柚木麻子の最新刊あいにくあんたのためじゃない発売日と文庫本おすすめ5選
最新作『あいにくあんたのためじゃない』では、個性的なキャラクターと心に残るストーリーが展開され、読者の期待を裏切りません。
さらに、柚木麻子ファンにとっての必読書とともに、文庫本のおすすめ作品を5冊ご紹介します。
新刊の詳細とともに、おすすめ文庫本をチェックして、素敵な読書の時間をお楽しみください。
柚木麻子どんな人?
過去に5度直木賞候補となった柚木麻子(ゆづき あさこ)さん。
1981年8月2日生まれで、東京都世田谷区出身。
立教大学を卒業し、今回で6度目の直木三十五賞候補となりました。
その実力はお墨付きだと言えると思います。
新刊あいにくあんたのためじゃない発売日
現代の世の中を生きて行くすべを見出す、6篇からなる物語。
◆第171回直木三十五賞候補
◆発売日2024年3月21日
\\読んでみたい方はコチラからどうぞ//
◆漫画
◆2024年2月27日 ~ 連載中(作画:もりとおる)
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新潮社WEBマンガサイト くらげバンチ にて掲載されています。
文学賞受賞・候補歴
数々の文学賞の受賞作品および候補作品などご紹介します。
フォーゲットミー・ノットブルー
「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む四篇の短篇小説からなる 『終点のあの子』に収録されています。
女子高の人間関係が描かれており、連作短編になっている。主人公を取りまく友達を連作でえがいているため、ひとり一人の心情が興味深いです。
ガール・ミーツ・ガール小説
◆2008年 第88回オール讀物新人賞受賞
伊藤くん A to E
伊藤誠二郎は、美形でありボンボンでもあり、博識でもあることを自慢にしている。しかし、自意識過剰に、幼稚も上乗せされて、さらには無神経でもある。人生の大切な局面から逃げ続ける情けない男であった。
そんな伊藤くんに傷ついても、立ち上がる女性たちの姿が共感を呼びます。連作短編集。
◆2013年 第150回直木三十五賞候補
本屋さんのダイアナ
『フォーゲットミー・ノットブルー』以上に最強のガール・ミーツ・ガール小説でした。読む手が止まらないとはこのことだと自覚しました!
◆2014年 第151回直木三十五賞候補
ナイルパーチの女子会
友情とは何か?を描いた作品。女子同士のお話を書くのは柚木さんならでは。とびっきり楽しくて、ハラハラして、腑に落ちる。やられた感がありますが、最高に面白かったです。
2015年 第28回山本周五郎賞受賞、第153回直木三十五賞候補
◆2016年 第3回高校生直木賞受賞
BUTTER
世の中に知られた事件があり、その事件を丸ごとかいてるのかと思いきや、そうではない。読んでいくにつれて事件とは関係なくなる。最上級の女同士の物語でした。
◆2017年 第157回直木三十五賞候補
マジカルグランマ
75歳の元女優が事務所を解雇されお金が無くなる。窮地に立った主人公は回りを巻き込んで窮地を抜け出してゆく生きざまを描いています。これこそ『マジカルグランマ』かも知れない!
◆2019年 第161回直木三十五賞候補
あいにくあんたのためじゃない
本書は「シスターフッド」に焦点を当てた短編小説集です。女性たちが男性中心の社会に立ち向かう姿が描かれており、読んでいるとスカッとするかもしれません。
タイトルの「『あいにくあんたのためじゃない!』」という言葉が込められた短編が6篇収められています。
登場人物たちの異なる職場や環境での話が面白く、たくさんの刺激が詰まっています。
◆2024年 第171回直木三十五賞候補(発売日2024年3月21日)
すごいよね。もう6回目の候補だよ!
ブラックな小説も、元気になれる小説も、両方を書き切るってものすごいことだよね!
おすす文庫本5選
柚木さんの書く小説は二つの種類があります。一方は前向きな気持ちになれる、元気になれる小説。
もう一方は女性の怖い人間関係や、本音を描いたブラックな小説。
対極同士の世界を見事に表現されています。
そんな柚木さんの文庫本おすすめ5選のご紹介です。
ランチのアッコちゃん
麹町にある「雲と木社」という小さな出版社で働く澤田三智子は、4年間付き合った恋人に振られ、自分に自信がなくなります。落ち込んでいた三智子を心配した営業部長のアッコ女史が、ランチに誘いますが、三智子はお弁当をアッコ女史に譲ります。
アッコ女史は三智子のお弁当を気に入り、1週間ランチを交換することを提案。三智子は外食を楽しみながら、さまざまな経験をします。最終的には、社長と話したアイデアをもとに新しい教材の企画を提案し、自信を取り戻します。
その手をにぎりたい
1980年代、25歳の青子は東京の会社を辞め、栃木の実家に帰るつもりだった。しかし、送別会で行った銀座の高級寿司店で、職人が手から握った寿司を食べた青子は、その味に感動し、東京に残る決意をします。
彼女は寿司店の職人、一ノ瀬への気持ちも抱えながら、不動産会社に転職。
バブル時代の東京で、自分の稼ぎで寿司を楽しむことを目指し、頑張ります。青子の努力や最後のお願いが感動的で、彼女の10年の歩みが素敵に描かれています。
嘆きの美女
ほぼ引きこもりで性格も良くない耶居子は、ネットで悪口を書いてばかりいました。
ある日、ブログで美人たちが集まる「嘆きの美女」というサイトを見つけ、思いがけずその美人たちと一緒に住むことに。美女の苦労や、そうでない人の苦労を知ることで、他人の痛みを理解する大切さに気づきます。
自分の問題を無視して他人を攻撃しても変わらないことに気づき、周りの優しさに感謝することの大切さを学ぶ成長の物語です。
自分らしく輝く耶居子と、彼女を応援する美人たちの姿が描かれています。
私にふさわしいホテル
文学新人賞を受賞した加代子は、憧れの小説家になれると思っていました。しかし、同じ賞を受賞したのは元・人気アイドルで、注目を全部持っていかれてしまいました。
二年半が経ち、加代子は「山の上ホテル」にこもって自分で執筆を続けていました。
そこに大学時代の先輩で、大手出版社に勤める遠藤が訪ねてきます。遠藤から、上の階で有名作家の東十条宗典が書いていると聞きます。
物語が進むにつれて、加代子の行動が未来にどうつながるかが面白いです。
ねじまき片想い
浅草にあるおもちゃ会社で働く富田宝子は、見た目は控えめだけど、おもちゃのアイデアがとても豊かで、仕事では敏腕プランナーとして活躍しています。
彼女は5年間ずっと好きなデザイナー、西島に恋しているものの、告白できずにいました。西島が困ったときには、自分のおもちゃを使って問題を解決していく宝子。しかし、西島は彼女の努力に気づきません。
宝子の恋がどうなるのかを描いた物語で、最後には心温まる結末が待っています。
柚木麻子さんの書籍はKindle版で読むことができます。30日間無料体験ができるので、まずは無料で読んで(聴いて)みてから、書籍を購入してもいいですよね!
30日あれば何度でも好きなだけ読めますね。おすすめ本を読破してしまいそうです!
まとめ
柚木さんはどの作品も読者を楽しませてくれます。
個人的には『終点のあの子』が好きで、連作短編になっており、女子高特有のブラックやユーモアが盛り込んであります。忘れたころに読みたくなる小説です。
人間の感情の対にある感情を上手く小説に書いており、そういう作風は柚木さんの特徴だと感じます。
みなさんも一度ブラックと元気の両極端を体験してみてはいかがでしょう。