ふと鳴り響いた一本の電話が、少しだけ彼女の世界に光を差し込みます。
やがて真希は、“今この瞬間をどう生きるか”を考えるようになり、自分にとって本当に大切なものを見つめ直していきます。
この本は、孤独や不安で前に進めなくなったとき、そっと寄り添い、静かに背中を押してくれるような物語です。
もし今、少し心が疲れてしまっているのなら、どうか『ターン』のページをめくってみてください。きっと、あなたの中にやさしい灯りがともりますよ。
この本から得られる気づき
- どんなに孤独で出口が見えなくても、必ず「終わり」はやってくること
- 日常の小さな出来事や人とのつながりの大切さに気づける
- 「今を生きる」ことの意味や、自分自身と向き合う勇気が湧いてくる
- 読み終えた後、静かな感動と前向きな気持ちが心に残る
こんな方におすすめ
- 何気ない日々に虚しさや孤独を感じている方
- 「何のために生きているのか」と人生に迷いを感じている方
- 変わらない毎日に息苦しさを覚えている方
- 心が疲れてしまった時、そっと寄り添ってくれる物語を求めている方
深く印象に残る言葉
「この世ではいろいろなことが起こるのだ。どんなに自分を大切にしても、誰かを大切にしても。だから、願いを込めて。」
この言葉を、私は何度も読み返しました。
人生は予想もしないことの連続で、どれだけ大切にしていても、傷ついたり、失ったりすることがある。
でも、それでも私たちは、願いを込めて生きていくんですね。
『ターン』という物語には、そんな人生の不確かさを受け止めながらも、前を向いて生きる力がやさしく描かれています。
孤独や不安、ふと感じる小さな希望──そうした心の揺れを、そっとすくい上げてくれるような一冊です。
もし今、心がちょっと疲れているのなら。『ターン』のページをめくってみてください。あなたのそばに、静かに寄り添ってくれる言葉がきっと見つかりますよ。
北村薫さん(本名:宮本和男、1949年生まれ)は、埼玉県出身のミステリ作家。早稲田大学卒業後、国語教師や評論家として活動。1989年に『空飛ぶ馬』で覆面作家デビューし、日常の謎を描いた作品で人気を集める。1991年に『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞、2009年には直木賞を受賞。代表作に 『円紫師匠と私』シリーズや『鷺と雪』がある。
ずっとやりたかったことを、やりなさい。/ジュリア・キャメロン
本当は、ずっとやりたかったことがある。でも、日々の忙しさや“できっこない”という思い込みで、心の奥にしまい込んでいませんか?
「本当は、ずっとやりたかったことがあるんです」──そんな想いを、心の奥にそっとしまい込んでいませんか?
忙しさや、できっこないという思い込みのなかで、自分の本当の気持ちに気づけなくなってしまうこと、ありますよね。
『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』は、そんな大人の私たちに向けて、やさしく背中を押してくれる本です。
著者のジュリア・キャメロンが提案する12週間のワークを通して、自分の中に眠っていた「創造する力」や「やってみたかったこと」が、少しずつ息を吹き返していきます。
「もう遅いかも」「私には才能がない」──そんな思い込みを手放して、小さな一歩を踏み出す勇気がわいてくるはず。
日々の生活に、ちょっとしたときめきや、自分らしさが戻ってくる感覚が、きっとあります。
新しいことを始めたいけれど迷っているあなたへ。
この本と一緒に、心の奥にある「ほんとうの願い」に、そっと耳を澄ませてみませんか?
あなたの中に、まだ眠っている輝きがあると、私は思うのです。
この本から得られる気づき
- 自分の中に眠る本当の願いや創造性に気づける
- 「できない」という思い込みから自由になれる
- 日々の生活に小さなワクワクや喜びが戻る
- 年齢や環境に関係なく、新しい一歩を踏み出す勇気が湧く
- 自分自身をもっと大切にできるようになる
こんな方におすすめ
- 何か新しいことを始めたいけれど、一歩が踏み出せない方
- 「自分には才能がない」と感じている方
- 日々の繰り返しに埋もれて、本来の自分を見失いかけている方
- 夢や情熱をもう一度取り戻したい方
- 仕事や家庭に追われて、自分の時間を持てていない方
深く印象に残る言葉
「書くことで、自分の心が少しずつほどけていく」──そんな実感を味わったことはありますか?
『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』のなかで提案されている「モーニングページ」という習慣。
毎朝、頭に浮かんだことを3ページ分ノートに書き出していくうちに、自分が本当に望んでいることが、少しずつ見えてくるんです。
日々に追われて、心の奥にしまい込んでいた「ずっとやりたかったこと」。それに、そっと耳を傾けてみる時間を、この本はプレゼントしてくれます。
たった一人では勇気が出ないときも、この本と一緒なら、12週間の小さな冒険にきっと踏み出せるはず。
そして、自分のことを、もう少しだけ大切に思えるようになるかもしれません。
あなたも、はじめてみませんか?
ジュリア・キャメロン(Julia Cameron)はアメリカの作家・脚本家・教師で、創造性開発の分野で世界的に知られています。代表作『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』や『あなたも作家になろう』は、アーティストやクリエイターに創造的な手法を提供し、多くの読者に影響を与えています。
心がしんどい、人生に迷った時にそっと開きたい本
心がしんどいときや、人生に迷ってしまったとき。そんな時こそ、一冊の本が心にやさしく寄り添ってくれることがあります。ここでは、そっと開きたくなるような、静かな力をくれる本をご紹介しますね。
ミトンとふびん/吉本ばなな
大切な人を失った痛みが、心の奥でずっと消えないまま、日々をなんとかやり過ごしているあなたへ
大切な人を失った痛みが、心の奥に静かに残り続けている──そんな想いを抱えて日々を過ごしている方へ。
吉本ばななさんの短編集『ミトンとふびん』は、そんなあなたの心にそっと寄り添ってくれる一冊です。
ヘルシンキや台北、金沢など、さまざまな土地を舞台に、喪失や孤独を抱えながらも少しずつ前を向こうとする人たちの姿が、やわらかく描かれています。
たとえば、表題作「ミトンとふびん」では、家族の死を経て、お互いの想いに気づきはじめる夫婦の物語が心に残ります。
人生に迷ったとき、心がしんどくなったとき、この本は「自分だけじゃない」と感じさせてくれます。
悲しみは消えなくても、日常のなかの小さな出来事や出会いが、心をほんのり温めてくれることもあるのだと。
もし今、言葉にならない思いを抱えているなら、どうか無理をせず、そっとこの本を開いてみてくださいね。
きっと、あなたの胸にやさしく寄り添ってくれます。
この本から得られる気づき
- 喪失や悲しみは消えなくても、時間の流れや日々の小さな出来事が、心にそっと寄り添い癒してくれること
- 「愛」は戦いでも奪い合いでもなく、ただそこに静かに存在するものだという気づき
- どんなに苦しい時も、人生には思いがけない出会いや小さな幸せがあること
- 「自分だけが苦しいのではない」と感じられる安心感と、静かな再生への希望
こんな方におすすめ
- 大切な人を失った経験がある方
- 喪失感や孤独を抱えながら日々を過ごしている方
- 「心がしんどい」「人生に迷った」と感じている方
- 日常の中で小さな光や癒しを見つけたい方
- 吉本ばななの静かな優しさに触れたい方
深く印象に残る言葉
「母は代わりに怒ってくれていた」──そんな一文が、心にすっと染み込んできました。
誰かが自分の代わりに怒ってくれること。それは、自分の気持ちを受け止め、大切にしてくれているということなのかもしれません。
普段、自分の感情を押し殺してしまう人にとって、それは思っている以上に、ありがたく、あたたかな出来事なのです。
この言葉は、悲しみや喪失を抱えた人に向けて、「あなたはそのままで大丈夫」と、そっと語りかけてくれるように感じます。
無理に元気にならなくてもいい。今のあなたのままで、少しずつでも前を向けるようにと、静かに背中を押してくれる力があるのです。
もし今、言えない思いを心の奥に抱えているのなら、どうか無理せず、この本を手に取ってみてください。
きっと、ページをめくるたびに、あなたの痛みにそっと寄り添い、やさしく心を温めてくれるはずです。
吉本ばななさん(本名:吉本真秀子)は、1964年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業後、1987年『キッチン』でデビューし、数々の文学賞を受賞。代表作に『ムーンライト・シャドウ』『TUGUMI』『アムリタ』などがあり、30か国以上で翻訳され高い評価を受けている。ペンネーム「ばなな」は親しみやすさやバナナの木に由来。
きよしこ/重松清
言いたいことがあるのに、うまく伝えられない。そんな自分が嫌いで、誰にも本音を話せない。
「言いたいことがあるのに、うまく伝えられない」──そんなもどかしさを抱えている方に読んでほしいのが、重松清さんの『きよしこ』です。
吃音に悩む少年・きよしが、転校を繰り返す中で孤独や自己嫌悪と向き合いながら、自分なりの方法で「伝えること」と向き合っていく物語です。
心の中にだけ現れる“きよしこ”という存在が、彼にやさしく語りかける言葉は、読む人の胸にも静かにしみわたります。
言葉にならない想いも、誰かにきっと届く 。
そんな希望を感じさせてくれる一冊です。
人に悩みを打ち明けられない方、自分の弱さに戸惑う方へ。
もし今、人生に迷っているのなら、この本がそっとあなたの心に寄り添ってくれるはずです。
この本から得られる気づき
- 「伝えること」の本当の意味や、言葉にできない思いも誰かに届くことがあるという希望
- 自分の弱さやコンプレックスを否定せず、受け入れることの大切さ
- 誰もが孤独や悩みを抱えていることへの共感と、そっと寄り添う温かさ
- 自己肯定感や、他者とのつながりの大切さに気づかされる。
こんな方におすすめ
- 人に悩みを打ち明けられず、心がしんどいと感じている方
- 自分の弱さやコンプレックスに悩んでいる方
- 新しい環境や人間関係に不安を感じている方
- 「本当の自分」を受け入れたいと願うすべての大人へ
深く印象に残る言葉
「言いたいことが、もう、そこにはっきりあるのに言えないって、本当につらいんだよね」
吃音を抱える主人公・きよしのこのひと言が、心に深く残りました。
言葉にできないもどかしさ、そのせいで誰にも気持ちを伝えられない孤独や痛み。その感情は、きっと私たち誰もが心のどこかに抱えているものではないでしょうか。
この物語は、そんな「伝えたくても伝えられない」気持ちにそっと光をあててくれます。
読みながら、自分の中の小さな声に耳を澄ませたくなるような、そんなやさしい時間が流れます。
もし今、あなたがひとりで苦しい思いを抱えているのなら……どうか、この本をそっと開いてみてください。
きよしの静かな成長の物語が、あなたの心にそっと寄り添い、少しだけ前を向く勇気をくれるはずです。
重松清さん(1963年生まれ、岡山県)は、早稲田大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。代表作に『ナイフ』や『ビタミンF』があり、直木賞や吉川英治文学賞を受賞。現代の家族や社会問題を描き、感情移入しやすい作風で広く支持されています。また、2017年からは早稲田大学客員教授も務めています。
うつくしい人/西加奈子
他人の目が気になって、息苦しい。自分の本音がわからなくなってしまった――そんなあなたへ
「なんだか最近、他人の目ばかり気になってしまう」「本当の自分がわからなくなって、息苦しい」──そんなふうに感じること、ありませんか?
この物語の主人公・百合さんも、まさにそんな気持ちを抱えて生きてきた女性です。
小さなミスをきっかけに会社を辞め、心にぽっかりと穴が開いたような日々。そんな中で訪れたのは、瀬戸内海に浮かぶ小さな離島のホテルでした。
そこには、不器用だけどどこかあたたかいバーテンダーの坂崎さん、そして、丁寧な言葉で話しかけてくれる外国人旅行者のマティアスさん。
彼らとの出会いや、ホテルの図書室で過ごす静かな時間が、少しずつ百合さんの心をやわらかくほどいていきます。
この本を読んでいると、「自分はどう見られているか」ではなく、「自分はどう生きたいか」という問いに、そっと目を向けたくなってきます。
そして、たとえ弱さや不安を抱えていても、それでも大丈夫なんだと、そっと背中を押してもらえる気がするのです。
もし今、人生に迷いを感じているなら──この本を、どうかやさしく手に取ってみてくださいね。
あなたの心にも、静かに光が届きますように。
この本から得られる気づき
- 「他人の目」や「自分の評価」に縛られすぎていたことに気づき、少し肩の力を抜いて生きてみようと思える
- 誰かの「美しさ」は、外見や評価ではなく、その人の存在や生き方そのものにあると感じられる
- 自分の弱さや不安も、誰かとの出会いや小さな出来事で変わっていく可能性があると知る
- 「自分は誰かの美しい人かもしれない」と、少しだけ自分を肯定できるようになる
こんな方におすすめ
- 他人の評価や視線が気になってしまう方
- 仕事や人間関係で心がしんどくなっている方
- 「自分らしさ」を見失い、人生に迷いを感じている方
- 40代以上で、これまでの生き方を見つめ直したい方
- 静かで優しい物語に癒されたい方
深く印象に残る言葉
「誰が見ているわけでもないのに、私はひとりになっても、決して『ひとり』になれない」──そんな百合さんの言葉が、胸にそっと刺さります。
私たちは知らず知らずのうちに、誰かの目を気にして、自分の気持ちを置き去りにしてしまうことがありますよね。
でもこの物語は、そんな「自分らしさとは何か」「他人の目を気にする苦しさ」「何かを手放すことの意味」に、そっと光を当ててくれます。
なかでも、「吸収すること、身につけることだけが尊いのではなく、かなぐり捨て、忘れていくことも大切」という言葉には、ハッとさせられるようなやさしさがあります。
がんばることだけがすべてじゃない。ときには、いろんなものを手放していいんだよ──そんなメッセージが、そっと心に届きます。
もし今、疲れてしまったり、心がちょっと迷子になっているのなら、この本を静かに開いてみてください。
百合さんの物語が、あなたの気持ちにそっと寄り添い、小さな灯りとなってくれるはずです。
西加奈子さん(1977年生まれ)は、イラン・テヘラン生まれで、幼少期をエジプト・カイロで過ごし、その後大阪府和泉市で育った小説家・エッセイスト。関西大学法学部卒業後、2004年に小説『あおい』でデビュー。代表作に『さくら』、『きいろいゾウ』、『サラバ!』などがあり、直木三十五賞を受賞。軽快な筆致で人情や人生の機微を描き、多くの読者に支持されています。
40代になると、ふと立ち止まることが増えるのは自然なこと。そんなときの悩みや気づきを、別の記事でもまとめていますので、よろしければあわせてご覧くださいね。
👉 40代には読書がおすすめ!読書で得られるメリットは他の世代と比べてどう違うの?
👉 本を読むようになって変わったこととは?自分を変えたい大人へ!迷わず選べるおすすめ小説5選
👉 読書でストレス解消に良いジャンル5選!心がしんどいときにおすすめな本も
心に寄り添う読書習慣を始めるために、電子書籍とオーディオブックの活用法

もし、もっとたくさんの本を読みたいと思っているなら、Kindle Unlimitedの利用を考えてみるのも良いかもしれませんね。
豊富な本のラインナップを、気軽に楽しむことができるこのサービス、登録方法や料金プラン、解約方法について、詳しく知りたい方は、ぜひこちらをご覧くださいね。
また、忙しい日々に追われていると、なかなか本を読む時間が取れないこともありますよね。
そんな時におすすめなのが、オーディオブックサービスのAudibleです。
移動中や家事をしながらでも本を楽しむことができるので、時間をうまく使いたい方にぴったりですよ。
もし興味が湧いた方は、Audibleの完全ガイドで無料体験や解約方法など、詳しい情報をチェックしてみてくださいね。
これで、忙しい日々の中でも、人生に迷った時には心を満たす読書がもっと身近になります。
まとめ
人生に迷った時や心が苦しい時に読む本15選|40代からの悩みにそっと寄り添う一冊をご紹介しました。
40代は、新しい自分に出会うチャンスでもあります。
誰にも言えない心の奥の気持ちを、そっと受けとめてくれるのが本の力。
人生に迷った時こそ、読書があなたの心に静かな光を灯してくれるかもしれません。 そんな一冊と出会えますように──。
長くなりましたが、そんな想いを込めて、ご紹介しました。