こんにちは、松風知里です。
今回は「太宰治賞」について、やわらかく丁寧にご紹介していきますね。
太宰治賞は、あの太宰治の功績を記念して作られた、新人作家さんのための文学賞です。
1964年に筑摩書房がスタートさせ、現在は三鷹市との共催で行われています。ここから芥川賞や三島由紀夫賞を受賞する作家さんも多く誕生しているんですよ。
この記事では、太宰治賞の応募方法や特徴、そして応募前に読んでおきたいおすすめの受賞作6選をご紹介します。
はじめて挑戦する方も、どうぞ気負わず、楽しく読み進めてくださいね。

この記事でわかること
- 太宰治賞の募集要項
- 太宰治賞で評価されやすい作品の傾向
- 太宰治賞応募前に読んでおきたい受賞作品6選
- 太宰治賞作品を電子書籍でお得に読む方法
太宰治賞の募集要項

応募してみようかな?と思った方に向けて、応募条件とスケジュールをわかりやすくまとめました。
応募条件
- 未発表の小説であること
- 一人あたり1〜2篇まで応募可能
- 400字詰め原稿用紙で50〜300枚程度
- 締切は毎年12月10日(消印有効)
選考の流れ
- 3月初旬:一次選考
- 3月中旬:二次選考
- 3月末頃:最終選考
- 5月初旬:受賞作の発表
発表と賞品について
- 発表場所:「ちくま」誌や筑摩書房HP、『太宰治賞20××』書籍に掲載されます
- 正賞は記念品、副賞はなんと100万円!
2024年の選考委員 荒川洋治さん、奥泉光さん、中島京子さん、津村記久子さんといった、実力派の方々が選んでくださいます。
太宰治賞で評価されやすい作品の傾向

これまでの受賞作を見ていると、共通するポイントがいくつかあるんです。
- 人間の心の奥深くに迫るテーマ
- 自分自身との対話や葛藤が描かれている
- 孤独感や疎外感が丁寧に表現されている
- 現代社会に対する視点や問いかけがある
- ちょっとユニークで個性的な語り口
あなたの作品が、そんな魅力を秘めていれば、きっと読んだ人の心に届くはずです。
太宰治賞応募前に読んでおきたい受賞作品6選
ここからは、過去の受賞作の中でも、特におすすめの6作品をご紹介します。それぞれの作品が、どのように太宰治賞らしさを表現しているかも、やさしく解説していきますね。
少しでもお役に立てれば幸いです。
メメントラブドール/市街地ギャオ(第40回)
現代の孤独や違和感を、斬新な語り口で描いた作品。独創的な視点と深いテーマ性が高く評価されました。
▶ 応募作の語り方や視点に迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。
市街地ギャオさんは1993年大阪府生まれの作家で、会社員として働きながら執筆活動を行っています。2018年に大阪文学学校に入学し、2024年に『メメントラブドール』で第40回太宰治賞を受賞しました。
もっと知りたい方へ:>>2024年の受賞者である市街地ギャオさん。彼のペンネーム「市街地ギャオ」の由来や、デビュー作となる『メメントラブドール』は、繊細な感情の表現がとても魅力の作品なんですよね。
空芯手帳/八木詠美(第36回)
偽装妊娠という驚きの設定を通じて、主人公が自分らしさを取り戻していく物語。性別役割や孤独感へのまなざしが光ります。
▶ 「切実さ」と「独自性」を学ぶならこの一冊がおすすめです。
八木詠美(やぎ・えみ)さんは1988年に長野県で生まれ、現在は東京都に在住しています。早稲田大学の文化構想学部を卒業後、出版社での勤務を経て、2020年に『空芯手帳』で第36回太宰治賞を受賞し、小説家としてデビューしました。さらに2024年には、作品『休館日の彼女たち』が第12回河合隼雄物語賞を受賞するなど、注目の作家として活躍しています。
こちらあみ子/今村夏子(第26回)
純真さゆえの摩擦や孤独を、少女の視点から描いた心揺さぶる物語。太宰治賞のテーマとぴったり重なります。
▶ 応募前に“心の物語”を読み解く感覚を養ってみてください。
今村夏子(いまむら・なつこ)さんは1980年2月20日、広島県広島市安佐南区に生まれました。広島の高校を卒業後、大阪市内の大学に進学。29歳で小説執筆を決意し、2010年に『こちらあみ子』で第26回太宰治賞を受賞(後に『あたらしい娘』に改題)。2011年には同作で第24回三島由紀夫賞を受賞し、2017年の『むらさきのスカートの女』で第39回野間文芸新人賞を獲得。2019年には『星の子』で第161回芥川賞を受賞しました。2022年には『こちらあみ子』が実写映画化され、現在は大阪市内で夫と娘と暮らしています。
関連:>>野間文芸新人賞は、新しい才能を発掘するための文学賞。毎年、注目の新人作家が選ばれ、その作品が一気に話題になります。
君は永遠にそいつらより若い/津村記久子(第21回)
若者の孤独や揺れる心を、詩的でやさしい文体で描いた一作。人との関係の中で少しずつ成長する姿が印象的です。
▶ 登場人物と心で対話するように読んでみてください。
津村記久子さんは1978年1月23日、大阪府大阪市に生まれました。大阪府立今宮高等学校を卒業後、大谷大学文学部国際文化学科で学び、大学3年生のときに小説執筆を始めます。2000年に新卒で入社した会社でパワーハラスメントを経験し、10ヶ月で退職。その後、職業訓練校を経て転職し、2005年には『マンイーター』で第21回太宰治賞を受賞し作家デビュー。2012年には専業作家に転向しました。
関連:>>太宰治賞受賞された津村記久子さんの魅力は、日常の些細な出来事や人々の心の変化を繊細に描くことで、私たちが普段見過ごしてしまうような瞬間に光を当てています。
泥の河/宮本輝(第13回)
戦後の大阪を舞台に、少年たちの友情と心の揺れを描いた名作。詩的な風景描写と感情表現が印象的です。
▶ 昭和の空気感と心の機微を学べる一冊です。
宮本輝(本名:宮本正仁)さんは1947年3月6日、兵庫県神戸市生まれ。関西大倉中学校・高等学校と追手門学院大学文学部を卒業し、広告代理店勤務を経て作家活動を開始。1977年に『泥の河』で第13回太宰治賞、同年『螢川』で芥川賞を受賞。1986年には『優駿』で吉川英治文学賞を受賞。叙情的な作風で生と死を描く自伝的大河小説『流転の海』など、幅広い読者層を持つ。
櫂/宮尾登美子(第9回)
時代の中で自分らしく生きようとする女性の姿が、しなやかに描かれています。内面の強さが胸を打ちます。
▶ 社会や運命と向き合う視点を深めたい方にぴったりです。
宮尾登美子(みやお・とみこ)さんは、1926年4月13日に高知県高知市で生まれました。高坂高等女学校を卒業した後、彼女は作家としての道を歩み始めます。デビュー作『櫂』で注目を集め、その後の作品でも多くの読者に愛されました。彼女は文化功労者としても認められ、2014年12月30日に逝去しました。
太宰治のこともっと知りたい方へ:>>太宰治の女性独白体の作品をご紹介!太宰の得意とする手法で女性の心の内を見事に描いています!読む価値アリですよ。
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まとめ
太宰治賞の募集要項や傾向は?歴代受賞作品から選ぶおすすめ作品6選について、以下の4つの事柄をご紹介しました。
- 太宰治賞の募集要項
- 太宰治賞で評価されやすい作品の傾向
- 太宰治賞応募前に読んでおきたい受賞作品6選
- 太宰治賞作品を電子書籍でお得に読む方法
太宰治賞は、あなたの中にある“物語”を世に送り出すチャンスです。 過去の受賞作を読んで、心の奥にある声に耳をすませてみてください。
あなたの物語が、次の時代を動かすかもしれません。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。